【健康と制度とテクノロジー】

今日は、ハチャメチャに明るくてパワーのあるナースの皆さんに囲まれてのシンポジウム(正確には収録→いずれ公開。)へ。地域在看センター北九州さんの主催で。
僕が個人的に、北九州で「もっと使えるはず」ランキングベスト3に入ると思っている、ひびき野の学術研究都市にて。
-
最近、じわじわと、シンポや講演には、「ノープラン」で向かうことが増えているのです(サボっているのではなく、幸か不幸か、その場のセッションで話す方が聴かれる皆さんの満足度が高いように見える)が、今日も、心理的手ぶらで、テクノロジー、社会制度、健康について10年後の未来を論じた。
-
最近、つとに思うのですが、若者が本当に羨ましい。なぜなら、この10年で、とてつもなくテクノロジーは変わることが間違いないから。今の想像の上を行くだろう。絶対面白い時代になる。テレヘルス、常時オンのモバイルヘルスの時代が来る。バーチャルドクター、細胞治療、老化の克服、幹細胞治療、セノリティクス薬も出てくる。
健康と老化に人類が猛然と攻めまくる時代が来る。
-
3つのことをお伝えした(いや、厳密には伝えたかった)。
一つ目は、そんな時代だからこそ、「個の格差」が出てくること。
健康に対する考え方、取り組み方、生き方、死に方。多死社会を迎えて、どう自分の人生を全うするのか、尊厳を守って生き切るのか、つまり「自分との向き合い方」に差が出てくる。
だからこそ、教育や、自分の地域でのつながりが大きな差分を生む。
それに、「健康」自体の再定義が必要になる。
僕は、健康=心と体とアイデンティティー。三本柱だと思う。それらをトータルに自分でどうマネージし、磨いて保っていくか、そこが勝負だ。
そこに、制度だけでなく、プライベートなサービスをどう購入して、どう地域の仲間と関わって、家族と生活して、そのマネジメントが大きな差になる時代が来る。
-
2つ目は、「すべては先回りになる」と言うこと。
社会保障制度全般が、少子高齢化、人口減少の影響でどうしても回らなくなる。崩壊とまでは言わなくでも、今のような水準で「制度」に依存することができない世の中にはなる。誰かのせいではない。これは自明なこと。
だからこそ、先回り、すなわち予防や予測が必要となる。
常時オンのモバイルヘルス、転倒予防、スマートフォンでのストレスチャック、センサートイレ等での健康状態のチェックなどなど。この分野のビジネスも大きく花開く。健康データ産業だけで10年以内に数百兆円の市場規模にはなるだろう。
健康の護り方が激変してしまう。
-
3つ目は、プレイヤー構造が激変するということ。
アップルのティム・クックは「アップルは未来社会で、どんな企業だったと記憶されたいか。ヘルスケア企業として。」と言った。
テックジャイアントがヘルスケア分野に一気に押し寄せてくる。
日本は大丈夫か?今のスピードでは、日本のヘルスケア市場にはおこぼれしか来なくなる。せっかく、少子高齢化の”先進国”として世界から注目されているのに。
強い危機感しかない。
-
在宅看護の世界。高齢者人口は2040年ころにピーク、要介護者の2060年代のピークに向けて、大幅に伸びていく優良産業分野だ。
独居高齢者や、シングルマザーなど―望まない孤独問題-に画一的な制度では手が届かない人の悩みや戸惑いをどう受け止めるのか。
-
制度やテクノロジーや自分や家族の力で一本足打法で立ち向かうのではない時代。
地域の緩やかなつながり、「いったん全て受け止める」ワンストップのネットとしてのナースの皆さんの役割、在宅ナースの皆さんの可能性は大きい。
その際には、在宅看護の世界に、分散型モニタリングや、サブスクモデルなどが入ってくるだろう。診療報酬も今のやり方では、到底追いつかなくなる。
社会制度、現実、そしてテクノロジーの3つのバランスをどう取るか。
そこを日本が先陣切ってやりたいですね。
なんとしても!

関連記事