しまなみ海道とUXの旅【とあるデザイナーの休日の過ごし方】

休日 プライベート デザイナー UX

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先日、年末進行前の滑り込みで有休を取得して「しまなみ海道サイクリング」へ行きました。自転車は素人で運動も不得意なんですが無事完走しました!……ということはUXが高いとも言えるのでは?

はい、「UXは完全に後からのこじつけ」というのは最初にバラしてしまいますが旅話をベースにUXについて書きたいと思います。

だいぶ長くなってしまったので、途中のうさぎや猫の写真だけノンビリ眺めて帰るって選択肢も提案させていただきます。

しまなみ海道とは、ついでにUXとは

「しまなみ海道」とは広島県尾道市と愛媛県今治市を瀬戸内海に浮かぶ6つの島々で結ぶ道を指し、世界に名だたる日本のサイクリングスポットとしても知られる場所です。

サイクリングロードの全長は今治駅前から尾道駅前までで約76km。
余裕のあるプランさえ組めば、自転車旅行が初めてでも、ふだん自転車にあまり乗らない方でも安心して楽しめますよ♪」という案内サイトの言葉を都合よく真に受けることにします。この口っぷり、有名な場所だしUXが整っているに違いない。

さて、UXって結構フワッとしたままわかった気になっている方、多いんじゃないでしょうか。たぶん私もなんですが。言葉的にはUser Experienceの略称ですね。

しまなみ海道の場合であれば、訪れたユーザーが「気持ちよく自転車で完走しやすいか」とか「リピートしたい」と思わせるだけの体験を提供するための準備が整えられているかがUXに当たるんじゃないかと。導線設計とか、おもてなしとか、アクティビティとかいろいろひっくるめた感じのことだと捉えるのがいいんじゃないかなという解釈なのですが、やっぱりフワッとしたままですね。

「余裕のあるプラン」ということで、途中の生口島(いくちしま)で宿を取ることにし、2日に分けて巡ることにすればだいたい40kmずつ。これなら自己最長サイクリング記録「ママチャリで28km」な練習なしの完全初心者でもきっとなんとかなるはず。

ママチャリじゃなくてクロスバイクだしね。乗ったことないけど。

なんなら10kmくらい増える寄り道の予定まで入れました。調子に乗ってちょっと重い一眼レフカメラもカバンに入れることにしました。しまなみ海道のUXクオリティを当てにして初心者にしては舐めきった計画。

コースは最後に猫を目当てに尾道をのんびり散歩したかったこともあり今治スタートとしました。

この後はあんまり需要がなさそうな旅の記録をのんびり書いているので最後のまとめだけを見るならスクロール推奨です。

大阪

早めの時間からサイクリングを始めたかったので、朝には今治にいたい。東京からだと飛行機で松山に行って今治で前泊が一般的なんじゃないかと思われますがせっかくの機会、違う方法を採用することにします。

大阪港から今治の近くの東予港まで夜行フェリーが出てるのを見つけていました。シティホテル並の部屋に24hOKの清潔な大浴場もつく素晴らしい仕様で優雅な船旅から現地入りです。お値段は大して変わらない釣りサークルのときに乗ったさる○あ丸とはそれはもうモノが違いました。

旅は非日常感を演出することでより一層UXが高まりますね! 大阪までは普通に新幹線です。

今治

朝8:30。

旅行カバンを宅急便で宿に送って身軽になってから今治駅前のレンタサイクルターミナルで受付。この公営施設でリーズナブルに自転車を借りるか、もうちょっとお金を出して「GIANT」という自転車メーカーのショップでメンテナンスもバッチリなロードバイクを借りるか、今治駅前でレンタルならこの二択でしょうか。施設ではママチャリも借りれますが、クロスバイクを借りるのが無難なはず。レンタルはヘルメット付きです。

「自転車に乗りなれていないと、お尻が痛くなるよ」という情報に怯え、事前に用意したサドルカバーを装着。これは後々本当に実感するハメになったのでオススメです。

しまなみ海道はサイクリングロードに青いラインが今治から尾道までずっと引いてあります。そのため、礼儀正しく青いラインに沿って走っている限りは迷うことがありません。そして島と島を結ぶ橋には、車道の他に自転車用のゆるやかな坂道(傾斜3度位)も整備されていてサイクリストにとって至れり尽くせりです。

※そんなゆるやかな坂道とはいえ1~2kmかけて100m近くを橋ごとに登ることになります。結局何度も引いて登りました。

受付のおじさんは自転車の使い方としまなみ海道の走り方(ブルーライン沿いにいくことなど)について親切に教えてくれます。全体としてしまなみ海道の方々は優しく、サイクリストを迎えるための文化が浸透している印象でした。どこ行っても「ああ、自転車ね」って感じで。期待通りUXがいい感じです。

