慶應義塾大学商学部岩尾俊兵研究会(ゼミ)入ゼミ選考問題

慶應義塾大学商学部岩尾俊兵ゼミの入ゼミ試験問題です。
下記に指示する内容について、2種類のレポートおよび成績表を提出してください。勉学意欲と論理的思考能力のみで評価しますので、主観が入り込む面接は実施しません。内容についての質問は、公正のために一切受け付けませんので、各自が自分の頭で解釈してレポートを作成してください。

1.「あなたが経営学を学ばなければいけない“必然性”について」というテーマで、1500字以内で自由に書いてください。

2.下記のAの考察はどこが間違ったのか(あるいは間違っていないのか)、各自で考察してください。
昔々ある王国で、独裁的な王様が、反乱軍のリーダーAを捕らえてこう宣言しました。
「今から一週間のうちにAを処刑する。ただし、本日月曜日から日曜日までの七日間で、今日が処刑の日だとAが予言できた場合には処刑を取りやめる」
これは、民衆の反乱を抑えこむための王様なりの譲歩でしたが、王様がAを処刑したいことは明らかで、無理難題を吹っかけてきたことは一目瞭然でした。
Aは獄中で考えました。
「まてよ……。王様は自分を絶対に処刑したいのだから、処刑を日曜日にすることはないのではないだろうか?」
なぜなら、月曜日から土曜日まで処刑がおこなわれなければ、日曜日に処刑がおこなわれることは確実となり、100%確実な予言が可能となるためです。王様は自分を処刑したいはずなので、こうした100%確実な予言ができる状況を作りたくないでしょう。
「ということは……、処刑は月曜日から土曜日までの六日間におこなわれるはず。しかし、そうだとすると今度は月曜から金曜日までに処刑がおこなわれなければ、必ず土曜日に処刑しなければいけない。すると土曜日もまた100%予言できてしまうから……」
こうして、日曜、土曜、金曜……と考察していくと、いずれの日にも100%当たる予言ができてしまうので、結局王様はこれから一週間で自分を処刑できないとAは考え、すっかり安心しました。
ところが、ある日、当然のように処刑は実行されてしまいました。


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