こんにちは。
クインテットのアウトドア隊長(他称)兼、光の魔術師(自称)兼、釣りバカでデザイナーなどをやっているMouriです。
突然ですがみなさん、普段火使ってますか?
現代生活で火が必要になるとしたら、真っ先に思いつくのは調理ですよね。
しかし最近ではIHクッキングヒーターの普及によって子どもたちは調理に火を使う事を知らないということもあるようです。
そんな時代に逆行し、焚き火にハマっている私から火の熾し方をご紹介させていただこうと思います。(唐突)
今回ご用意するのはこちら
- 焚き火台
- 燃料(ヒノキ)
- ナイフ
- ファイアスターター
火の熾し方はスタイルによって使うものが違います。
ですので今回はなるべく少ない道具で火を熾す方法でやってみたいと思います。
それぞれの道具の解説は各項でやっていきましょう。
まずは薪を割って細くする
今回選んだのはヒノキの薪です、ホームセンターで木材の切れ端が詰め放題で267円でした、燃やすものを買うというのもまた斬新です。
薪の種類は杉・ヒノキなどの針葉樹と、クヌギ・ナラ・ケヤキなどの広葉樹があり、特徴はそれぞれありますが趣旨と離れてしまうので割愛します。
ヒノキは加工しやすく密度も低いため、薪を割るのに斧やナタなどは必要なく、ナイフで割ることができます。
ナイフを木の断面に当て、他の木で上から叩くことで薪を割る方法をバトニングといいます。
使い方さえ分かれば長女(小2)の力でも割ることができます
ナイフはスウェーデンのMorakniv Companion Heavy Duty MG
この時に使うナイフは衝撃が強くかかるので折りたたみナイフなどは危険なのでNGです。
また、刃の直線上に足や太ももが入らないように自分からみて刃を横から見るように当てましょう。
Youtubeなどで間違った向きでバトニングをしている人がよく居ますが大変危険なので真似しないでください。
太ももの内側には大動脈が通っているのでキャンプ場などの僻地でそこを切ってしまうと出血多量で大抵は間に合いません(怖)
このようにどんどん細く割っていき、指の太さくらいの薪を用意します。
大体これくらいあれば火を安定させるには十分でしょう。
フェザースティックを作る(4~5本)
割った細い薪をナイフで鰹節(娘曰く)のように削っていきます、この時完全に削り落とさずに、最後でナイフを止めて先端に溜めておきます。
これも結構慣れが必要です、ナイフの研ぎ方などで作りやすさが変わってきます
このようにモシャモシャっとした形にすることで、火との接地面が増え、酸素供給も行いやすくなるため火を付けたら一気に燃え上がらせる事ができます。
これを何本か作ったら先に焚き火台にスタンバイさせておきます。
ちなみに焚き火台というのは、地面に直接熱を伝えない事で土の中の微生物を殺さないようにするためです。
芝生などの上で焚き火をするとそこにはもう芝生が生えなくなってしまうため、今はほとんどのキャンプ上などで使用することがルール化されています。
ファイアスターターで着火する
やっと着火です、前置きが長かったですが、ここまでの遠回りはこの瞬間のための入念な準備です。
私はファイアスターターと呼ばれる、マグネシウムの棒を削り火花を出す道具を使います。
………
あ、今「ライター使えよ」って思いました?
でもライターは様々な状況には対応できません。
- 湿度が高い所
- 温度が低すぎる所
- 標高が高い所
- ガス切れ
このような原因で火がつかなくなります。
その点ファイアスターターは濡れていようがなんだろうがどこでも火花を生むことができるため私はこの方法を採用しています。
フェザースティックに直接でも、削りカスでもどちらでも良いので平らなところに置き、ファイアスターターで火花を起こします。
長女が小さい手で頑張って火を付けようとしています。尊い。
これで火をつけるのはかなりコツが要りますが、うまくやるコツはなるべく上から削り落とすイメージで素早く行うことです。
火がついたら素早くフェザースティックに火を移し、焚き火台にそっと置き、待機していたフェザースティックにさらに火を移し大きくします。
この時に下手にいじったり、風が吹いたりすると火が消えて台無しになってしまうので注意しましょう。
細い薪に火を着ける
フェザースティックが勢いよく燃え上がっている上に、そっと細い薪を乗せていきます。
この細い薪に火が移ればもう安心。
徐々に太い薪を追加していきましょう。
おめでとうございます!!
