近年の創作に求められる”わかりやすさ”

5月6日土曜日の夜、The Dance Dayという番組が放送されていた。
簡単に言ってしまうとジャンル不問のダンスコンテストで、予選は合計ポイントでランキングを付けて上位六組を選出、決勝では審査員の投票で優勝を決定するという形式だった。
私が見始めたのはダンスの先輩が出場決定したあたりなので、最終的に見たのは決勝選出した六組だけだった。
それでも、ひとつ気になったことがあった。
 
上位六組のうち大半にあたる四組が、創作ダンスやミュージカルに近い部類だったのだ。
生命の強さといった抽象的なもの、青春恋愛といった物語を表現するダンスをしていた。
しかも、ダンスの先輩すら創作寄りで、テーマ性を強く持たせたものだった。
今まで技を魅せることや構成を魅せることを重視したダンスをするイメージだったので、私としては期待外れという感想だった。

だが、これを見て気づいたのは、近年の創作物は一目見てわかりやすいものが求められるのではないかということだ。
 
例えば、正義と悪が明確なものや異世界転生もの、不遇な人間が幸せを掴む物語など。形は様々であれども、どれもわかりやすい。
私はコアな題材を取り扱ったものや、一目でわかりにくい考察しがいのあるものの方が好きな人間なので、どうしても残念な気持ちになってしまう。
しかし、今の時代に合わせるなら、わかりやすいを意識して創作すべきなのだろう。