ディープラーニングにおける推論の概要

ディープラーニングにおける推論の概要

 
  • 目的と触れる範囲
このレポートはディープラーニングを学び始める人のためのレポートです。読者がディープラーニングを学び始めるに当たり、どのような流れで推論が行われているのかを把握し、ディープラーニングの推論についてざっくりとした説明ができるレベルすることが目的です。尚このレポートでは、読者に全体を把握してもらうことを目的としているため、数式を用いた解説は行いません。また、省略する部分や、触れない要素があることをご了承ください。
  • 推論の流れ
 ディープラーニングではまず推論から始まり、その推論結果を学習に使うので、まずは推論について解説していきます。ディープラーニングには人工ニューロンと呼ばれるものがあります。先にニューロンの構造を画像で示しておきます。
ニューロンは幾つかの入力を受け取り、入力がある一定の値を超えると出力を出す仕組みになっています。また、入力の際には入力に重み付けがされていて、重みが大きいほど大きいインプットになります。この人工ニューロンを幾つか並べたものを何層か重ねたものをニューラルネットワークといい、実際に学習を行う部分になります。これを図に表したのがこちらです。
画像の一部に「mnist  |  TensorFlow Dataset」の画像を用いています
では、この画像を使用して学習の流れを解説します。今回は学習に使用するデータとして数字が書かれた白黒画像を使用します。その白黒画像に書かれた数字が何であるか学習器で推論させるという問題です。まずピクセルごとに明るさの値を入力層に入力していきます。入力層というのは入力を受け付ける層のことで、最初の層のことです。人間で言うと目の細胞の部分にあたります。入力層の人工ニューロンは次の層の人工ニューロンに繋がっていて。重みに従って伝える値の大きさが変わります。画像では線の太さで重みを表しました。そして次の層は隠れ層と呼ばれるものです。ディープラーニングのディープというのはこの中間層の枚数が多く深いことを表します。ディープラーニングではこの隠れ層の枚数に正解はありません。隠れ層は後ほど学習後の精度向上のためにチューニングを行う際に、減らしたり増やしたりします。画像でも分かる通り、かなり複雑に結合しています。この複雑な結合は全結合と呼びます。このように全結合されたネットワークは人間が処理をトレースすることは難しいと考えられます。そのためディープラーニングはブラックボックスのシステムだと言われます。そして、最後の層は出力層と呼ばれ、結果を出力する役割があります。この図では与えられた画像は60%の確率4であると推論しています。
  • まとめ
 このレポートでは、ディープラーニングがどのように推論を行うか、白黒画像の数字認識問題を例に解説しました。次は今回触れなかった学習の流れについて解説を行っていきたいです。
  • 参照
[mnist  |  TensorFlow Datasets](https://www.tensorflow.org/datasets/catalog/mnist?hl=ja )
[Deep Learning入門:Deep Learningとは?](https://www.youtube.com/watch?v=W92VcivhoBs )