考察を交えた文章を書くというライティングの課題で書いた文章です。
一昔前の女児向け作品は、“出戻り”を狙って作られているのではないか?
私は、女児向け作品を好んで見ている。
特に、自分が幼少期だった十から二十年程度の前の作品は、何度も見返している。
うれしいことに最近周年を迎えているものも多く、度々ネット上で話題になるなど再注目されている。
その中で、「久々に見返したらまたハマった」という、いわゆる“出戻り”をする人が多い印象がある。
そこで私は、出戻りが多いのは、意図的に出戻りを狙って作られているからではないのかと思った。
十から二十年程度の前といういわば一昔前の女児向け作品は、とにかくメッセージ性が強いものが多い。
例を挙げると、アイカツシリーズがある。芸能界でアイドルとして輝こうと努力する女の子たちの話なのだが、憧れが目の前にある状況でどうするべきなのか? や自分の得たことを後輩に繋いでいくことについてなど、生き方や考え方を問われている描写がとにかく多い。幼少期はなんとなく「キャラが頑張っているんだな」ぐらいにしか思っていなかった。
だが、この年になって見返すと、一人のアイドルとして芸能界で生きるために、時には一人の人間として奔走する様子がしっかりと理解でき、感動することもある。
また、話の題材やテーマが大人向けだと感じるものがある。これも例を挙げると、プリパラシリーズがある。
プリパラシリーズは、チケットさえあればなりたい姿になれるプリパラという施設で、バーチャルアイドルとしてトップアイドルを目指す女の子たちの話だ。主な対象年齢が小学生の作品のため、他の女児向け作品や前任シリーズであるプリティーシリーズよりかは、表現や話がライトでわかりやすい。女児向け作品でよく題材にされる夢や友情なども輝かしい形で描かれている。
しかし、プリパラのせいでプリパラを嫌っていた大人が幼少期の友人とのわだかまりを解き仲直りする回や、才能のあるアイドルとそうではないアイドルの差に深く触れる回など、題材やテーマが大人向けだと感じる回もまれにある。これらは小学生向けとして上手くまとめてあるものの、この年で改めて見ると「なぜそのキャラがこの行動を取ったのか、どう考えていたのか」という視点で見れるなど、当時と感じ方が違ったりする。
他にも、もっとわかりやすく出戻りを狙っているなと感じるのは、主人公たちが大人になった姿を明確に描写している場合だ。
これは、女児向け作品の王道であるプリキュアシリーズで顕著に表れている。2007年頃放送されたプリキュア5GoGo。その続編として『キボウノチカラ~オトナプリキュア23~』が制作された。そこでは主人公たちの仕事や恋愛など、大人になったからこその苦悩や葛藤などが描かれていた。未来がテーマのHUGっとプリキュアでは、テーマの影響もあって最終回で主人公らが大人になった姿が描かれ、なんと出産シーンまである。さすがにここまでくると、子どもが到底理解できる話ではないような気がしてしまう。
先ほども書いたとおり、私は子どものころ、これらの要素をしっかりと理解していなかった。それは、きっと他の人も同じだろう。
そうやって、子どもの時には理解できなかったものが、年齢を重ねて見返すと理解できる。そして深く刺さる。その発見の面白さや感動が、“出戻り”につながっているのではないか、それを見越して制作がされているのではないのかと私は思う。
また、話の題材やテーマが大人向けだと感じるものがある。これも例を挙げると、プリパラシリーズがある。
プリパラシリーズは、チケットさえあればなりたい姿になれるプリパラという施設で、バーチャルアイドルとしてトップアイドルを目指す女の子たちの話だ。主な対象年齢が小学生の作品のため、他の女児向け作品や前任シリーズであるプリティーシリーズよりかは、表現や話がライトでわかりやすい。女児向け作品でよく題材にされる夢や友情なども輝かしい形で描かれている。
しかし、プリパラのせいでプリパラを嫌っていた大人が幼少期の友人とのわだかまりを解き仲直りする回や、才能のあるアイドルとそうではないアイドルの差に深く触れる回など、題材やテーマが大人向けだと感じる回もまれにある。これらは小学生向けとして上手くまとめてあるものの、この年で改めて見ると「なぜそのキャラがこの行動を取ったのか、どう考えていたのか」という視点で見れるなど、当時と感じ方が違ったりする。
他にも、もっとわかりやすく出戻りを狙っているなと感じるのは、主人公たちが大人になった姿を明確に描写している場合だ。
これは、女児向け作品の王道であるプリキュアシリーズで顕著に表れている。2007年頃放送されたプリキュア5GoGo。その続編として『キボウノチカラ~オトナプリキュア23~』が制作された。そこでは主人公たちの仕事や恋愛など、大人になったからこその苦悩や葛藤などが描かれていた。未来がテーマのHUGっとプリキュアでは、テーマの影響もあって最終回で主人公らが大人になった姿が描かれ、なんと出産シーンまである。さすがにここまでくると、子どもが到底理解できる話ではないような気がしてしまう。
先ほども書いたとおり、私は子どものころ、これらの要素をしっかりと理解していなかった。それは、きっと他の人も同じだろう。
そうやって、子どもの時には理解できなかったものが、年齢を重ねて見返すと理解できる。そして深く刺さる。その発見の面白さや感動が、“出戻り”につながっているのではないか、それを見越して制作がされているのではないのかと私は思う。
22070003 ノベル&シナリオ専攻 三年 熊谷夢奈
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