自然の中に生きる人間であるということ

【復習】自然の摂理単元

◎講義の内容

最初に、今回の事前課題「持続可能な社会を実現するために私たちは何をするべきか」に関してチームごとの発表を聴いた。子供たちにセンス・オブ・ワンダーに気づいてもらうために、教育が重要なのではないかと語る班もあれば、スマートシティという概念を出して、理想と現実のギャップについて語っているチームもあって興味深かった。

その後、たいらさんによる講義を受けた。現状、すぐに行動に起こさないと間に合わないということ、気候変動と生物多様性の合わせ技で施策を講じていかなければいけない、という話が印象に残った。たいらさんが、お父様のガン宣告を受けて、無農薬の新鮮な野菜などを安心して食べられる社会にしたいという思いから、栄養のある生ごみの堆肥化を行うLFC株式会社を立ち上げのきっかけとなったという話が興味深かった。
ライフスタイルはどのように変化していったのかをチームごとに話し合う時間では、「生産者と消費者の分断が大きくなった」、「いろんなモノをシェアするようになった」といった多くの意見が聞けて面白かった。

午後は2つのフィールドワークを行った。1つ目はアオサの回収。2つ目は堆肥化だ。
アオサは、生活排水の栄養分で大量発生するため、海中の生物は水面に浮かぶアオサの影響で太陽光を浴びることができず死滅してしまう。それを防ぐためにアオサを回収し、堆肥化する。なぜ焼却せずに堆肥化するのかというと、アオサは90%が水分、10%は栄養分でできていて、焼却するにはあまりにももったいないからだ。今回はアオサを回収した上で、堆肥化の準備までを体験させてもらった。

アオサの回収は、一見簡単そうでとても難しかった。アオサの表面に付着した堆肥化できない貝殻を取ってから袋にいれなければいけないため、とても手間がかかる作業だった。また、アオサを入れた袋はとても重く、90%が水分とはこのことなのかと実感した。袋を足で踏みつけたときに水が大量に流れて行って、一気に袋の重さが軽くなったのもとても印象的だった。
その後はアオサの堆肥化作業を行った。木枠を組み立て、箱の中に、雑草→アオサ→ぬか土の順に入れていく。この作業も決して楽なものではなかった。雑草を入れる係だったが、雑草が想像以上に重く、最初は少ししか持てなかったが、徐々に慣れてきて最初の10倍近い量の雑草を持っていけるようになったのは少し成長した気がした。
すべての工程が終わって上にカバーをつけようとしたときに土の様子を見たら、さっそくダンゴムシのような小さい虫が嬉しそうに土の上を歩いていて、本当に栄養分のある自然の土なのだと実感して私まで嬉しくなった。

全てのフィールドワークを終えて、最後はリフレクションを行った。「センス・オブ・ワンダーをとても感じた一日だった」、「福岡の夜に行われるごみ回収が、ごみを出しているという意識が低くなる原因だと感じた」といった様々な感想、質問が聞けた。みなさんこの講義とフィールドワークで、自然と人間とのつながりについて自分事として考えていたのではないかと感じた。

◎講義やリフレクションを受けて

講義とフィールドワークを通して、人間は自然の中の一部なんだ、と強く実感した。浜辺を歩くカニや、とてもきれいな緑色をしたアオサを見つけたときの、童心に返るような喜びを覚え、これがセンス・オブ。ワンダーなのだと改めて感じた。自分が普段都会に住んでいて、自然に触れる機会がほとんどなく、なんとなく環境問題についても他人事のように考えてしまっていたが、今回のフィールドワークを通して、身近にある自然を大切にしていくことで、自分たち人間にも新鮮な野菜といった「豊かさの恩恵」を得ることができるのだとわかった。

今回のフィールドワークは、あくまでも持続可能な社会を考える上での出発点に過ぎないと思う。だからこそ、自宅でもできるコンポストであったり、一度買ったものを長く使う、といった小さいことからでも、行動するべきだと思った。
早速私は、同居する母親に講義やフィールドワークの様子を共有して、コンポストをしたいと言った。積極的に考えたいと言ってくれた。まだ行動し始めたばかりだが、これからも自分は人間という自然の中の一部なのだということを忘れずに、自分にできることをしていきたい。

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