齊藤 渉
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内容・役割

dessin(デッサン)の言葉の語源を調べるとラテン語のdesignare(デシグナーレ)から来ています。そしてdesign(デザイン)の語源も同じくラテン語のdesignareから来ています。

designareの言葉の意味を調べると、線を引く、示す、計画する、とあります。

同じ語源、意味からもデッサンとデザインはかなり密接した関係にあります。

 

デッサンというと、鉛筆で描いたモノトーンの写真のような絵をイメージされると思います。デッサンは行為としては素描(そのまま描く)、ものとしては写実画となります。しかし、デッサンという言葉は描かれたものや人の形の狂い、陰影や空間の違和感に対して“デッサンが狂っている”といった使われ方もします。

 

デッサンの意味を考えます。

モチーフを置き、それをそのまま描き写す。そして、よく観て描きます。ただ見て描くのではなく、よく観て描くことが大切です。この観るということが観察になります。観察とは対象の実態を知るために注意深く視ることです。

そこにある物、人、空間の実態を知り理解することが意味になります。

 

なぜやるのか?

物の形を描き起こすときには形の構造、対象を立方体や球、円柱といった基本の形として考えることや捉えられることが必要になります。そして陰影を描くためには、光の方向と基本の形にできる陰影の理解が必要となります。

空間を表現する場合、パースや空気遠近法の理解が必要となります。

人体を描く場合、骨格や筋肉の理解が必要となります。

レイアウトを考える場合、物の大きさや位置、色の違いによるバランスの取り方が必要となります。

 

デッサンで物を描くときに陰を描くことで光を表現することが出来ます。

このことがデッサンとデザインの関係を表しているように感じます。

デッサンが陰、デザインは陽。二つで一つ。

デッサンで得る基礎はデザインを光らせる陰の存在だと思っています。

 

全てを事細かく理解しなければいけないわけではありません。それぞれのデザイン、デザイナーとしての仕事に繋がることをデッサンを通して得ていってもらいたいと思っています。