Editor's note 2

絶対に合わないと思っていたあの子と、今は親友。

なんてことが、時々ある。

最初は、この前休んだ日のノートを、ただ借りるだけのつもりだった。

端っこに、お礼の一言を書いて渡すと、にっこり笑ったあの子。

よく話しかけるようになったのは、その時から。

 

私なら嫌気がさすようなことを、あの子はチャンスだと思うし、

私なら楽観的に考えるようなところで、あの子は泣きじゃくったりする。

趣味も考え方も全然違うけど、

私には想像もつかないことを、思いつく。

二人の共通点は、お互いに全く似ていないところ、だったりして。

 

今の時代、書いたいものはワンクリックで手に入るし、

お気に入りの不特定多数と、一度に「いいね」でつながれる。

一見、世界が広がったようだけれど、これって本当なのかな。

自分に合うと思うものだけ、つまみ食い。

それ以外は、フタも開けずにそのままゴミ箱へ。

もしかしたら、世界を知らぬ間に、狭めてしまっているんじゃないかなあ。

 

だから私は、最初からワクワクするものを探し出すより、

思いがけず見つけたものにワクワクするほうが、ちょっぴり嬉しく感じる。

同じように聞こえるけど、実は全くちがう、二つ。

 

欲しいもの、つながりたい人を、簡単に見つけられる世の中だからこそ、

そんな偶然の出会いを、もっと大切にしたい。

 

まずは、この一冊から。

あなたも、Serendipityに出会えたら。