『江戸名所図会』から市谷亀岡八幡宮を見てみよう!

28

いいね

こんにちは!
株式会社クインテットでPandoの運営をしている立崎です。

今回は自己紹介も兼ねて、私の好きなものについてお伝えします。

私の好きなもの

突然ですが、あなたの好きな教科はなんですか?
体育、家庭科、数学、美術、国語、英語……いろいろな声が聞こえてきそうですね。

私が好きな教科は古文と地理と歴史でした。
基本的に中学・高校とほとんどの授業で居眠りをしていた私ですが、これらの授業は予習も頑張っていたし、授業も比較的起きていた方だし、テスト勉強も頑張っていた方……だと思います。

遠い昔に生きていた人、遠い国で生きている人、そういった人たちに想いを馳せるとわくわくするんです。
自分とはまったく違う環境で育ち、まったく違う価値観を持った人に共感できる瞬間が好きです。
「人が大切にするもの、愛しく美しく思うもの、心動かされるものはいつどこで生きていても同じなんじゃないか」なんて思ったりします。

そんな私が好きなものの1つが、寺社仏閣です。

現代日本において、何百年、何千年も前から変わらずそこにあるものってそう多くはないんじゃないでしょうか?

平安時代の書物を読んでいる時に今もあるお寺の名前を見つけたり、
江戸の古地図を眺めていたら神社だけが変わらず昔からそこにあったり、
神社の社史を読んでいたら歴史に出てくる有名人の参拝記録があったり……
寺社仏閣は宗教施設としての役割を超え、日本の文化や歴史に深く根ざしたものだと思います。

「昔の人々はここで手を合わせて何を願ったのだろうか」
「この大きな桜の木を見て同じように感動したのだろうか」
そう考えながら境内を歩くのが好きです。

神社仏閣の好きなところをあげたらきりがないのですが、
今回はこの「昔から変わらずそこにあるもの」としての側面から1つの神社について語ります。

『江戸名所図会』と市谷亀岡八幡宮

今回紹介するのは市谷亀岡八幡宮(いちがやかめがおかはちまんぐう)

弊社、クインテットから徒歩5分の神社です。

石段を上ると、都会の喧騒を感じさせない緑豊かな境内が広がっています。

社殿もかなり立派なものです。

また、石段をのぼる途中の左手にも小さな神社があり、茶ノ木稲荷神社とよばれています。


この市谷亀岡八幡宮、実は『江戸名所図会(えどめいしょずえ)という江戸時代の観光ガイドブックや、歌川広重『名所江戸百景』に登場する神社なんです。松濤軒斎藤長秋 『江戸名所図会 7巻』 国立国会図書館蔵

『江戸名所図会』は、江戸時代後期に作られた観光ガイドブックです。

カメラもドローンもなかった時代に、精密な挿絵を用いて江戸の観光名所を紹介しています。


境内はだいぶ狭くなったようですが、階段や本殿は今と変わらないことがわかります。
階段の左手に茶ノ木稲荷神社もありますね。
Googleマップの3D機能で現在との比較ができるのですが、著作権の壁に阻まれてスクショを載せられませんでした…ぜひやってみてください)

江戸の名所「市ヶ谷」の歴史

市谷亀岡八幡宮のページの右下には神社の歴史とオススメポイントが書いてあります。

『江戸名所図会』は古典籍の中でもかなり読みやすいと思います。
最初の方だけ翻刻しました。画像拡大して答え合わせしてみてくださいね♡


文字に起こした内容をざっくり説明すると、
「市ヶ谷という地名の由来は、昔このあたりに市が立っていたから、市買いから転じて市ヶ谷になったらしいよ。知らんけど。」
「鎌倉の鶴岡八幡宮にある古文書によると、幕府は1312年に、金曽木重定さんと市谷孫四郎さんの土地を鶴岡八幡宮に寄付したよ。だからこの土地は鶴岡八幡宮の領地だったんだけど、江戸淡路守さんが土地を横取りしようとしたので、『俺らの土地に何をする!』ってことで1358年に鶴岡八幡宮の任阿さんが訴えた。そこで1312年の寄付証明書に基づいて、『この土地は鶴岡八幡宮のものである!』という判決が下ったんだとさ。」
みたいなことが書いてあります。

※鎌倉幕府が市谷孫四郎さんの土地を鶴岡八幡宮に寄付したことは別の書物に書いてあることですが補足説明のため私が追記しました

これらはすべて亀岡八幡宮が建てられる前の話なので、この市ヶ谷という土地の歴史を説明している文章になりますね。


歴史の後には
「神社の領地には芝居や射的があって、いつも賑わっているんだ」
「神社の前の大通りは四ツ谷に続く道で、人の行き来が絶えないんだよ」
と書いてあります。

「現在は静かで落ち着いたこの境内も、昔は茶屋などが出て賑わっていたんだなあ」
と想いながら眺めると、違った見方ができますね。

この前のページには、亀岡八幡宮にまつられている神様の解説や、この亀岡八幡宮自体の歴史が書いてあります。

市谷亀岡八幡宮ができるまで

これが挿絵の前のページです。松濤軒斎藤長秋 『江戸名所図会 7巻』 国立国会図書館蔵

赤線を引いた部分に
「社記に曰く、文明年間 太田持資 江戸城擁護のために 相州鶴岡の八幡大神を勧請し、山林及び神田等 若干を附して 東円寺を創建す。」
と書いてありますね。

ここに出てくる太田持資とは室町時代の武将 太田道灌(おおたどうかん)のことで、江戸城を築城した人です。
江戸城を建てた道灌は江戸城西方の守護神として、鎌倉の鶴岡八幡宮の神様の分霊を迎え、亀岡八幡宮を建てました
※神社を新しく建てるときは大きな神社の神様から分霊を迎え入れることが多いです

東円寺とありますが、明治新政府が神仏分離する前は神社とお寺は一緒みたいなものだったので「亀岡八幡宮のことを東円寺とも呼んだんだなー」と思っておいてください(厳密には違いますが)

亀岡八幡宮は、鎌倉の鶴岡八幡宮の子どもみたいなものなんですね。
「鶴岡八幡宮が鶴だから、こっちは亀にしよー」というネーミングセンスはかわいいなと思います笑

ちなみにこの時建てられた亀岡八幡宮は今の場所にはありませんでした。

江戸城の外濠(市ヶ谷駅前の川みたいなやつ)が完成すると、
「外濠の外から守ってもらおう!」
ってことで神社をお引越しして今の場所になったそうです。

鶴岡八幡宮ゆかりの地だったからこの地に移したんだろうなと思います。

もともと古くから茶ノ木稲荷神社がこの市ヶ谷の土地にあり、その境内に亀岡八幡宮(&東円寺)が引っ越して現在に至ります。


江戸時代の市ヶ谷の古地図を見ると、お濠に面した赤い 茶ノ木稲荷神社・市ヶ谷八幡宮・東円寺の文字が見られます。

これまた著作権の関係で載せられないのが悔しんですが、
「今の防衛省の敷地はまるまる尾張徳川家のお屋敷だったのかー」とか見てると楽しい地図です。

ちなみに赤いのはぜんぶ寺社仏閣です。多いですよね笑

ほとんど変わってしまった地図の中で、寺社仏閣だけは今も変わらず残っていること、残っているとは言っても多くが消えてしまったことが分かると思うので、ぜひ現在の地図と比べてみてください🗺

建物自体はなくなってしまっても、地名として残ってたりして面白いですよ。

市谷亀岡八幡宮にお参りしよう

さて、ここまで、江戸の観光ガイドブック『江戸名所図会』に書いてあることをもとに市谷亀岡八幡宮を紹介してきました。

クインテットに来たら、ぜひ近くの亀岡八幡宮にも寄ってみてくださいね。

私も今日のお昼にお参りしてきました。

亀岡八幡宮の御朱印いただきました⛩
「江戸城守ってるんだぞ!!」って感じでかっこいいです✨

500円でその場で神主さんに書いていただけます。

日付入りで参拝の記念になるし、筆で書かれた文字が好きだし、お守りのようにかさばることもないので、お参りしたらだいたい御朱印をいただいて帰ってます。

今日は御朱印帳を忘れたので、せっかくだしと思って御朱印帳もいただきました。

一番右の白地の扇のやつをいただきました~!
神主さんに「季節の御朱印帳と、末広がりの扇の御朱印帳と…」と説明していただいて
「”八”幡さまなんだから末広がりでしょ!!!!!!!!」と即決しました笑
他にも紫陽花とか紅葉とか桜とか、どれもかわいかったです🌸🍁

ちなみにこの御朱印帳は1200円ですが、
歌川広重の浮世絵の1800円の御朱印帳もあります。

これは亀岡八幡宮オリジナルなので、これも欲しくなっちゃいますね…
限定ものに弱いんです…

またお参りしたときにいただこうと思います。
皆さんもぜひ亀岡八幡宮に行ってみてくださいね~!!

以上、「『江戸名所図会』から市谷亀岡八幡宮を見てみよう!」でした✨


古文や歴史や地理が好きな私にとって、寺社仏閣はときめきの宝箱みたいなものです。
先人たちが生きていた証、足跡を感じられるってすてきなことだと思います。
自分と違う世界に生き、自分と違う価値観を持った人たちのことを知ることが楽しいです。

この価値観と"好き"が私のビジョンにつながっています。
よろしければ読んでみてください。

ここまでお読みくださりありがとうございました!

歌川広『名所江戸百景 市ヶ谷八幡』 国立国会図書館蔵

参考文献
鶴岡八幡宮『鶴岡八幡宮年表』八木書店、1996年6月
亀岡八幡宮でいただける縁起資料、2019年10月



アカウント登録をするとコメントを書くことができます

トミヤマ (2019-10-31 16:17)

ここ、密かにお気に入りの散歩コースです。
たまにお茶を抱えてぼーっとしに行きます。
春は桜が咲いて特に素敵になります。

たっつー (2019-10-31 18:19)

コメントありがとうございます!

そうなんですね!
私が行ったときも、境内の岩に座ってお昼を食べている人がいました。
桜の季節はきれいでしょうね…来年の春が楽しみです🌸

なかがわ (2019-10-31 15:08)

僕も歴史、特に世界史が好きです。

ローマにあるコロッセオやカラカラ浴場などの遺跡を観光した際、「数千年前の石がそこにある!」と思うと、壮大な時間の流れに思いを馳せていました!

僕も亀岡八幡宮に行ってみたいと思います。

たっつー (2019-10-31 15:46)

コメントありがとうございます。

私も世界史や古代史大好きです!
ローマ行ったことないのでうらやましいです…!
数千年も前の人が人力であの壮大な建造物を造ったんですもんね…

お金貯めていつか行ってみたいです✨

松下 耕三 (2019-10-31 14:45)

私は歴史に興味がある方では無いですが、この地で数千年前にどんな人がどんな事を考えて生きていたのだろうか、とか考えるのは好きです。特に樹齢数千年の大木を見るとこの木はこの地で数千年間の人間達の歩みを眺めていたのか、数千年前の人もこの同じ木を眺めていたのか、と思うと時間の繋がりを感じられてワクワクします。
同じ市ヶ谷駅から四ツ谷にかけての道が、明日は先人達に思いを馳せられる道になりそうです。

たっつー (2019-10-31 15:43)

お読みくださりありがとうございます。

去年樹齢2000年の大楠を見たときのことを思い出しました。
数千年の時の流れに想いを馳せると、私もとてもわくわくします。

コメントもいただき嬉しいです。ありがとうございます。

中瀬 (2019-10-31 11:11)

記事の内容の濃さに驚きました!
私も自分の住む土地や働く場所のことを調べるのが好きなのですが、レベルが違いすぎてただただ「すごい」の一言です。
亀岡八幡宮も「階段すごいなー」と思いながら登ったことがありませんでしたがこんな素敵な社殿があるんですね!
今度お参りに行ってみたいと思います。

たっつー (2019-10-31 15:35)

コメントありがとうございます!

昔どうなっていたか知るのは楽しいですよね!
「記事を書くぞ!」と気合を入れたら、オタク気質が災いしてマニアックな方向にいってしまいました…

ぜひ行ってみてください✨
見た目通り、階段結構きついです!

フクドメ (2019-10-30 19:47)

近くにあるのに行ったことがなかったのですが、、
この記事を読んで行かねば!!!と思いました!

>先人たちが生きていた証、足跡を感じられるってすてきなことだと思います。
これにつきますね。御朱印集めにハマる人が増えるのも納得です^^

たっつー (2019-10-31 15:31)

コメントありがとうございます!
ぜひ一度行ってみると良いかと思います⛩

お父様ともぜひ✨