結局この記事はなんだったのか
ここまで読んでくれた方のほとんどは「めんどくさ!!」と思った事でしょう。なぜ焚き火をする必要があるのか、寒ければ家にいればいいし、料理も買ってくればいいと思うかもしれません。
しかし、私はこのようなアウトドアの体験を通して次のような気づきを得る事ができます。
- スイッチ一つで安定した火が付けられる現代文明と先人たちの偉大さ
- 火の怖さ、刃物の怖さを知り適切に使う知識の大事さ
- 成果(火を安定させる)に向けてプロセスや準備を怠らないことの大事さ
少々大げさかもしれませんが、体験を通して価値を感じる。まさに現代に求められている価値観がここにあると感じます。
人ははるか昔から暖を取り、食事を作り、獣から身を守るために火と共にありました。
その遺伝子のせいか、揺らめく炎を見ているだけでもリラックス効果やストレス軽減の効果があるそうです。
みなさんも気軽に、だけど安全に配慮して楽しんでみてはいかがでしょうか。
ちょっと真面目にレスすると、こういうことを見聞きすると、改めて、これまで人類が生み出してきたものの偉大さと、このような原点の意義深さを感じざるを得ないですね。
これを教えてもらっているお子様たちは、実に良い教育を受けていると思います。
Mouriさん故の教育で、とても重要だと思います。
見習います。
ちょっと真面目に返信してしまいますと、自分がアウトドアで面白いと思うのは、生命を繋ぐためのもの(刃物・住居・明かり・猟具など)はかなり早い段階でデザインが完成しているという点ですね。
釣り針などは【曲がっている】【硬い材料】【返しがある】という構成で見れば2万年前にデザインが完成しています。現代までやっているのは大きさを変えたり、材料を変えたりするだけの品質改善でしかありません。
課題解決(しないと死ぬ)のために当時の人たちが命がけでデザインしたんだよー、という事を実感してもらいたいのですが、自分自身それに気づいたのが最近なのでまだまだ道のりは長そうです。
最近YouTubeで焚火の動画とか見てたので「動画で見たことあるやつだ!!すごい!!」と感動しました😊
私の出身高校が結構アウトドア?なところだったので、炭に火を付けたりの知識がほんの少しだけあるのですが、去年の秋に友達と芋煮会やった時にその知識が役立ったので、娘さんの火熾し技術はきっと将来めちゃくちゃ役立つと思います……!
焚火動画流行ってますよね!でも実際動画でいくら知った気でいても体験してみると全然うまくいかないんですよね(経験者談)
それにしても芋煮会とは渋くていいですねぇ。次回の焚火会では芋煮も候補にいれてみます👍
「長女(小2)」に衝撃を受けました。
初めて娘さんのお話を伺った時は4歳くらいと聞いた気が……大きくなりましたね(*´ω`*)
この年齢からサバイバル能力を身に着けている娘さんの将来が楽しみです。
すごいスピードで大きくなるので困っちゃいますね。
こういったことができるようになる姿を見れるのも楽しくもあります。
>長女が小さい手で頑張って火を付けようとしています。尊い。
これが拝めただけでもこの記事を読む価値があると思いました。
コメントありがとうございます。
この焚火も実は子供たちに火や刃物の扱いを教えるためにやっていて、ついでに記事にもできそう!と感じたので書いてみました。
正直なところ子供が10年後20年後に役立つ教育というがまだ見えていないんですよね・・・
なので可能な限り不変の価値を持つ教育として、災害時やインフラが使えない極限の状況になった時、子供が自分と他者の生命を守れるようにするために必要になる知識を教えるようにしています。
ちなみにこの時長女は初めて着火から火の安定までを行うことができました!
なんかこのMouriさんのコメント松下さんに見つかったらすごい長文投げてきそうとか思ってしまいましたw
ほとんど想像ですけど毛利家はかなりいい教育してる印象を持っています。そもそも論としてMouriさんなら教育に関しては世間一般的な価値観に流されることなく、自分たちで考えた上で一貫性をもってしてそう、と思うので。
もちろん、世間一般的な価値観に沿った教育をちゃんとしているってことでも十分すごいことですし十分リスペクト対象なのですが。
さておき、返信の返信もしにくいですね…狭い、要改善。
最後はもうUIの話になっちゃってますね