私たちICU Art Societyは、スタートアップ企画として、「はじめのきおく」をテーマとしてICU生に作品募集し、その展示を行った。
「はじめのきおく」とは、単なる幼い頃のきおくだけでなく、恋人とのはじめてのきおくだったり、はじめてなにかに成功したきおくだったり、何を「はじめて」とするかはその人自身の解釈に委ねることとした。
なぜこのテーマにしたかというと、幅広い人にとって考えやすいテーマでありなおかつ共有することでそれぞれの個性が垣間見えると思ったからだ。
表現方法も、写真や詩、絵、音楽など自分が表現したい方法で表現してもらった。サークルのメンバーの友人を中心に約10人ほどが作品を寄せてくれて、絵や写真、エッセイなど様々な表現を見ることができた。
私たちは、それらの作品のディスプレイの仕方も工夫した。大学内のカフェで使っているコーヒーカップの裏側にサークルの目的と企画趣旨をはりつけ、作品たちは印刷して半透明の紙に挟み、ティーパックの形に模した。サークルのロゴのスタンプとスリーブも手作りして、目を引くようにした。
以下の文章は、コーヒーカップに張り付けたものである。
Art Society は、今学期にICU 学生によって立ち上げられたアート系サークルです。
私たちは、活動を通して「ART 」という存在を身近なものにするのと同時に、その可能性を探求していくことを目指しています。
この作品展示は、私たちの第一回目の企画となっており、「はじめのきおく」をテーマとしてICU 生に作品を募集しました。
このテーマを選んだ理由は、内在・外在する複雑性を、それぞれの形で可視化させることで、「伝えること」の可能性を高めるアートの特性・力を実感してもらえたらと考えたためです。
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あなたは、「はじめのきおく」と聞いて何を思い浮かべますか?
いつ、どこで、だれと、紡がれた「きおく」でも構いません。
例えば、恋人との「はじめのきおく」、自分の幼いころの「はじめのきおく」、自分の辿れる限界の「はじめのきおく」...
あなたのあたま、こころ、からだに残る「はじめのきおく」を、あなたの表現で教えてください。
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この言葉をICU 生に投げかけたときに、立ち現れてきた言葉や写真、音、絵たち。
作品を通して、普段の生活では交わることのない人々の「せかい」を垣間見られることを私たち一同嬉しく想うのと共に、忙しい日常の中で、私たちの問いかけに応えてくれた方々に感謝しています。
これらの作品を目にしている今のあなたにも、この瞬間をきっかけに「なにか」が芽吹いていることを願っています。
ICU Art Society一同
この作品展示を通して、私たちのサークルに興味を持ってくれる学生も増え、アートという場を通して表現したいという想いをもっている人々が多いことを知った。
現在進行中のZINEのプロジェクトも、ICU生にとってself-sculptureの糧になってくれたらという願いを込めている。