こんにちは!FFJE20期のSayuriです。昨今、SDGsの認知度が高まり、皆さんも「持続可能」というキーワードを目にする機会が多いのではないでしょうか。本記事では、フランスで行われている環境問題への取り組みの一つとして、EcoQuartierプロジェクト:持続可能な都市開発、についてご紹介します。
目次
1.EcoQuartierとは
2.実際の取り組み:ZAC de Bonne(グルノーブル)の例
3.プロジェクト段階
4.おわりに
EcoQuartierプロジェクトとは
このプロジェクトは、フランス政府の住宅・持続的居住省により開始された、持続可能な都市開発事業です。※1
EcoQuartierは文字通り、環境に優しい地区、を意味します。都市開発にあたって、
①取り組みへのプロセス: ex. ニーズに合った事業を実現し、評価と改善を行う
②生活環境: ex. 住民の団結や健全な生活環境を保つ
③地域の発展: ex. 地元の資源を利用し、産業の発展に貢献する
④環境・気候: ex. 水資源を大切にする、生物多様性を保護する
など、4つの観点にそれぞれ5つずつ、計20項目の基準が設定されており、これらに従いながら都市改革と住民のQOL向上を目指した活動が行われています。基準について詳しく知りたい方は、以下のURLからアクセスしてみてください。※2
le référential EcoQuartier
日本語版はこちら
実際の取り組み:ZAC de Bonne(グルノーブル)の例
それでは、実際の取り組み例を見てみましょう。フランス南東部、グルノーブルには、ZAC de Bonneという、フランス国内のEcoQuartierの中でも特に知られている地区があります。かつて兵舎だった土地に建設され、13.5ヘクタール(東京ドーム約3個分)の広さに多くの住宅、オフィス、お店が並んでいますが、ショッピングモールの屋根に1000㎡(畳約600枚分)、オフィスの屋根に400㎡の太陽光パネルを設置したことで、再生可能エネルギーを電力として使用できるようになりました。また、公共交通機関の発達とゴミの管理、そして水の使用量をコントロールすることで、温室効果ガスの排出量を削減することができたそうです。地区の40%は緑にあふれ、ホテル、高齢者向け住宅、学生寮や学校が建設されているそうなので、様々な世代の人々がこれからも快適に暮らし続けるための取り組みがなされていることが分かります。※3
プロジェクト段階
現在、プロジェクトに参加している地区は、その進捗状況に応じて①計画中②進行中③達成④認定証取得、の4段階に分けられています。現時点でレベル4を獲得しているのは9地区、レベル3は72地区、レベル2では183地区となっています。※4
ちなみに、千葉県船橋市の「ふなばし森のシティ」はレベル3と認定されており、これはフランス国外初の出来事だそうです。※5
おわりに
今回はフランスの例のみご紹介させていただきましたが、オランダやイギリス、ドイツなどにもエコな街が存在しています。環境と人々の豊かな暮らし両方を守るために、できることから行動に移したいですね!
お読みいただきありがとうございました。
参考資料
※1 Qu'est- ce qu'un écoquartier?
※2・le référentiel EcoQuartier
・エコカルティエ認証プロジェクト評価|ふなばし森のシティ
※3・5 éco-quartiers à connaître en Europe
・Zac de Bonne à Grenoble : un des premiers éco-quartiers en centre ville de France
※4 Les Ecoquartiers en chiffres au 23 octobre 2020
※5 「ふなばし森のシティがフランス政府のエコカルティエ認証を取得」
画像
・表紙: Gerd AltmannによるPixabayからの画像
・Simdaperce, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons