~自明性の罠からの解放を目指して~
「性」というテーマにはどのようなイメージが植え付けられているのでしょう・・・。
猥談や「下ネタ」のように笑い話にされることもあれば、「汚いもの」「悪いもの」といったように、ネガティブなイメージが与えられています。そのため、日本では表立って語られることは多くありません。
しかしながら、「性」というのは、一人ひとりの生き方や心のあり方、健康や人権と結びつくテーマであり、それは本来ポジティブに捉えられるもののはずです。
それでも今の世の中にはたくさんの誤解や偏見が存在し、私たちはしばしば「思い込み」に囚われてしまいます。社会の都合で形成された偏りのある情報や、商品性のある情報は満ち溢れているのに、重要なこと、必要なことが語られる機会が少ないのが、「性」というテーマの現状です。
「性」というテーマは、世の中のありとあらゆる「思い込み」によって支配されていると言えるでしょう。
こうした「思い込み」から少しでも自由になれば、今までの視点が変わり、人生の選択肢も豊かになってくるはずです。
このことを、社会学では「自明性の罠からの解放」と呼びます。
ダイバーシティ、価値観が多様化する今後の社会に向けて、今まで「当たり前」とされてきた規範に少しだけ疑問の目を向けてみることは、人生を豊かにする選択肢の一つです。
そうした未来に向けて、「性」の思い込みを解きほぐす具体的なアプローチを模索していくことは、努力すべき重要な課題であると捉えています。