はじめの一歩 〜AMSA Japanの代表として〜

 以下の文章は私がAMSA Japanの2020-2021年度代表へ立候補する際に書いたものです。「初心忘るべからず」ー改めて、自分は何がしたいのか、問いかけてみたいと思います。

 シンガーソングライターのあいみょんさんは、自身のことを「いろんな人への憧れのかたまり と思っている」と述べていますが、私自身も同じようなことを感じています。人の素敵なところを 見つけたら、真似をする。自分が褒められると、それを与えてくれた人が褒められているようで 嬉しいのです。AMSA Japanには、魅力的な人がたくさんいます。役員の皆さん、OBOGの方々が 大好きですし、大切にしていきたいと思っています。また、皆さんを見ていると、自分がどのような人間なのか、自分のやりたいことは何か、見つめ直すことができます。これは偏にこのような素敵な場所を作り上げてこられた先輩方のおかげです。AMSA Japanをより豊かにするとともに、 もっと多くの人に知ってもらいたい。先輩方への感謝を形に残したい。そのような想いから、代表へ立候補いたしました。

以下に、私の考えるAMSA Japanの魅力の中から3つを挙げたいと思います。

 まず1つ目は《居心地のよさ》です。お互いを尊重しているからこそ、役員同士は学年や年齢に関係なく敬語を使わず対等に会話しています。これは率直に意見を交わし親密な関係を築くことにつながり、だからこそ、夢・やりたいことを素直に語ることができるのだと思います。次に述べる《繋がり》にも重複しますが、個人の持つ様々な価値資本の中で、“信頼”は非常に貴重だと私は考えています。映画『えんとつ町のプペル』のクラウドファンディングで支援金が1億円を突破したことで話題となっていますが、西野亮廣さんは「クラウドファンディングとは信頼をお金化する為の装置だ」といいます。やりたいことを実現する際に、お金や時間、直接的に支えてくれる仲間に加えて、様々な形で応援をしてくれる“フォロワー”にも大変な価値があるのではないでしょうか。話は戻りますが、居心地のよさをみんなが感じることができるよう、「仕事もミーティングもまずは楽しみながら」を大切にしていきたいと考えています。

 2つ目は《繋がり》です。「未来のために、今繋がろう」の通り、AMSA Japanは海外の学生を含めた多くの医療系学生とヒューマンネットワークを築くことを目標にしています。では、その繋がりの意義は何でしょうか。「未来のために」の“未来”とは何でしょうか。設立当初から受け継がれる理念には、アジアの保健医療の向上に寄与することが掲げられています。これは私の個人的な意見てになりますが、目的はこれに限らず各々違ったものでもよいと思うのです。それぞれの“未来”のために、喩えそれが現時点で見えていないとしても、価値ある人脈を拡げることは有意義だといえるでしょう。繋がりの意義をより実感できるようにと、昨年度代表が「オンライン交流会」 という形でOBOGの方々との交流を試みてきました。この企画はきちんと引き継ぎ、さらに活発なものにしていきます。また、自分の夢・やりたいことを語るだけでなく、その実現に近づくための場としてAMSA Japanを豊かにしていきたいと考えています。あくまで案ですが、主にEnglish班やAcademic部門の活動において、学びの内容も充実させるということを目指すことで達成できるかもしれません。English班では英語に触れる機会を増やすことを目的としていますが、さらに海外のAMSA支部の学生との交流ができるようになれば、アジアを含めた国際的な活動としての意味も 出てきますし、楽しみです。Academic部門では、国際会議に向けて行っている研究や発表の成果を過年度のものも含めて共有できる場を設けることができれば素敵ではないでしょうか。

 最後の3つ目は、《自主性が最大限に尊重されること》です。すでにAMSAには、みんながやりたいことを自由にできる環境が整っているように感じますが、あえて今年度は「じぶんごと」をテーマに掲げたいと思います。今年は新型コロナウイルスの感染拡大による影響は長期化しており、医療系学生としての責任や今後について多くを考えさせられる状況が続いています。パオロ・ジョルダーノさんの著書『コロナ時代の僕ら』の中に、 以下のような文があります。
「そのほうがよければ、COVID-19の流行はあくまでも特殊な事故だ、 ただの不運な出来事か災難だと言うことも僕たちにはできるし、何もかもあいつらのせいだと叫ぶこともできる。それは自由だ。でも、今度の流行に意義を与えるべく、努力してみることだってできる。この時間を有効活用して、いつもは日常に邪魔されてなかなか考えられない、次のような問いかけをしてみてはどうだろうか。僕らはどうしてこんな状況におちいってしまったのか、このあとどんな風にやり直したい?」
春からはすべての活動をオンラインで行っていますが、どの試みも新たな気付きを与えてくれました。もっとも大きいと感じたのは、オンラインの場合、地域に縛られずイベントに参加できるということです。気楽にオンラインでのイベントや交流会を開催できるようにし、顔を合わせる機会がさらに増えるきっかけに、地方の大学からの役員が増えるきっかけになればと願っています。すべての役員が動くチャンスをもつことで、それぞれが主役であるという認識を持てれば(「じぶんごと」にできれば)得るものも大きいのではないかと思うのです。