Editor's note 3

帰り道。

いつもの景色と何かがちがくて立ち止まる。

あれ、こんなお店あったっけ?
幼い頃から住んでいるこの街も、最近ちょっとずつ変わっている。

暇さえあれば立ち読みしていたあの本屋さんも、看板がなくなっていた。

それも、気づかないうちに。

 

そういえば昔は、

この小さな町さえも私にとっては大きな世界だった。

 

どこに行こうか。

何を見ようか。

どう過ごそうか。

 

ありあまる時間の中で、

行ったり来たりしながら、自分の新しい“好き”に出会い、心躍る毎日。

 

何も知らなかったあの頃の感覚を、今でも時折思い出すことがある。

ちょっとゆっくり顔を上げて歩く日に、素敵な隠れ家を見つけたり。

 

なんとなく過ごす毎日にも、

新しい“好き”に出会うためのドアはいくつもあるのだ。

 

あの子が通った道を進むのもいいけれど、

いつもの道で帰るのもいいけれど、

ときには新しい道を見つけることがあってもいい。

 

わかれ道は、選択のチャンスでもある。

あの頃から目まぐるしく変わる景色を見つめて、

次の一歩をどうするか考える。

 

踏み出した道の先で、思いがけない出会いに気づくために。

 

まずは、この一冊から。

あなたも、Serendipityに出会えたら。