大切なもの

「感染拡大が治る気配がありません」

いつだって大切なものには気づかない、

「突然の事すぎる訃報に言葉もありません。」

失わないと気づかない

「感染の第二波が懸念されます。」

いつまでこんな地獄が続くんだろう

歴史的パンデミックの渦中にいる自分達、連日テレビで報告される感染者数の中に、自分や自分の大切な人たちがまだいないのは奇跡だ。みんなみんな自分の人生にいろんな考え方や成長を与えてくれた大事な人達。誰一人失いたくない。

こんな思いを抱えながらも、少し離れたところでは、もしくは、自粛前に街ですれ違ったことがあるかもしれない赤の他人である誰かは、もうすでに大切な人をなくしているかもしれない。

そんな不安とまだ近くには感染者が出てないと言う謎の自信

自粛の宣言が本格的に出てから約二ヶ月、まさに不安と隣り合わせな日々、必要な外出だったとしても、何かまとわりつく罪悪感のようなもの、最近は感染者数が少なくなったことから、気の緩みの証拠として街に人の影が溢れ出した。

でも考えてみると、元の世界には感染者なんてものの存在そのものが無かった。

まだ何も終わっちゃいない、

もしかしたら、突然変異があるかもしれない、

ここからが本番、まだ何も始まっていないかも知れない、

日を追うごとに、考えられる最悪の事態は更新されているかも知れない、そんな考えで生きていると、もはや家から出るなんて考えは微塵も浮かばない。

今、医療関係者の人たちは全力でこの事態と向き合っている、政府も初めての事で戸惑いながらも支援体制を整えている。大富豪ビルゲイツ氏も金ありったけぶち込んで工場7つフル稼働させてワクチン作ってくれてる。みんなそれぞれが大切な人を一人でも守ろうと自分にできることをしている。世間にとっての自分達は変わりはいるのかも知れない。でも、それぞれの大切な人の代わりはいない。今は自分にできることをしよう。

大切なものは失ってからじゃないと気づけないとか言うんだったら、俺は一生、大切なものなんて気付けなくていい。