フランスの宗教

 皆さんこんにちは。
 Vent arrière月曜担当の白川です。

 今週のテーマが「宗教」ということで、私はフランスの宗教について調べてみました。

 突然ですが、皆さんは「ライシテ」という言葉をご存じでしょうか?これは現在のフランス共和国のアイデンティティの基本要素の一つでもある「政教分離」という意味です。フランスの宗教事情を語る上では非常に重要になってくる言葉ですので、是非覚えておいてください。

 さて、フランスの宗教事情ですが、細かい宗派は別として、やはりキリスト教が多くの割合を占めています。次いで、イスラム教、ユダヤ教となっています。キリスト教だけでみてみると、割合の高い順にカトリック、プロテスタント、東方正教会、その他となっています。

 キリスト教を筆頭にいくつかの宗教がフランスにおいて信仰されていますが、これは先ほど言っていた「ライシテ」によって国家の宗教の中立性・無宗教性、個人の信教の自由が保障されているためでもあります。しかしながら、イスラム教を例に挙げると、フランスではセキュリティ対策を理由にムスリムの女性がスカーフなどで顔を隠すことが禁止されています。(このご時世、感染対策としては有効なので私は良いと思いますが、、、)このように信教の自由とは言っても、決してすべてが寛容に受け入れられているわけではありません。

 さらには、無宗教という人も4割ほど存在します。これもおそらくはライシテの影響が大きいと思います。フランスの教育分野においては宗教とそれに関する事柄はタブーとされています。ですので、宗教教育を受けさせたい場合は親が代わりに宗教教育を受けさせるか、多くがカトリック教会によって運営されている、私立の学校に入れるしかありません。

 国として宗教の中立性や無宗教性を保っているため、国民の間でも宗教に関する意識が薄れていっているのかもしれませんね。フランスには多くの教会があり、世界遺産にも登録されているような立派なものも多くあります。私も留学中に訪れたことがありますが、神父さんが祈りを捧げていても、一緒にやっている人はあまりいなかったと思います。私自身が無宗教に当てはまるのでこんなこと言うのは野暮かもしれませんが、せっかくの素晴らしい教会が本来の目的として使用されなくなっていくのは、少し寂しいものがあります。

 ではまた来週✋

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