私は誰か?

LAPでの学びを通してどうなりたいか?

あなたは誰ですか

 私は九州大学文学部の宗像穂乃香といいます。まずはこれまでの私についてです。私の出身は熊本県の天草市というところで、中学校までは実家から通っていました。本当に何もない所だと当時から思っていたからこそ、面白い何かを求める気持ちは今でも人一倍強いと考えています。
 そして小学生のときから触れていた英語の力が花開き、高校は英語が特に学べる熊本市内の高校に通わせてもらいました。家を離れて下宿することになったため、自分自身で生活をコントロールする力はこのときに身に着けることができました。その後、もともと英語に興味があったのに加えて、文系の教科全般に興味を持つようになりましたが、どれを専門にしたいかということを高校生のうちには決められませんでした。そこで、1年次は自由に色々な分野に触れることができ、2年次以降に専攻を決定できる九州大学を目指すようになりました。今振り返ると、1つの学問分野にこだわりたくないという気持ちはこのころに生まれていたように感じています。

 次に今の私についてです。私は文学部の中でも、社会学・地域福祉社会学研究室に所属しており、現在は卒論作成のために日々奔走しています。社会学に興味を持った理由は、社会学の視点そのものが非常に面白いと思ったからです。今目の前にあることがすべてだと思わず、問題を個人の面ではなく、制度や社会の側から考えていく視点は、今後の人生を生きていく中でも必要なものだと思います。また、人々の生きづらさにフォーカスできるという点も、私が社会学にこだわり続ける理由です。自分自身が人生をよりよく生きるために、そして自分と同じような人がまたよりよく生きられるように、何ができるかを考え続けられることが社会学をやる面白さだと私は思っています。完全に生きづらさがなくなることはないと思いますが、当事者の状況を相対的に眺めることで見えてくるものがあると私は信じています。

 最後に、「あなたは誰ですか?」という問いに完結に答えるとすると、「まだ何者でもない」というのが最も今の気持ちに近い答えだと思います。これまでの自分、そして今の自分は上記のように語ることができますが、何者であるかという問いには答えることができません。今までの私は興味の赴くままに、いろいろな分野に手を出してきました。本を読み、人の話を聞き、たくさん考え、その考えを言語化してきました。しかし、そのどれもがまだ自分の中だけで完結している状態です。何かを生み出し、誰かに影響を与えることができたかというとそうではありません。よって、私はまだ何者でもないと答えざるをえません。しかし、私は何者かになりたいと思っています。自分が何者でもないことを自覚し、そこから何者になっていきたいのかを考えていきたいと思います。そのためにも、LAPで自分が何者になりたいのか、なれるのか、というエッセンスを獲得していきたいと考えています。これが今の「私」です。

なぜLAPで学びたいのですか

 私がLAPに参加したいと思ったのは、学生団体の仲間の影響が大きいです。私は、コロナ禍で大学がオンラインになったことをきっかけに発足した、学部に囚われない学びを提供することをモットーとした学生団体に所属し、活動をおこなってきました。活動に参加する前の私は、文系不要論などの流れの中で、自分が社会学のみに注力していることに焦りを感じていました。このままだと社会で活躍することなどできないのではないかと不安に思っていました。そのような時に、そもそも大学において1つの学問しか学ぶことができないこと自体を疑う学生団体の活動に惹かれ、参加することを決めました。
 団体の一員として活動をする中で、ほかのメンバーがみなリベラルアーツに関心を持ち、少なからず自分で実践をしている姿に、私は衝撃をうけました。何よりも、自分でプロジェクトを立ち上げたり、講演会を企画したりと、リベラルアーツ的な活動を、実際の行動に移しているところに驚きました。私は、何かこのままではいけないなと感じても、考えるだけで行動に移すことができていませんでした。だからこそ、メンバーのその姿が非常にまぶしく、負けないように私自身も活動を行ってきました。そして、そのメンバーに、行動力の源泉がどこからきているのかを聞いたときに、みなこのLAPでの経験を挙げていたことが印象的でした。班の方や社会人メンターと一緒に考えていく中で、学ぶことに対する姿勢や自分にとっての学びとは何かを考えることができたと聞き、その内容にとても惹かれました。今は就職活動中で、活動はお休みしていますが、今後も団体の一員として活動を続けていきたいと思います。そのためにも、LAPで自分の学問に対する姿勢をもう一度見つめなおしたいと考えています。そしてこのまま就職活動が成功すれば、私は大学を卒業し、その後学びに触れる機会は圧倒的に減っていくと思います。私は何よりもそれが恐ろしいと思っています。どのような状況になっても、生涯をかけて学び続けられるための要素を、このプログラムを通して身に着けたいと思います。以上が、私が今期のLAPを志望する理由です。



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