宗教の身近さ

【予習】宗教単元

◎事前課題に対する仮説

​「宗教」と聞くと、何となく自分から遠いイメージがあったけれど、お米一粒一粒に神様が宿る、みたいな「アニミズム」の文化とか、一日一善のような「徳を積む」文化とか、意外と宗教に近い生活を送っているのかもと感じている。様々な神様を無意識的に感じるもの、それが私にとっての宗教です。

◎課題図書・資料・フィールドに触れて

▼課題図書「イエスという男

◎要約
・イエスは最初からキリスト教の教祖ではない。むしろユダヤ教支配体制に対する反逆者であった。
(虚妄に満ちておりながら、自分たちの行為を預言者に帰せられた絶対的権威の後光を借りて権威づけようとしていることを批判していた。)
・イエスの譬え話は、ルカの福音書などで知る機会が多いが、かなり弟子によって書き換えられたら、付け加えられたりしており、だいぶ適当。どういう相手に向かってどういう状況で話をしたのかがわからないので、いろんな解釈ができてしまうのが原因。一方で、イエスの「人間的な部分」を覆い隠そうと、イエスの言動を抽象的に表現してしまっている節もある。
・「神の前に全ての人間は下僕である」という言葉は、他の人間に対して支配者となって権力をほしいままにする者に対する憤りも表している。
・イエスの死は、「人々を救う死」であると解釈されているが、「一人の人間イエス」の「人生」の過程が、壮絶な死に結果として繋がったのである。

◎改めて「宗教」とは
・「人間の価値観」そのもの
​宗教で出てくる譬え話や逸話は、「神様」から授けられたもの、というイメージを持っていたが、あくまでも一人の人間の、どちらかと言うと政治的な批判というとても個人的な意見から成立している。
ともすると、私たちは、それぞれ価値観を持っている時点で、「宗教」と隣り合わせで生きていると言っても、過言ではないのではないか。
・誰しもが持ち合わせているもの
書き換えがなされていたりすることから、あくまでもキリスト教といった宗教自体「フィクション」だと感じた。
しかし、宗教に出てくる譬え話が正しいかそうではないかを論じるのではなく、(それも研究対象としてはありだと思うが)その「フィクション」を見て、「あなたが何を感じるか」を大事にするのが宗教だと思う。ルカはイエスの言葉を一言一句きれいにまとめなかったかもしれないが、そのことが悪い​というわけではないと感じた。

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