なんでか忘れられない思い出ってあると思います。僕にも、教育実習での何気ない日常に忘れられない瞬間があります。
そんなこんなで始まった教育実習ですが、子どもとは初日で仲良くなりました。なぜなら、何にもしなくても「実習生」っていうだけで人気者になれるからです。「先生、今日うちの班で給食食べるよね?約束したよね?」とありもしない約束をつきつけてくる子もいました。
はい、可愛い。
「先生は順番に回るからね」と言いながら、まんざらでもない僕は実習生という人気者を存分に味わっていました。
そんなある日のこと。僕がみんなの宿題の漢字ドリルを丸つけしていた時、僕の後ろでうろうろしてる女の子がいました。
「なにも言わないけど、この子も丸つけされて喜んでるんだろうな〜」と心の中でニヤけていると、その心を一刀両断するようにその子が言いました。
「担任の先生に丸つけて欲しかった。」
…え??
調子に乗っていた僕はすごくショックを受けました。「この子、俺のこと嫌いなのかな?」とも思ったりしました。でもよく考えてみたときに、僕の事を嫌いで言ったわけではありませんでした。
いつも大好きな担任の先生に丸つけしてもらってるから、今日も担任の先生に丸つけして欲しかった。
ただ、それだけでした。
担任の先生は「飯島さん、今日は妻が忙しくて晩ご飯係なんで早く帰ります。すみません。」と言って帰るようなすごく優しい先生でした。クラスの雰囲気は先生に不思議と似てくるもので、子どもたちも思いやりに溢れる子たちばかりでした。
そうだよな、担任の先生って特別だよな。
改めて感じました。
僕にとって忘れられない、かけがえのない思い出です。