私がピンクの法被を着る理由

最初は憧れでした。高校3年生で初めて訪れた徽音祭。象徴とも言えるピンクの法被を着て、颯爽と働く実行委員の先輩の姿は、当時の私の印象に強く残りました。私も大学生になってピンクの法被を着たいな。何事にも消極的だった私にとって、抱いた仄かな思いは、大学生活を大きく変えるものでした。

あれから2年と半年が過ぎ、私は今、あの先輩と同じピンクの法被を着ています。実行委員となってから今日まで、経験と学びの連続でした。楽しかった日もあれば、失敗した日も、思ったように事が運ばずに落ち込んだ日もありました。挫折しそうになったことも、一度や二度のことではなくなりました。

けれども、私が頑張っていられるのは、偏に実行委員のみんなのおかげです。折れそうな時には手を差し伸べてくれる、間違った時には正してくれる、相談すれば一緒に悩んでくれる、そして、達成の喜びを共有することができる。そんな仲間たちです。人を頼ることが大の苦手だった私を、彼女たちが組織の一員にしてくれました。みんながいるから、1人では成せないことにも挑戦できるし、より一層頑張ろうと思えるのです。

憧憬を抱いたあの日から丁度3年になる11月、第71回徽音祭が開催される予定です。先の見えない世の中ですが、私は、あの日の先輩に胸を張れるような実行委員になれるよう、今の自分にできる最善を尽くしていこうと思っています。

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