大島

最初っから一番長い橋、来島海峡大橋を渡り午前10時前ころ上陸。

橋の登り坂で早くも軽く心を折られ可能な限り登り坂は避けることを早々に決め、少々遠回りでも海沿いの平坦な道を走ることにしました。無理はしないのです。ちなみに、しまなみ海道の本線以外の各島の外周道路にもブルーラインが引かれていて親切です。ここでもUXレベル向上への貢献が見られます。

この辺りは海がとにかく綺麗で、そして島がでかいです。また、どうしても避けようのない登り坂もあり序盤から気合が必要な島の印象です。尾道側から来て最後これだときつそうで、初めてしまなみ海道を通しで乗るならそういう意味でも今治スタートがよさそう。

一方で来島海峡大橋からの眺めは素晴らしく、尾道側から来たらこれがクライマックスな訳で夕陽に染まっていたりしたらかなり高まるはず…! 体力に自信のある方なら尾道スタートもいいかも知れません。

村上水軍の本拠地である能島の最寄りでもあります。

伯方島

伯方・大島大橋を渡って午前11時半ころ上陸。

しまなみ海道の正規ルートだと30分位でさくっと走り抜ける島です。
結構坂道は急で若干苦しい場面はあったものの本当にあっさり抜けてしまい短くて申し訳ない気持ちなので取ってつけたような補足で誠に恐縮ではございますが、塩で有名な島らしく塩づくり体験とかできるらしいです。

大三島

大三島橋を渡り正午ころ上陸。ここまでが愛媛県今治市。
しまなみ海道のルート上は短いのですが、ちゃんと回ると非常に大きい島です。

昼食に名産魚介のひらめとタコと鯛などを定食で。魚介といえば、しまなみ海道では釣れそうな意味でおいしそうなスポットがかなり目に付きましたが、生魚背負いサイクリングすることを考えると断念せざるを得ませんでした。

次の生口島へは渡らずに多々羅大橋を一旦スルーして、外周のブルーラインをそのまま北上。計画していた寄り道です。

大三島 盛港からうさぎ島として知る人ぞ知る「大久野島」へ。
自転車も100円で船に乗せて連れていけます。

大久野島(寄り道)

フェリーに乗って13時45分頃上陸。
うさぎ族にすっかり支配された島ですが、旧日本軍の毒ガス研究所のあった島でもあり廃墟マニアもニッコリな一面も持ちあわせています。

写真を撮るようになり半年と少しくらい、動物を撮るのが今のところ一番楽しく寄り道にここを選びました。冬の平日ということもあり人も疎らな影響か、エサは持たずにカメラを持っただけのおっさんでもたちまち包囲されます。

はい、うさぎまみれ体験(UX)をしたければ後悔は絶対しない大久野島でした!
ちなみに大久野島ではうさぎのエサは売っていないので事前に用意して持っていく必要があります。

15:45分頃大三島 盛港へ。

生口島

ここから広島県尾道市。
大三島から多々羅大橋を渡って16時半頃上陸。

レモン風呂だったり、レモンポークだったり、レモンラーメンだったりとにかくレモン推しの島。皮ごと食べられる優しい味という触れ込みのエコレモン、食べてみたかったんですが一袋の量が多すぎたので購入は断念しました。思い返せばこの旅で一番の後悔かも。

翌日、弊社クインテットの社員であれば決してスルーできないであろう「耕三寺(こうさんじ)」でスタンプラリーをしながらお参りし、10時30分頃のんびりと出発。

スタンプラリーも効率よく名所巡りを能動的にしてもらう仕掛けで、考えてみればUXデザインのひとつですね。

余談ですが夕食で立ち寄った「しまなみロマン」というお店のマスターがやばいくらいダンディな接客でして、グーグルでもちょっと評判になっています。こんなところにも優れたUXが整備されていました。生口島にお立ち寄りの際は是非、瀬戸田港の前です。

因島

生口橋を渡り、11時30分頃上陸。
さすがに土曜日になると、サイクリストがぐっと増えました。

生口島がレモンなら因島ははっさくの島。
地元銘菓、はっさく大福がはっさくのほろ苦さと白あんの他にはない組み合わせです。2種類食べました。みかん大福、レモン大福などもあり柑橘類を大福につっこむのが定番のようです。尾道市内なら結構いろいろな場所で手に入りますが日持ちはしませんので基本的には現地で。実は有楽町あたりの広島県アンテナショップでも買えるらしいです。

ポルノグラフィティの出身地としても有名ですね。アゲハ蝶が好きです。
昨日からぐっと気温が下がってパワーアップしやがった北の向かい風に終始苦情を言いながら1時間ほどで通過。

