釣りが与えてくれるもの

自分にとっての推しとはなんだろう、と考えるとまっさきに浮かんできたのは釣りだった。特に最近ではまったく行けていないので、溢れ出る釣り欲をこのテーマにぶつけていきたいと思う。

釣りのコンバージョンといえば魚が釣れる事と思われがちですが、釣りとはそう単純なものではありません。実に様々な側面を見せ、新しい体験を与えてくれます。

見たことも無いものが見れる

釣りをしなければ、凍えるような夜明けに船で海に出ることもありません。
朝靄の中、どこにも陸地が見えないほどの遠洋を進む船上から消えゆく満月を見た時はまるで異世界にいるかのような感覚でした。（この後地獄の船酔いを経験する）

釣り合宿で訪れた伊豆大島の三原山も、釣りをしなければ訪れることはありませんでした。（想像してたほど砂漠じゃなかった）

日常生活や旅行では味わえない、見たこともない景色を釣りで幾度となく目にしてきました。これもまた人生に彩りを与えてくれる、そんな感覚を覚えます。

人との関わりが増える

釣りという共通のテーマのもとでは年齢や地位はわりと気になりません。
私が新入社員のぺーペーだった頃から、会社の偉い人達を車でピックアップし、ワイワイと木更津を目指して首都高を走っていました。

普段はデスクも遠くあまり会話の機会が無い人達とも、深夜の車内や海辺では自然と話すことができます。

普段会社で働く姿しかしらない人たちが、海を見て童心に帰る姿はとても新鮮に映ります。

釣りになるとすごいストイックになる人や、すぐ堤防の上で寝ちゃう人、釣れてなくても満面の笑みの人など、知らない側面をたくさん垣間見ることができます。

釣れたら絶対に笑顔になる

これまで全く魚の話してませんでしたが、釣りの最大の推しポイントはこれです。
釣りをしたことがない人を釣りに誘いたい理由はこれに尽きます。

水の中に餌やルアーを入れて、本当にこれで釣れるのか？と疑心暗鬼になりながらも愚直に続けてそれが実った時の喜びはなんとも言えないものです。

普段生活していて、会話の中で笑う事はそれなりにあると思いますが、心の底から自然と笑みが出てしまうこと、それは大人になるにつれてあまり無くなってきます。

自分の試みに応えてくれた魚と戦い、獲得し、そして食す。
原始的ではあるが、それ故に本能が刺激されているということでしょうか。

これが釣りをやめられない大きな理由です。

そして飯がうまい

結局ここに着地してしまうのですが、自分で釣った魚というのはなぜだかメチャクチャに美味しいのです。

まずスーパーで買うのとは鮮度が違います、釣ったその日に食べているので。
アジなどは釣ったものの味を知ってしまったらそこらへんのお刺身が食べられなくなってしまうことも。（我が家の子供たちも釣ったアジしか食べてくれません）

なおかつ、前日の夜から動きっぱなしでお腹の具合も疲れもピークに達しています、その状態で食べる食事のなんと美味しいことか。

腹いっぱい食べて、泥のように眠る。
HPがゼロになるまで活動したのに、休み明けは普段よりも活力が出る不思議、これもきっと釣りによる効能なのでしょう。

最後に

現在、密を避けるレジャーとして釣り人口が爆発的に増えているそうです。
それに比例して、各地での海辺でのゴミ放置、コンビニのゴミ箱に釣り餌を捨てる、係留された船のロープにルアーを引っ掛ける、食べるところもないサイズの稚魚を持ち帰るなど、マナー違反の話題に事欠きません。

YouTubeなどでも釣りチャンネルが非常に多くあるため、「釣り、やってみよっかな！」という気持ちになるのはとてもいいと思います。

ですが、まずは最低限のマナーとしてゴミは持ち帰るということは忘れず、安全に楽しんでほしいと思います。（ライフジャケットもつけましょう！）