原稿入稿備忘録📝

趣味の一環として初めて製本を経験しました。
二作目の入稿はスムーズに行いたいので、今回のことを仔細に記録しておこうかと思います。




まずはじめにすることが、印刷所にどのようなものを入稿するかの注文の入力です。
あとから注文変更フォームで変えられるにしろ、ここで記入しなければならないページ数・加工注文は決めておく必要があります。ですのでこの段階でネームは完成させておかなければなりません。

自分はこの際の不手際が多かったので、なぜか異様に印刷代金が高くなってしまったために確認したところ全ページカラー入稿で注文してしまっていたり、それを訂正する際の入力フォームにモノクロページの場合の印刷用紙の種類を記入していなかったりとトラブルが起きてしまいました。
自分が利用した印刷所は、“毎割プラン”という締切日を早くすればするほど料金が安くなる制度があったため、当初予定していた締切より延長はしてしまったものの、本来の金額より安く印刷することができました。

しかし、この印刷所は遊び紙(表紙の次のページや最後のページに挿せるオシャレな色紙)の枚数にかなりシビアな制限があり、そのため発行部数を田舎の中学校の1クラスの人数分程度しか用意できませんでした。
イベント開催が29日なためまだ頒布していないので断言はできませんが恐らくこのカスい部数だと否が応でも完売します。正直、在庫が余るぐらいの方がのちに既刊頒布等ができるので遊び紙をダサくしてでも多めに刷るべきだったと今は思います。
イベント終了後は別の種類の遊び紙に変えての重版を視野に入れています。



さて、その後原稿作業に取り掛かったのですが、またこちらでも問題が幾多も生じました。
まず、自分はibisPaintというスマホのお絵描きアプリを使用しています。そのアプリの[A5漫画原稿350dpi]というキャンバスにて漫画を制作し、トーンも貼りました。

しかしのちに印刷所の入稿仕様を確認したところ、このアプリはトーンにアンチエイリアスがかかっておりモアレ(トーンのムラ)がどうしても生じてしまうとのこと。また、350dpiは非推奨と書かれており、全ページトーンではなく普通のモノクロ塗りに変え、解像度を600dpiにしました。この時、アプリが見たことない挙動で落ち、スマホも熱を持ちました。
また、その際17ページのデータが破損してしまい、アプリの機能により復元はされたのですが、これが入稿後あるトラブルを起こします。

それから、入稿の仕様について。
ibisPaintは画像データの場合PNG保存しかできません。また、CMYKカラーにすることもできません。ですので、普段授業で使用しているPhotoshopを用いてファイル形式をPSDに変更しました。
そこでCMYKカラーにすることもできたのですが、自分が利用した印刷所はRGBデータ入稿に対応しており、注文の段階でRGBデータ入稿を選択してしまったのでこちらはそのままにしました。
しかしこうして仕様の変更はできるものの、全ページメールで(データサイズが重いため2〜4ページで小分けにして)送り、1ページずつ仕様を変更していくのは骨が折れました。たった28p+表紙でも大変だったので、あまりページ数の多い本は現段階では作れないなと思います。

また、基本イラストは指描きで作画しているので、ただでさえ時間が掛かるということを念頭に置いて取り組むタイミングや締切日を決めるべきでした。毎割がまだ利いている程度の締切日延長とはいえ、かなり時間に追われてしまったというのが今回の一番の反省点です。



入稿締切日前日。
バイトから帰宅して残りの1ページを完成させたら使用を変更して印刷所に送信して完了かと思ったのですが、その後もまたトラブルに見舞われました。
自分は夜勤バイトをしているので、ただでさえ帰宅がほぼ早朝なのですが、その日は誕生日だったのでバイト先の先輩・店長らがサプライズでたこ焼きの材料や器具を用意して、バイト終わりにタコパを開いてくれたのです。正直、たこ焼き好き?と聞かれたあとに明らかにたこ焼きの材料である数々が冷蔵庫に収められているのを見た時点で早くは帰れないであろうという覚悟はしていましたし、タコパをして解散してもまあ締切の時刻(13:00)までには終わるだろうという見込みでした。
実際、漫画を仕上げメールでデータを移してデータ形式を変更し、Zipファイルに纏めてデータを入稿し、なんとか12時過ぎには枕を高くして眠れたのです。
ですが、その日も夜からバイトだったため5時間程度深い深い眠りに就き、よく眠れたとスマホを見たら印刷所からメールで2件、電話で2件連絡の通知が入っていたのです。
確認したところ、メールの内容は「4ページほど、ノド部分のセリフが読みづらくなる可能性があるコマがある+17ページの画像サイズがとても小さく、今のままでは大きな余白がついた形で印刷されてしまう」といったものでした。
それから、「本日の16時までに修正したデータを送ってください」と。
自分が起床した時刻は18時ちょい手前でした。間に合う筈がありません。
ぬかった!!
いやそもそもその時間に全てのオタクが活動してると思わないでほしい。脳がそう嘆き、印刷を大々的に失敗した製本後のビジョンさえ浮かんだのですが、そういえばと思いメールの2通目を開いたところ、こちらが一切返信をしてこないのを案じてか「月曜までに送って欲しい」という旨の文章が送られてきていました。印刷所の優しさに甘えつつ、バイトへ向かうまでの時間で修正を行い、バイト後に仕様を変更して送信するだけにしようと思い、すぐにフキダシの位置や形をいじってセリフの文字を内側へ寄せました。
【修正前】
【修正後】
それから、17ページの画像サイズ。これには覚えがありました。そう、あのアプリが見たことない挙動で落ちた後ibisPaintくんが行ってくれた破損データの復元です。確認したところ、画像サイズが約二分の一になっていました。正直かなり描き込んだページなので描き直すのも気が引け、やってはいけないと分かっていながらひとまずそのまま画像を引き伸ばしました。画像が殆ど劣化しなかったのが唯一の救いです。
これら5ページ分の修正データも、バイト後に入稿時同様に仕様を整えてZipファイルに纏め、送信を済ませました。
恐らくこれで脱稿かと思われます。
今年の短冊には「新刊落とさない」「脱稿」などと書いたので、お星さまに願いが届いたのかもしれません。


現在、本が完成するのを待っている状態です。委託先への新刊登録も済ませました。

初めてで到らないことが多かったですが、これも経験として自分の糧にしていけたらと思います。