これまでとこれからの獲天へ

　先日の引退演舞で大分大学「獲天」5代目の副代表としての務めを終えました、安武響流です。

　まずは日頃より獲天を支えてくださっている全ての方に感謝を申し上げます。皆様のおかげでこうして獲天を未来へ繋ぐことができ、自分も代持ちを無事終えることができました。本当にありがとうございました。
　
　振り返ればこの2年半、3代目と4代目という素晴らしい先輩方と代え難い貴重な時間を過ごし、様々な感情をともに抱き、でも先輩方は悔しさや後悔を最後に少なからず残して引退されたように感じました。自分が代持ちを終える時には、後悔とは無縁で「全部やり切った！」そう言えるようにと心に決め代持ちを始めました。
　しかし、代持ちを終えた今、悔しさや後悔が多く残ります。直面する問題は答えのないものばかりで、本当にこれでよかったのかという迷いや、こうすればよかったという後悔、そして、もっと祭りに出たかった。もっと楽しくて、嬉しくて、幸せな感情をみんなと共有したかったという悔しさ。自分は今まで獲天を作ってきた、支えてきた先輩方と同じように務めを果たせたのか、不安もあります。
　それでも、数ある思い出の中で最も色濃く残るのは楽しくて、嬉しくて、幸せな感情です。引退演舞や豊の国YOSAKOIまつり、地域イベントや日々の練習に部員との遊びの時間。今までの、そしてこれからの人生の中でも強く輝き続ける大切な思い出になりました。獲天を選んだ、その選択だけは一切の後悔もありません。幸せでした。

　そして、制作期間を含めれば1年間、自分達が作り育て自分達を成長させてくれた5代目の作品「魂花」。願わくばこの作品で獲天が最高だと証明したかった。どこまでもいけると確証があった。それらの目標は達成できなかったかもしれない。それでも、自信を持って獲天の最高傑作だと言えます。制作に携わってくださった全ての方を尊敬しています。そして大変感謝しています。ありがとうございました。

最後に獲天のみんなへ。
　7代目、君達は本当にアホでうるさくてバカだし、心配になることがたくさんたくさんたくさんあるけど、魂花の吸収速度や、豊の国を終えてからの成長速度を間近で見て驚かされることばかりです。言わなくてもわかってるはずの、自分達の素敵な部分をいつまでも忘れずに、まだまだ成長できるという貪欲さを胸に、良い意味で謙虚にならないでください。君達がこれから一緒に時間を過ごす6代目は、僕が安心して獲天を任せれる素敵な先輩です。それでも、獲天の、よさこいの良さである、一人一人が主役になれるということを忘れずに、先輩に追いつけ追い越せの精神で獲天を楽しんでください。期待してます。

　6代目、今でも君達が獲天に入ってきた時のことを覚えています。夏休みに朝から晩まで毎日練習したこと。キャンプや合宿、地域イベント、日々の練習や、多くの遊び、代持ちになるにあたって泣きそうな顔で相談してきたこと、そして豊の国や引退演舞。その全てが宝物です。獲天の初めての後輩が君達で本当に良かった。今、代持ちになるにあたって少なからず不安があるかもしれない。それでも、自分が思うよりも成長している、立派な先輩になれています。自信を持って。僕達がいなくても十分やっていける。獲天を任せました。
　6代目と7代目、獲天を選んでくれてありがとう。獲天を続けてくれてありがとう。君達なら僕達を超えれるはずです。後輩に、獲天を選んでよかったと言ってもらえるような先輩であってください。そして、獲天を人として成長できる場所にしてください。「獲天を経てその経験が活きた」そう言ってくれれば僕のこの2年半に意味ができます。

「あの輝きを確かめにいこう　そうやって始まったんだよ　たまに忘れるほど強い理由」

「どんな最後が待っていようと　もう離せない手を繋いだよ」

　それぞれ君達が獲天を選んで続けている理由と、繋いだ仲間の手の存在だけは忘れずに楽しんでください。これからどんなことがあっても僕は獲天のファンとしていつまでも応援してます。

　5代目、苦しいことも悔しいことも嬉しいことも楽しいことも幸せなことも、5代目とだから得ることができました。みんなのおかげで獲天を繋ぐことができました。みんなのおかげで代持ちを終えれました。ただただ純粋な気持ちで踊った2年前も、コロナ禍になり代持ちになる時期も重なりたくさんぶつかった昨年も、先輩として走り抜けたこの1年間も、全てに、今まで本当にありがとう。

　そして、名前は出せないけど感謝したい、三役として駆け抜けた代表と、もう1人の副代表。2人には感謝してもしきれないです。迷惑かけたこともかけられたことも、本当にありがとう。2人とだからここまでやってこれました。尊敬しています。何があっても大切にしたい2人です。

　最後になりましたが、先輩方、同期、後輩。切磋琢磨した県内外の他チームの方々。獲天を応援してくださっている方々。そして、この2年半で支えてくださった全ての方々。挙げればキリがありません。お世話になりました。出会いの全てが財産です。ありがとうございました。