創作に夢中になった一番の転機は中学時代に読んだ一冊の本です。
その作品は、三秋縋さんの「スターティング・オーヴァー」という作品でした。本当に何回も読み返したのを記憶しています。物語の描写の美しさ、繊細さ、儚さ、人生の明暗の書き方が素晴らしく痛く感動していました。
そして、何よりその後に書いてある「あとがき」の一文に強く心を打たれました。
「百冊に一冊しか存在しないような僕好みの歪んだ一冊を本の海から見つけ出すより、自分で書いたほうがよっぽど早いじゃないか」。
これを読んだ時に自分の中では価値観が一転しました。自分は今まで世に出された作品のみで満足していたのですが、どこか納得していない部分が必ずあったのです。
それからは、創作イラスト、小説、作曲などを中心に制作するようになり、自分だけの世界にのめり込むようになりました。