チャレンジ道場〜風の通り道〜

こんにちは!STARSのCHOこと
Chief Happiness Officer  の井手桃美です。

最近暑い日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか?
私は先日、「たけうち和久のチャレンジ道場」に初めて参加させていただき、「まめなプロジェクト」という活動をされている、人口約500人の広島県呉市に位置する大崎下島・久比(くび)へ行って参りました!!




いつもより過ごしづらくて、いつもより生きやすい町だった。



「介護のない世界をつくる」
そう語っていた更科さんが描いているものが少しわかった気がした。

命を全うできる場所でなら、ちゃんと命の終わりを迎えられる。
病院や施設ではない、わたしの命の居場所をつくっていく感覚。

「ピンとした身体でシャンとした頭と心のまま、コロリできるほど幸せなことはなくて。そんな、”ピンシャンコロリ”が一番だよね。」って。
目をキラキラにしながら語る姿がとても印象的だった。

こういう世界をこのまちで創り出せそうだと思った。素敵だと思った。
私もそういう世界を創りたいと思った。



自分で豆を挽いて淹れたコーヒーを飲むとき
縁側で仲間たちとおにぎりを食べるとき
ダンボールを敷いた中庭で星空を見るとき
みんなで食卓を囲んで朝ご飯を食べるとき
草刈りし終わった後に熱めのシャワーを浴びるとき


久比で生活をしている大学生に話を聞いた。
「死んじゃいそうな瞬間がたくさんある。」

ニヤニヤしながら答えてくれた。私も思わずニヤニヤした。
と同時に、「ああ、分かるなあ。」と思った。
幸せすぎて私は死んでしまうのではないだろうか、という感覚。

何も前触れもなく人生の終止符が打たれるのではないかというほどに、その自然さにハッとするのだ。


きっと、頭で分かってても感じにくくて、
そしていつの間にか分からなくなって、
気づかないうちに私たちの中から薄れていく。

目に見えにくい”何か”が、このまちにはいっぱい散らばっていて、それが感じやすくなっているのだと思った。目まぐるしく動く人や情報がいい感じで遮断され、利便性を求めるものが少ないからかな〜?


トイレに向かう途中にあまり見かけることのないサイズの蜘蛛がいて、だけどいつもあるはずの水を流すレバーはなくて。
リビングにはボタンを押しても冷たい風が出てくる道具はないけれど、縁側からは土や草木の匂いと共に気持ちのいい風が入り込んでくる。

私が普段過ごしている日々の目線から言うと
「いつもあるものがないけど、いつもないものがあるよなあ。」という感じ。

このプロジェクトでは
「モノ・コト・情報に溢れた現代に生きる私たちのこれから目指すべき豊かさは、”暮らしが自らの手の中にあること”で、その実践の場に久比はぴったりな拠点である」と語っている。



暮らすことは生きること、そして死ぬこと

わたしはこの暮らしの中でそう感じた。



ほとんどの日本人は、病院や施設で命の終わりを迎える。なんだか狭苦しい気がする。きっと病院や施設に入ると、命を全うしにくいからだと思った。
病院や施設じゃない、命を全うできる場所をつくれたらいいのかなあ、まだよく分からないけど。


「キッチンで一緒に料理をしていたら、いつの間にかここでの暮らしに馴染んでいた。」
久比に遊びに来ていた大学生が言っていた。

キッチンで一緒に調理をする中でコミュニケーションが生まれ、この世界に溶け込んでいく。
”キッチンとは世界の入り口なのかも知れない”という素晴らしい見解を立ててしまい、大変興奮した。”食”は私の人生の中で大切にしていきたいことの一つである。その気持ちがもっと大きくなった。大好きな食卓はもちろん、キッチンも大切にしていきたい。


命を全うできる場所。それが、この、久比のまちなのかもしれない。
まだ完全ではないけれど、それもまたいい。想いの共感によってだんだんと創り上げられていく。素敵だ。

そんなまちが世界中に、いや、必要としている人の元へ届いて繋がっていけばいいなあ。
そして、私の思い描く”ぽかぽかな世界”を増幅させていきたい〜♪


久比で暮らす人たちなら分かるらしい、”風の通り道”

まだ私には分からなかった。ちょっと悔しい。
風の通り道が分かる私に出会える日が来るかな。


キャリア支援団体 CHO 井手桃美

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