筆者:杉山崇(臨床心理士)
内容:なぜ人は許す事が出来ないのか?許す為にどうしたらいいか?
結論(人を許す方法):①感謝②本来の目的を考える③自尊心を低くする
人を許さんデメリット
許せん事がある⇒忘れようと思えば思うほど考えてしまう
※他にやるべき事があるのに・・・今考えても仕方ない・・・etc
この状態を心理学用語でルミネーション(反芻:はんすう)
ルミネ―ション=不眠・疲れの原因⇒寿命に影響する!らしい
いやいやっムカつく相手のせいで、自分の寿命・健康を損なわれるとかマジありえん!!
嫌な事が世界の全てにみえていまう危険な状況
許せないという感情で身も心も捕らわれてしまうので注意!
人を許せない理由
『社会』という枠組みで生活していく為の脳の仕組み。
人間の脳=社会で生きる為にルール・規則を記憶
私達の社会=皆で助け合うみたいなシンプルなモノではない為、敵・味方を記憶するように脳が進化してきた。
まー確かに赤は味方、白は敵って把握しておかんと人間だ~って寄っていったら確実にやられてしまうよね。笑
※敵・味方が判別できないと生きていく事ができない
人は社会を形成する為、生きる為に覚えることが多い⇒許せない相手・妬み・恨みを頭にため込んでいる。
許せない理由=人間だから当たり前
許す許さないの必要性
人の心に喜怒哀楽がある理由=自分の人生を豊かにするため
許せないという感情にも意味がある
⇒許すとは・・・本当に大切な何かを見つけることができる
■許せないとき
①家族(大切なものを傷つけられた)
②バリ文句言われて存在を否定された
③自尊心を傷つけられたetc
実は・・・人は本当に大切にしている事に気づくのが苦手!
ムカつくことがある⇒怒り・怯え(感情)⇒許せない
※何かあると許せないという想いより感情が先に出る。
⇒許す・許さないって何なのかを改めて考えていないから気づけない。
人が許せないと感じる本質は
自分が自分らしく生きたいという想いを邪魔されたとき
過去を振り返って自分自身が許せなかった経験は自分にとって何なのか?を考える必要がある。
人を許す為にはどうしたらいいか?
①感謝
②本来の目標を考える
③自尊心を低くする
①感謝する
感謝する=自分を大切にしてくれる誰かの存在を実感している
人間の脳は原始時代から『ウマの脳』というリスクをモニタリングしている脳がある
⇒リスクを感じると心が痛む(社会から排除されるといけない為、備わった機能)
自分の社会的に価値を疑わせる劣等感に関して敏感に痛みを感じる。
※俺って社会に必要なのかな?etc
心の痛みを和らげる ⇒ 誰かに好意を抱いてもらう
感謝出来る相手がいる ⇒ 誰かの好意を実感している = 自分には味方がいると感じられる(安心)
感謝出来る人が多ければ多いほど『許せない』という感情から離れる!
日頃から感謝する事が出来る人がトラブルが少ない=許す習慣がある
これは・・・『許さないと思われている相手にも有効』
先輩・上司から怒られたとき⇒『私の認識不足でした。ご指導ありがとうございました!』
感謝の気持ちを伝える(思っててなくても・・・笑) ⇒ 相手の許せない感情が和らぐ
許せないから怒るから逃げる事が出来る!
注意:モラルがない相手には感謝してもどうしようもない、その場合は逃げよう。
※パワハラ・セクハラしてくるような奴
②本来の目標について考える
相手を許せない時間があれば
自分がやりたいこと・本来の目標・人生で大切にしたい事に時間を作った方がいい!
許せないと考える時間・労力=人生の損失
※メリットデメリットで考えてみる
許せないときは自分の強い目標について考えてみる。
許せないと考える事がもったいないと気付く事が出来る。
③自尊心を低くする
自尊心を低くする=人を敬う事に抵抗がなくなる
⇒相手に感謝し易くなる(感謝出来る人が増える)
自尊心≠自信・自己肯定感
⇒自尊心を低くする≠自信を無くす。惨めになる。
自尊心をあえて低く設定=自分にはこれが出来ると自信を持っていていい!
自尊心が高い人=結構、周囲とトラブルを起こしている。
超一流の人は自尊心が低い人が多い(周囲に自慢しないetc)
感想
過去にど~しても許せない事・人物がいて朝6時ぐらいまで寝れずに会社に行くという事をしばらく続けた事があります。今思えばあの時、布団の中で考えても解決する事では無かったなと確かに思います。そして、先日「1日のありがとう」をノートに書いているという学生のブログを読みました。確かに彼女の雰囲気を見ていると(zoomでしか会ったことはないですが・・・笑)応援したくなるという雰囲気がありました。「感謝」というものを私自身本当に出来ているかと問われると出来ていない事や気づいていない事が沢山あるのではないかと改めて感じました。人に感謝し許せる人間になる為に自尊心を低くする事に挑戦してみようと思います。就活生の皆さんは『自分が許せなかったこと』について深く考える事で自分の願望や在りたい姿を見つけるヒントにもなりそうですね。