向島

因島大橋を渡り12時30分頃上陸。

尾道に面した比較的都会の工業エリアと裏側の海のきれいなエリアに分かれている島です。裏の砂浜では少年がキス釣りをしているのを見かけました。グワーッっと投げてました。この間初めてしましたが竿と仕掛けの購入を検討するレベルで面白かったんですよね、ちゃんと釣れたのが大きいですが。成功体験こそ最高のUX。

さて、この島で立ち寄ったのはUSHIO CHOCOLATL。店の名前からして弊社クインテットのデザイン部の人間であれば(省略)、立て続けの身内ネタ失礼しました。

坂道を登ったリノベーションした学校ぽい場所で、なかなか映えそうなチョコレートを売っています。チョコレートはカカオと砂糖だけで作る本格派。公式サイトを見ると醸し出されるパリピ感に気圧されそうになりますが、店員さんは個性的な気のいい兄ちゃんという感じで特に怖いことはなかったです。

念の為補足ですが、同じ広島県の出身である弊社デザイン部部長とは縁もゆかりもないそうです。

尾道

14時半頃、無事ゴール。

ゴールするとさすがに達成感…あったはずなんですがお腹が減っていたのと寒さと尻の痛さで噛みしめる余裕がありませんでした。2日目は朝からサドルにまたがるとお尻がやばく立ち漕ぎばかりしていました。果たしてサドルカバーなしだったらどうなっていたことか、考えるだけで恐ろしいです。

尾道の宿のご主人いわく、場数踏むとお尻が慣れるよう。

「明日は今治まで(自転車で)帰るんですか?」
「いえ、山の上をちょっと散歩して福山から(新幹線で)帰ります、しばらくサドルにまたがりたくないす」
「笑」

山の上では千光寺でパワフルばあちゃんの接客に遭い、買うつもりのなかったお守りを買わされることになりました。手を合わせてお参りしてる横から声かけてくるその胆力たるや。その名も「目が出る(芽が出る)お守り」。欲しい方いたらあげますのでお問い合わせください!!

サブカル臭が漂う「猫の細道」あたりを中心に地域猫たちにも無事会え、ノルマも達成しました。ゴロゴロ言っていただけました。

余談ですが、旅の写真はすべて30mm単焦点で撮っています。この情報で猫やうさぎの近さがわかる人にはわかっていただけるはず。

最後に

しまなみ海道に用意されたUXのまとめを。

  • 自転車レンタル施設が充実していて、手ぶらで自転車を持ち込みしなくても楽しめる
  • レンタルできる自転車も1社1種類ではなく、ニーズに応じた選択肢がある
  • サイクリングロードが整備されていて橋を渡る際には専用の道まで設けられている
  • 迷わないよう、サイクリングロードに目印のブルーラインがあり、目的地までの距離も1km毎に明示されている
  • 島の外周道路にもブルーラインがあり、寄り道がしやすいようにも配慮
  • 地元と連携したサイクルオアシスとよばれる施設が多く存在し、駐輪場には困らない。緊急時の施設も複数
  • サイクリングスポットとしての文化が浸透し、地元の方にも広く受け入れられている。その結果として全体的なホスピタリティも高い
  • しまなみ海道自体が変化に富んだ美しい自然の景色と文化があり飽きがこない。素材の良さもやっぱり重要

なぜこの場所に自分は惹かれているのか、あるいはたくさんのお客さんが来ているのか。旅先でふと我に返ったりする瞬間にそういうことを意識高く考えてみるのもちょっとだけ楽しいかも知れませんね。私は全力で仕事を忘れる派です。

UXについて更に掘り下げた記事については、発言にあんまり責任は持てませんがデザイン部にはUXを語りたそうな方々がまだまだいそうなので乞うご期待です。



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なかがわ(2018-12-28 13:00)

自然の中を颯爽と走り抜けるサイクリスト達。実はお尻の痛みを我慢して乗っている方もいらっしゃったんですね! こちらの記事でサイクリングの旅もなかなか楽しそうだなぁと思いました!

富山 有吾(2018-12-28 13:26)

はい、お尻対策はかなり重要だと痛感しました。とてもいいところでしたのでご興味がわきましたらぜひぜひ。

Tsubasa Mouri(2018-12-28 16:52)

デザイナー兼釣り人兼サイクリストです。
実はおケツ痛い問題は慣れなんです。
スポーツバイクはハンドルとサドルそれぞれ体重を分散して乗るのですが、慣れていない人はサドル側の比重が高くなりすぎて、負荷がかかるお尻が痛くなるという原理です。
しかし慣れてても100kmとかぶっ続けで乗ればちょっとは痛くなります!

市販のサイクルジャージなどは、お尻の部分にゲルパッドが入っているものが多く、それだけでもかなり軽減できますよ!

富山 有吾(2018-12-28 20:45)

なるほど把握。次はロードに乗ります!

なかがわ(2019-01-04 08:45)

>毛利さん
あぁ、だからあんなに前のめりな感じで乗るようになってるんですね〜。目から鱗!


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