自分なりのビジョンのピース

ビジョンについて記事にしようと考えていると、
「何をどうやってどの順番で説明したら良いものか……」
と、首を真横に傾げすぎて、20年近く付き合っている肩凝りの痛みがちょっと楽になる(気がする)くらい悩んでしまうのですが、悩んでいても始まらないので、ひとまず書いてみたいと思います。

「正直に」「のびのびと」過ごせる社会へ

私が掲げているビジョンは、これまで生きる中で感じてきたこと、経験してきたことの集合体です。
おそらく、多くの方にとってもそうでしょう。

私の場合、個別では大したエピソードではないのですが、自分の中では考える土台になっている2つを紹介したいと思います。


ちょっとでも良い世の中にして、未来に渡したい

私は物心ついた頃から、本を読むことが好きでした。
絵本も児童書も小説も漫画も図鑑も……ジャンル問わず読んでいたような覚えがあります。

本から多くを学んできた中で、印象に残っているエピソードや名言は沢山あるのですが、ビジョンについて考える上で一番よく思い浮かべるのは、青い鳥文庫「名探偵夢水清志郎事件ノート」シリーズのある一冊で、夢水清志郎が言っていたことです。

主人公の亜衣ちゃん(中学生)の、世の中の不条理に対する「しかたないじゃない」という発言に続く、2つのセリフを紹介させてください。
夢水清志郎は年齢不詳ですが、大人です。

悲しいのはね、亜衣ちゃんたちが、この世の中がへんなことを、しかたがないことと受け入れてることだよ。

この世の中は、ぼくたち大人のものじゃない。亜衣ちゃんたち子どものものだよ。
ぼくたちは、亜衣ちゃんたちが大きくなるまで、ちょっとのあいだ、あずかっているだけなんだ。
だから、ちょっとでもいい世の中にして、きみたちにかえしたい。
そして、きみたちが大きくなったら、次の子どもたちに、かえしてやってほしい。

※はやみねかおる「ギヤマン壺の謎 名探偵夢水清志郎事件ノート外伝 大江戸編 上巻」より

私が初めて読んだ小3の時も結構な衝撃を受けましたが、
今回これを書くために電子書籍版を書い直して確認し、改めて
「教授(=夢水清志郎)かっこいい!」
と感じました。

「しかたない」と受け止めることって、楽なんですよね。
でも、それでは何も変わりません。
横ばいをキープできたら良い方で、少しずつ悪くなることの方が多いように感じます。
そうなってしまった世の中を残すのは……私は嫌です。

当時は
『「しかたない」と思わない子供でありたい』
と考えていましたが、

大人になった今は
『ちょっとでも良い世の中にして、未来につなげられる大人でありたい』
と思っています。


その苦しみは必要か?

私が通っていた中学校には、
「1年生の女子生徒は、1学期の間は丸襟シャツで過ごさねばならない」
という暗黙のルールがありました。

破ったところで
『先輩から「調子乗ってる」と思われて、絡まれるかもしれない』
くらいで、今思えば大したことじゃないのですが……

当時はとてつもなく怖かった覚えがあります。
私も6月末くらいまでは丸襟シャツを着ていました。

2学期になれば、ほとんど全員が丸襟シャツを卒業します。
指定の丸襟シャツは見た目もイマイチな上に、襟がよれやすかったり、首が詰まって苦しかったり、機能性も悪かったので、着続ける人は極稀でした。
1学期のためだけに、丸襟シャツを用意する無駄……

丸襟シャツでない1年生に難癖をつけていた先輩としては、
「自分たちだって我慢したのだから、同じ我慢を味わうべきだ」
という考えだったのでしょう。おそらく。我慢してなかったかもしれませんが。

でもこれも、不条理を「しかたない」と受け止めることと、同じだと思うのです。


今回ご紹介したのは本当に小さなエピソードですが、生きていると往々にして似たようなことが起き、その度に疑問を感じています。

もちろん、必要な我慢・苦しみもあると思います。
それを経験しないと成長できない・正しく理解できないような、そういう試練もありますよね。

でも、必ずしも全てがそうではないのでは。
必要ない我慢・苦しみは後に残さない方が、もっと先に進めると思うのです。

そうやって進んだ未来はきっともっと良くなるし、
もし自分が生きている間に見ることができなかったとしても、
悪くなっていく様を見続けるよりは、幸せを感じられるのではないか……
と、私は心の底から思っています。

なので、必要ない我慢を周りに強いることはしたくないですし、
無駄な苦しみを減らす手伝いができるなら、手を伸ばしたいですし、
できるだけ多くの分野で手を伸ばすことができる人間でありたい、と考えています。(仕事でも、プライベートでも)

不条理と戦うのは基本的に苦しいのですが……今回挙げたようなエピソードで感じたことを自らに突き付けながら、日々めげないよう生きています。

Qwintet life
182件
Y.U
2020.08.28

会津藩士・什の掟
「ならぬことは、ならぬものです」
を思い出させる話。
大河ドラマ「八重の桜」でもある種のテーマとしても取り上げられたことば。
命のやり取りを行う戦乱において多くを律しなければならないその状況下においては、意義の議論自体が無意味、ということは理解はできるけど、いまの時代では錯誤だな、という感じ。
新島八重さんは、その不条理さに逆らって、女性ながらに砲術で戦地に赴いたわけですね。

何事においても、「コンテキスト(=文脈)」が重要で、しっかりと理解や共感してもらわなければ、真の関係性、というのは産まれないでしょうね。
私はKimuraさんと逆の立場になるので、そのような不条理を与えないような設計を心がけなければなりませんね。
何かあれば、何でも言ってください。

No Name
2020.08.31

コメントありがとうございます。
「八重の桜」全然知らなかったのですが、ものすごく興味が出ました……!
その時代に不条理に逆らうことは、今よりもっと大変だったはずですよね。
チャンスを作って見てみたいと思います。力をもらえそうです!

いつもたくさん相談に乗ってくださり、本当にありがとうございます!
私もうっかり不条理を作ってしまうかもしれません……自分を律して取り組んでいきますが、これからもご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

Y.U
2020.08.31

「八重の桜」、純粋に、綾瀬はるかさんの素晴らしい演技がかなり見応えあるので、それだけでも価値あります。

No Name
2020.09.01

ドラマ自体は毎クール大体7〜8本は観てるのですが、大河は長いのもあって、昨年の「いだてん」まで一度も完走したことなかったくらい見過ごしがちなんですよね……
綾瀬はるかさんは好きな女優さんの1人でもあるので、楽しみです〜!

Shun
2020.08.27

>「自分たちだって我慢したのだから、同じ我慢を味わうべきだ」
ブラック企業で働いている知人が似たようなことを言っていました。
「(おそらく理不尽な意味で)自分が厳しく接せられたから、後輩にもそういう教え方をしなきゃだめなんだ、という風潮がある」と。
「そういうものだ」と受け止めることは楽ですが、それは横ばいどころか「不条理○号」を増やしてしまうだけですよね。

そういう世の中であってほしくない、というKimuraさんのお考えに共感したいです。
素敵な記事をありがとうございます。

No Name
2020.08.27

コメントありがとうございます。

> それは横ばいどころか「不条理○号」を増やしてしまうだけですよね。
本当にそうですよね……
不条理に立ち向かうのは大変な時もありますが、そこをグッと我慢して、後輩や周りに対しては無駄な我慢を排除したアウトプットを渡していきたいな~と、あらゆる場面で考えて、自分なりに行動しています。

共感していただけて嬉しいです。一緒に頑張っていきましょう~!

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