今回は、私が今までの訪問先で一番印象に残った訪問先について書きたいと思います。
本題に入る前に、レアスマイルの活動について少しだけお話しします。レアスマイル は、2018年の春からカンボジアで、女子保健教育(月経や性感染症など)を教えている団体です。女子保健を始める前は、食料費支援を行なっていました。私たちが軸を「女子保健」にしたのは、
- カンボジアが東南アジアで最もHIVの感染率が高いこと
- カンボジアで保健教育をする機会が少ないこと
- 私たちが女子大生で構成された団体という強みがあること
の三つが挙げられます。
だけど、実際にHIVの患者さんは見たことがないし、施設の子どもたちも元気そうで、HIVについて深く考えたことがありませんでした...。
2019年の春に渡航した際に、マザーテレサという施設に訪問します。ここは、女性のHIVの患者さんを始めとした、精神疾患などの患者さんが暮らしている施設です。
HIVの患者さんにインタビューをしてみると、家族からも見放されてこの施設に来るしかなかったと答える方が多くいました。
中でも、親が自分の子どもがHIVだと分かると、
「道で子どもが捨てられていたから、拾ってきた。施設で預かってほしい。」
と嘘をついて、施設に実の子供を預けに来る親がいるということに胸が痛みました。
しかし、施設に暮らす患者さんは暗い過去を背負いながらも、笑顔の方が多かったです。家族に見放されてしまった女性も、
「ここに来て生活が変わった。みんなが愛してくれて嬉しい。幸せ。」
とおっしゃっていました。
マザーテレサの施設では、HIVの患者さんから貴重なお話を聞くことができました。HIV患者に対する理不尽な差別について知り、とても心は痛みましたが、この体験を今後の活動に活かせればと思います。