障害者雇用とは、障害のある人が障害のない人と同様に自立した日常生活が送れるよう、その能力と適性に応じて雇用を総合的に支援する施策です。
一定数以上の従業員が所属する企業では、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります。厚生労働省によると、民間企業の法定雇用率は2.2%であり、従業員を45.5人以上雇用している企業は障害者を1人以上雇用しなければなりません。
クインテットは、CHFホールディングス株式会社や一般財団法人 社会人教育振興財団などの立ち上げで急速に従業員が増えつつあります。そのため、クインテットでも障害者雇用に向けて受入れ態勢を整えている最中です。
そのため、2018年6月、障害者雇用の取り組みの前進として、特別支援学校に通う学生の職場実習(2週間)に協力させていただきました。今回は学生を受入れるにあたって行った準備についてご紹介します。
障害者雇用の第一歩! 「職場実習の受入れ」とは
今回の職場実習は「障害者職場実習支援事業」といいます。
障害者や精神障害者を雇用したことがない事業主が、就職を目指す障害者を1週間以上、職場実習として受入れる制度です。また、事業主が障害者とともに働く機会を増やすことなどを目的としています。
職場実習の学生を受入れるために必要な準備
職場実習として学生を受入れるためには、多くの準備が必要です。その中でも私が担当した準備は「お任せする仕事内容」の用意と「学生への指導方法」を明確にすることです。
(1) 職場実習に最適な仕事内容の考え方
まず、職場実習の学生を受入れることが、私にとってはじめての試みだったので仕事を切り出す前に<職場実習の学生の特徴>と<クインテットの課題>について考えることにしました。
<職場実習の学生の特徴について>
対象となる学生は、高校生のため専門的な知識や能力はこれから身につけるだろうと予想しました。さらに、さまざまなことを経験したい年頃ではないかと考え、仕事内容に幅を持たせ用意しておく必要があると思いました。学生には、職場実習の期間で下記3点を感じる・考えるきっかけとなれば良いなと考え準備を進めました。
・働くということに良い印象を持って欲しい
・働く場において、やりがいや達成感を感じて欲しい
・実習前より働くイメージを明確にして欲しい
<クインテットの課題について>
クインテットとしては、下記の疑問点が改善できるような期間にしたいと思いました。
・社内環境で工夫が必要な箇所はあるのか?
・その仕事内容が難しい場合、どのような工夫をすればお任せできるか?
・そもそも、切り出した仕事がお任せして大丈夫なものなのか?
お任せする仕事内容について
本題の仕事内容については、上記の考えに加えて学生の能力や特性に気づいた時に対応できるよう、できる限り仕事内容をたくさん切り出す作業をしました。その後、他の担当者と現場実習が2週間であることと、さまざまなリスクを考えて仕事内容を絞り込みました。
(2)職場実習の学生への指導方法について
仕事内容が決まったら、実習生に仕事内容をどのように伝えて、ひとり立ちできるように指導するかが大きなポイントになります。私が心がけたことは「いかに分かりやすく仕事内容を伝えるか」ということです。
仕事内容をわかりやすく伝えるためにカリキュラムを作成
私は、念には念を入れた準備をしたいと思いカリキュラムを作成することに決めました。
なお、今回は私なりにカリキュラムを作成しましたが、学生を知る方にお聞きして、学生(ご本人)に一番伝わりやすい方法を伝授いただくことが最良かと思います。
わたしが作成したカリキュラムはこのような感じです。
~カリキュラムの作成ポイント~
●写真を用いたこと
●フリガナをふること
●この作業をすることでどのように役立つのか吹き出しで説明すること
●メモ(仕事するにあたってのポイント)を箇条書きで記入すること
~♢カリキュラムを作成したメリット♢~
カリキュラムを作る初手は、写真を撮ることや手順通りに作成することが大変でした。
しかし、指導者がミーティングで席を外すときや仕事が立て込んだ際にカリキュラムが大活躍しました。また、学生にとっても全体像を把握しやすいため、カリキュラムを手放すスピードが速かったように感じます。
まとめ
今回は、クインテットが障害者雇用に向けて障害者職場実習支援事業を実施するにあたっての準備の一部をご紹介しました。
もし、指導方法にお困りであれば、わたしはカリキュラムの作成をオススメします。写真を張り付けてぜひ作ってみてください。
障害者雇用および職場実習の準備、調整をして頂きありがとうございます。
このように民間企業が障害者雇用促進に向けて尽力する中、多くの行政機関が障害者雇用数を水増ししていたことには、もともと期待していませんが、改めて失望します。
http://bunshun.jp/articles/-/8945
一方で、Handicappedな人を雇うことが「社会福祉」「義務」「慈善活動」といった文脈に留まり、ビジネス活動上においては文字通り「ハンディ」となるケースが多いという現状そのものを変えていくことが人類にとって最良の活動かと思います。
個人的にはF8(Facebookの研究機関)やイーロン・マスク等が取り組んでいる、Brain Computingの実用化が進み、Handicappedな人がエンパワーされ、ビジネス活動上の価値を高めることが出来る環境が早期に整うことを期待しています。
https://techcrunch.com/2017/04/19/facebook-brain-interface/
https://www.theguardian.com/technology/2018/jan/01/elon-musk-neurotechnology-human-enhancement-brain-computer-interfaces
コメントありがとうございます。
多くの行政機関が障害者雇用数を水増ししていたニュースは
膨大な人数(3460人)にショックのあまり目を疑いました。
行政機関は、長い間のやり方を踏襲していたとのことですが…
第三者委員会の検証結果の発表がとても気になります。
また、F8(Facebookの研究機関)やBrain Computingの実用化については
添付してくださった記事のような環境が整えばHandicappedがあるなしに関わらず全ての人々が望む生活を営める想像ができました。
今よりもノーマライゼーションの考え方に近づいた社会になると良いなと思います。
社内では、今後も職場実習を実施する予定ですので、引き続き宜しくお願いいたします。