ご注文は青春ですか?

私の好きな漫画の一つに「ご注文はうさぎですか?」(通称ごちうさ)という作品がある。
アニメ化もされており、現在もまんがタイムきららで連載されている人気作だ。
レーベルのせいなのか作風なのか、いわゆる萌えアニメとして定着しているこの作品。もちろんそういった部分もあるのだが、それだけではないと思っている。
 
ごちうさは青春ものである可能性があるからだ。
 
※ここから先は独自の理論となっています。こういう考え方もあるんだなくらいで捉えてください。
 
ごちうさのログラインは、「主人公である保登心愛(ココア)が下宿先のカフェでバイトしながら温かな日常を送っていく話」だ。
当たり前だがこれは主人公視点で、普通の日常ものでしかない。
ここで登場するのが、ココアと一番関わりのある登場人物、下宿先の娘である香風智乃(チノ)。ヒロインに当たる彼女を重点的に考えると、十分青春ものと言えるのではないのだろうか。
チノは人見知りな性格で、中学生という年にしては冷静すぎるほど冷静だ。彼女は幼少期に母親を亡くしており片親でもある。そのうえ尊敬するバリスタであった祖父も亡くしており、作風とはかけ離れた暗い背景がある。作品内で明確にはされていないが、人見知りで冷静な性格になった理由としては十分だと思う。
そんなチノはココアと出会い、変わっていった。
最初こそ底抜けに明るいココアに困惑していたが、ココアの友人や街の人と関わるにつれて年相応の幼さやいたずらっ子な面を見せるようになった。
それだけでなく、彼女の進学先を決める際、中学の友人と離れてココアと同じ高校に通うことを決意する。彼女は変わらず人見知りではあるものの、次第に外交的になっていくのだ。
 
そして何より、二人とその周りの年齢である。主な登場人物は中高生の年代だ。
そうなれば、必然的に学生生活が描かれる。交友関係が描かれる。恋は描かれていないが、それ以外で十分青春チックであろう。
 
主人公とヒロインが出会うことで、何かしらの変化があった。
学生という立場で描かれている。
日常ものという括りであるため、大きな事件こそ起きないが、これは青春ものと言ってもいいのではないのだろうか。