スーンの活動を考える〜ゼミ活動からpart2

こんにちは!スーンのちーなです。
写真は、ゲストハウスから見たメコン川です♪

今回も、前回に引き続き、パウロ・フレイレの『希望の教育学』から考えたことを共有させていただきたいと思います。


フレイレとアセンタミエントの農民たちとの会話より

フレイレは、農民たちの文化サークルの現場に参加していた。フレイレと農民はお互いに質問したり、答えたりしてしばらくは話が弾んでいた。しかし、ふいに話はとぎれてしまった。

 「申し訳ないことをしました」と、かれらの1人がいった。「わたしら、喋りすぎまして。あなたがしゃべるのがいいのです。あなたはものを知っていなさるかただし、わしらは何もしらんのですから」。
(中略)
「よろしい」と、ぼくは農民の発言にこたえて言った。「あなたがおっしゃるように、ぼくがもの知りで、あなたがもの知りではない、としておきましょう。そこでとりあえず、ぼくのほうから一つ、ゲームを紹介することにいたしましょう。ちゃんと試合をするために、しっかりと規則を守らないといけませんよ。黒板を二つに分けますね。一方にはぼくの得点、もう一方にはあなたがたの得点を記入しましょう。(中略)ゲームは質問合戦。質問に答えられなかったら、質問者の得点になります。さあ、はじめましょう。最初は、ぼくのほうから、あなた方に質問しますよ」。
(中略)
 こんな具合で、得点は10対10の同点になった。(pp.60-64)


 
ゼミではこの場面を切り取り、話し合いをしました。「私たちも同じような場面があるよね、例えばゼミ内でも上級生ばかりのグループで2年生が発言しにくかったり。」という意見が出ました。

知識がない人は意見を言ってはいけないという感覚を私たちはいつ学ばされてしまうのでしょうか。本当はどんな人でも自由に発言して良いはずです。

スーンにも幅広い学年のメンバーが参加しています。
学年の垣根を越えて自由に意見を言えるミーティングがスーンの特徴ですが、どうしても年下のメンバーが意見を言いにくい場面はあるかもしれないと考えました。

そして、私も3年目のメンバーとして、他のメンバーよりも知識をもっている、私の意見が正しいのではないか、という気持ちが心のどこかにあるのかもしれないと思いました(自分でもはっきりしませんが…)。
もちろん、スーンのこと、ラオスのことは知っているかもしれないですが、意見を言うことにはそれは関係ありません。

私たち上級生が、私たちの方が知識をもっているという感覚(これまでの経験で培ったことはもちろん伝えるのが良いとは思います)を意識して変えていかなければならないと思いました。

以前の記事にも書いたように、今のミーティングも学年の垣根なく素敵な意見がたくさん出ています♪(https://pando.life/laos_sung/article/24824)

 しかし、今回のフレイレのテキストから、さらに意見を言いやすいミーティング環境を作るためにどうしていけば良いのか、私自身はどう考えているのか、と考えるきっかけをもらいました。引き続き向き合っていきたいです。

またまた大変長い文章になってしまいました。
最後までお読みくださりありがとうございました。

ちーな
参考文献:里見実訳『パウロ・フレイレ希望の教育学』太郎二郎社2001