マインド

「好きな人はいますか」と聞かれたとき、迷わず浮かぶのは「自分」である。でも本当はそれほど自分のことが好きではないのかもしれない。他者と比較してしまえば必ずどこか自分が劣ってしまう。
自然科学を専門に学んでいるとしばしば自然の摂理に萎縮させられる。原子の中では原子核を中心に電子が周期運動をしている。人類が誕生する遥か前からずっと休みなく。大きな世界に目を向けると宇宙の果ての方でも、星同士が周期運動をしている。こちらも人類が誕生する遥か前からずっと休みなく。多くの物理法則は誰かが意図的に作ったものではない。自然にできたにもかかわらず単純な数式で現れる美しさ。人類が意図的に構築した時間という概念。結果相対性理論に見られるような歪みが生じてしまっている。
真剣に考えていると実に今の世の中が局所的に生じたものでしかない感覚に囚われる。そんな世界を生きるとき、何を信じて、何に頼ればいいのか時に分からなくなる。そんなときまずは自分という存在を信じないと全てが否定されてしまうだろう。逆に自分を信じれば他者も信じることができる。
人を信じる事は大切だと思うが、その前にまず自分を信じたい。