日本語にもしりとりや早口言葉、マジカルバナナなど、多数の言葉遊びがありますが、皆さんは外国語で体験したことはありますか?今回は、フランス語版言葉遊びをご紹介します。馴染みのあるものが多いと思いますが、お楽しみいただければ幸いです!
目次
1.Charades(言葉当てゲーム)
2.Virelangues(早口言葉)
3. Calembour(語呂合わせ)
4.おわりに
1. Charades
このゲームは、なぞなぞと連想ゲームを合わせたような、言葉当てゲームです。いくつかの単語を並べ、組み合わせて発音することで一つの単語になります。
例:
Mon premier se boit à cinq heures
Mon deuxième peut se mettre dans mon premier
Mon troisième est le contraire de " vrai "
Mon quatrième est une partie d'une négation
Mon tout est un moyen de communicationthé + lait + faux + ne
Solution = téléphone [1]
引用:“Charades”, Bonjour de Francehttps://www.bonjourdefrance.com/exercices/contenu/1/jeux/421.html
訳してみると、
1つ目は、5時に飲まれるもの=thé(紅茶)
2つ目は、1つ目に入れることができるもの=lait(牛乳)
3つ目は、“真”の逆=faux(偽)
4つ目は、否定形の一部=ne
全部合わせると、コミュニケーション手段
答えは… téléphone(電話)
となります。1つ目の、5時に飲むもの=紅茶、という発想はヨーロッパらしいですね。些細な部分から文化も垣間見ることができた気がします。私もひとつ作ってみたので、是非解いてみてください!
Mon premier est moi
Mon deuxième est le chiffre
Mon troisième est une particle japonaise qui exprime la similarité, la coordination, et l’ajout
Mon tout est le titre de cet article
答えは… Jeu de mots (言葉遊び) です!
(je : 私+deux : 数字の2+mots : 日本語で同類、並立、付加を表す副助詞「も」)
2.Virelangues
次にご紹介するのは、日本語でもお馴染みの早口言葉です。言語の正しい発音を身につけるため、そして言葉を話す際の明瞭さやイントネーション、呼吸法を身につける練習にも用いられるそう[2]なので、ゲーム感覚で言語学習にも活用できそうですね。今回は、日本語に無い発音、流音“r”の練習になりそうな早口言葉を見てみましょう。
Gros gras grand grain d’orge, tout gros-gras-grand-grain-d’orgerisé, quand te dé-gros-gras-grand-grain-d’orgeriseras-tu ? Je me dé-gros-gras-grand-grain-d’orgeriserai quand tous les gros gras grands grains d’orge se seront dé-gros-gras-grand-grain-d’orgerisés.[3]
出典: “Les virelangues pour mieux articuler ”, Espace français https://www.espacefrancais.com/les-virelangues/
画像:Free-PhotosによるPixabayからの画像
grを連続で発音するのはなかなか難しいですよね...この文章ではorge(麦)について書かれていますが、文章自体に意味はないそうです。このように、理解が難しい早口言葉はtrompe oreilles(耳だまし)と呼ばれるそうです[4]。上記サイトには他にも多数の早口言葉が掲載されていますので、苦手な発音の練習やリスニングに役立ててみて下さい!
3. Calembour
最後にご紹介するのは、フランス語版の語呂合わせです。“calembour”という言葉を最初に使い始めたのはフランス人哲学者のDenis Diderot (1713-1784)と言われています。フランスにおいては、16世紀、フランソワ1世の治世時代から普及し、20世紀をピークに、小説家や詩人、劇作家たちに使用されているそうです[5]。
では、詩人Jacques Prévert (1900-1977)の文章から一例を見てみましょう。
Tous les matins, je me lève de bonheur. (Jacques Prévert) (plutôt que de bonne heure) [6]
引用:Banque de déppanage linguistique, Office québécois de la langue française, http://bdl.oqlf.gouv.qc.ca/bdl/gabarit_bdl.asp?id=3153
画像:Maciej SzewczykによるPixabayからの画像
「毎朝早く起きる。」の「早く」=bonne heure を、「幸せ」のbonheurとかけているのですね。文学作品の中で語呂合わせ探しをするのも、新たな発見があり楽しそうです。
4.おわりに
今回は3つの言葉遊びをご紹介しましたが、どれも親しみやすく、またフランス語学習にピッタリだと思います。オリジナルのゲームを作るのも面白そうですね。皆さんも、勉強の息抜きに、またお友達との交流などに、是非楽しんでみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました。
担当:Sayuri
参考資料
[1][4] “Charades”, Bonjour de France, https://www.bonjourdefrance.com/exercises/contenu/1/jeux/421.html
[2] [3] “Les virelangues pour mieux articuler”, Espace français https://www.espacefrancais.com/les-virelangues/
[5] “Le calembour”, Espace français https://www.espacefrancais.com/le-calembour/
“Un calembour, ça mange quoi en hivér ?”, Michèle Villegas-Kerlinger, 5 janvier, 2020,L-express.ca
https://l-express.ca/un-calembour-ca-mange-quoi-en-hiver/
[6]“Banque de déppanage linguistique”, Office québécois de la langue française, http://bdl.oqlf.gouv.qc.ca/bdl/gabarit_bdl.asp?id=3153
表紙画像:Gerd AltmannによるPixabayからの画像