私がBACKPACKERを書く理由

2年前の4月、初めて『BACKPACKER』を手に取ったあの日から、この雑誌は私の憧れだった。
旅の自由さと儚さを上手く織り込んで、読み手を退屈させることなく展開されていく書き手にとっての旅。
その文章を彩り引き立てる写真。
練りに練られた構成、デザイン。
家に持って帰ってからは宝物のように部屋の片隅に飾り、暇があればいつも眺めていた。

 

あの頃は、『BACKPACKER』で文章が書けるようになるなんて想像もしていなかった。
『BACKPACKER』はあくまでも憧れの世界で、いちファンとして毎号楽しみにしていた。
けれど、憧れは憧れのままじゃいつまでたっても掴めない。
そう思って一歩踏み出したのがきっかけだった。
結局その一歩を踏み出すのに1年半かかってしまったわけだが、その選択に後悔はない。


 さて、『BACKPACKER』で文章を書かせてもらえるようになってから半年経った今、なぜ私はこの雑誌で書くのだろうと改めて考えてみた。
そんな大それたことは言えないけれど、

 

私は、あなたに届けたくて、書いてるんだよ。

 一期一会のような出会いも。
横に並んで星空を見たことも。
照り付ける日差しも。
突然のスコールも。
喧嘩したことも。
笑い転げたことも。
成長したことも。
変わらないことも。
おかえりも。
ただいまも。

 どれも私にとって大切で仕方がないから、ちゃんと残しておきたいのだ。

 

自分の書く文章が果たして誰かの「旅に出たくなる理由」になるのかは分からない。
でも、自分の書く言葉が、あなたに届いていればいいなと思う。
私が紡いだ言葉が、いつかあなたの心に残って、大事にされたらいいなと思う。

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