保守的なわたしの幸福論

これは自分との折り合いのつけかた、憧れの諦め方を綴った記事です。

みなさんは、まわりと比べて「自分はなにもできてない」「なにも誇れるところがない」「自分なんて誰かの代替品なんだな」と感じたことはありますか?

大学に入ったばかりの頃のわたしはそんなことばかり考えていました。自分を嫌いになったり、人生をやめたいなって思ったりしていました。ただ、そう思いながらもなんとか大学生活を送っていくうちにだんだん心持ちが変わってきて、いまではそんなことを思う回数もぐんと減ってきました。今日は、わたしと同じ思いでしんどい思いをしてる人のひとつの道しるべになればいいなと思ってこの記事を書きます。

まず今までのわたしがどんな人物だったかについて話そうと思います。
必死になって入った大学には高校とは桁違いにすごい同級生がたくさんいました。その人たちを見るたび知るたびに、敵わないなあいいなあと羨望のような嫉妬のような感情を抱いていました。人と比較しがちな自分は、人と比べては劣っているのに落ち込んで、でも特段努力をするわけでもなく、ただただ怠惰な負けず嫌いでした。そして人と比べがちなことに加えて、新しい環境が苦手だったり、過度に不安に思ったりする癖があったので、どんどん挑戦!!みたいなことはできず、いつも自分の得意なこと、できることばかりこなしていました。

この時の自分は、いつもどこか息苦しく感じていました。自分より優れている人がいる、自分より先にいる人がいる、自分にはできないことをしてる人がいる、なのに自分は何もしてない。焦燥感と劣等感がいつも頭の隅にありました。

こんな自分が変わったのは、なにかしなきゃ!という思いに駆られて参加したSIAC*1でした。ここで出会ったのが、福島県広野町で地域おこし活動をしている大場美奈*2さんです。大場さんと話している中で、

「人生100年間、自分が描いた物語を生きる。」

という言葉がありました。この言葉を聞いたとき、なにかすごくどんやり、もやもやしていた頭にすっと風穴が空いたような気がしました。

自分の一番大切にしたいことはなんだろう?

自分はなにができたらしあわせなんだろう?

それを自分に問うたとき、別に自分を人と比べる必要ってないな、と腹落ちしました。
自分は起業家になりたいわけでもないし、英語で外国人とディスカッションしたいわけでもないし、イラストでお金を稼ぎたいわけでもないし、インスタグラムできらきらした写真をとりたいわけでもない。さまざまな憧れに諦めがつきました。自分が今まで、敵わないと思ってた相手のほとんどは、そもそも戦わなくていい相手でした。

上を見ることは一概に悪いことではありません。“いい”人間になるために向上心は必要です。ただ、それは本当に自分のやりたいことなのか、それができたとして何がしたいのか、常に問う必要があると思います。他人と自分の大切にしてるもの、がんばれるものは違います。他人を見て自分を見る、これが幸せに生きるためのコツなのかもしれません。

そして、自分を見ることでわたしの大切にしたいことがいくつか見えてきました。
自分の場合、それは、人からほめられたり信頼されたりすること、好きな人たちを大事にすることでした。他人のためならがんばれたり、約束ごとはきっちり守ったり、小さな贈り物が好きだったりなど、大切にしたいことは今まで無意識にしていた行動にも表れていました。

もうすぐ学部3年生の春、ということでそろそろ就活がはじまります。大手だベンチャーだ、なんて言葉が聞こえてきますが、そのようなものばかりを聞きすぎず、自分の心に耳を傾けながら就活していきたいと思っています。実は、就活はあまりにも人生がかかりすぎていてあまり乗り気ではないのですが、将来の自分のしあわせを叶えるためのものなので、一生懸命がんばろうと思います。

話は飛んで、就活を超えたわたしの人生の話です。2024年3月時点で、わたしが死ぬまでにやりたいことは2つあります。ひとつは、世界に残るでっかいものをつくること。ふたつめは、しあわせに生きることです。自分が生きているうちは、自分の大好きな人たちに好かれて生きていきたい、そしてあわよくば、自分が生きてきた意味を自分がいない世界にも残したい。人生で迷ったときは、この2つが叶いそうな方を選んで、しあわせにしあわせに生きていければいいなって思っています。

この記事が、自分を好きになれない人の心を少しでも軽くできていたらうれしいです。

*1:Social Innovation Accelerator College (SIAC)。仙台市主催の大学生・大学院生向け社会起業家人材育成プログラム(東北版アントレプレナーシップ醸成事業)。『東北の社会起業家』と共に課題解決に向けてアクションをする実践型プロジェクトや取材活動を同世代の仲間と共に6ヶ月間活動する。(https://social-innovation-accelerator-college.mystrikingly.com/


*2:HORONO STYLE「【移住者の声】大場美奈さんにインタビューさせていただきました!」https://www.town.hirono.fukushima.jp/ijyu/1003592/1004242.html 

鹿股とほこ
2024.04.13

みこっちゃんの考えすごく好きだ!!
まだ憧れにあきらめのつかないお子さまな私は、「さまざまな憧れに諦めがつきました。自分が今まで、敵わないと思ってた相手のほとんどは、そもそも戦わなくていい相手でした。」という文章にハッとしました。戦わなくていい相手と戦って傷つかなくていいんだよという優しさをすごく感じて心が💛でいっぱいです。ありがとう💛

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