【自然の摂理単元復習】前進する循環

【復習】自然の摂理単元

とてもとても遅くなりましたが、当時のメモを見ながら改めて振りかえってみました。

◎講義の内容

 まずはたいらさんのお話から講義は始まりました。お話の中で印象に残ったのは2点です。
 1点目は、私たちが循環で言うところのどの部分に位置しているのかが、歴史的なサイクルも含めて理解できたことです。お話の中でまず、自然のあり方がどのようにして今のような形になっているかを科学的に説明していただいて、普段なんとなく「私たちは自然の一部」と言うのよりもより鮮明に、実際にどのように一部なのかということをきちんと知ることができたのは大きかったと思います。予習の時点でも、なんとなく「私たちは自然の一部である」というのが暗黙の了解として話が進んでしまったところがあったので、まずはその部分をしっかり落とし込めたことで、そのあとのお話や体験がより身に迫るものになったように感じました。
 2点目は、確かに今の地球環境は深刻だが、確かに希望はあるということです。これまでの知識や普段耳にすることの中では、いかに今の自然環境が良くない状態にあるのかということばかりが強調されるため、地球の自然に関してはかなり絶望的な心持ちになることが多々ありました。実際に予習MTGの中でも、そのような危険な状態の中で以下に我々が改善していかなければならないか、ということに重点を置いて話していました。しかしお話の中では、自然に対する様々な取り組みが紹介され、そしてそれに賛同する人の多さに言及されていたのが印象に残っています。改善の兆しは見え始めているが、しかしその改善のスピードを急角度にしていかなければならないと言われていたのを覚えています。今の人間の自然との関わり方は良くない…改善しなければ…で思考をネガティブな方向で止めるのではなく、では新しい自然との関わり方はどうなれるか、と前向きに捉えるだけでも足は動き出すのだなということを実感しました。

 その後は、海岸で海藻を拾い、実際のコンポストづくりも体験させていただきました。元々実家が海近くなので、潮の匂いを嗅ぎながら作業できるのはとても懐かしく、大変ではありましたが生き生きしている自分を実感しました。そこではまず海藻の多さに驚きました。海岸に海藻があるなんて普通じゃないか…と今までなら流してしまいそうですが、農薬などがめぐりめぐってこのような状態を引き起こしており、またそれが健全な状態とは言えないということを知り、さらに驚きました。人間の営みがどこでどう自然のバランスに影響を与えるのかについて自覚しなければ、知らず知らずのうちに己の首を絞めることになりかねないということを目で見て理解することができました。
 コンポストづくりの方では、まずそれらがある畑の場所に驚きました。空まで伸びる立派な高層マンションが立ち並ぶ中でいきなり緑がでてくるのがとても意外でした。またそこに実際に通って作業してらっしゃる方が何人もいらっしゃったことにも驚きました。コンポストづくりは、予想通り大変で、しかし思った以上に簡単でした。もちろん作業自体は体を使うので数人がかりでやるような大変なものでしたが、私たちがやったのは材料を数段放り込んで重ねるだけで、あとは自然の力に任せてしまうというのを、身をもって体験することができたのは貴重な経験でした。

◎講義やリフレクションを受けて


 今回の講義全体を通して考えたことは2つあります。
 まずは、たいらさんの思いや行動は、決して私とは違う人のものではないということです。たいらさんがなぜコンポストに興味を持ち、そしてどのように今の活動をしてらっしゃるのかを聞いて、「これは他人の話ではないな」と私は直感的に思いました。私自身、大学で食に関することに縁があり、食を通じた自然と我々の関わり方について、人並みに以上に考えてきたつもりです。今回のお話は決してそれと無関係なものではなく、むしろかなり問題感心が近いように感じました。それまでの講義の中では、講師の先生に対して「自分とは違う立派な何者か」という一種敬遠にも近い、自分とは切り離した気持ちを持つことが多くありました。しかし、今回のお話を聞く中で、たいらさんのあり方も、私ではないかと強く感じました。もちろん、いろいろなご苦労をされながら精力的に活動をされているという点で私はまだ遠く及ばないですが、だからと言って私がそのようにはなれない遠い別の存在なのかと言われると、実はそうではないのではないかと思うようになりました。
 その上で考えたのが、2点目の自分事としてできることはなにか、ということです。お話の中で強く印象に残っているのが「半径2キロ圏の定理」というものです。物事を自分事で捉えることができるのが半径2キロ程度で、その考えに則って各家庭のコンポストから循環ができるように、というコンセプトでされているのを聞いて、私はなるほど、と強く思いました。どこかの誰かがやる環境活動ではなく、自分の手に抱えられる循環活動というのがポイントであり、だからこそ多くの方に採用されているのだなと思いました。誰かに自分事にしてもらう、というのは非常に難しいプロセスだと思います。他の単元において活動されている方々の中でも、やはりそこがネックになっている場合が多くありました。1点目で振りかえったように、私自身も他人の何かを自分事とするのはそう簡単ではなかった以上、他の人に対してというのはより難しい事だと思います。そのことを難しい、ですませずに、プロダクトの工夫や活動によって正面からむきあってらっしゃる姿に感銘を受けました。自分がなぜそれを自分事できるのか、したのか、どうすればできるのか。そしてそれを他人にも求める場合にはどうしたらよいのか。これらのことは今後も長く考えていかなければならないテーマだと感じました。

 お話と実際の体験の2つの中で、自分が考えていきたいテーマをいくつも見つけることができました。汗を流しながら様々なことを実感できた、とても貴重な時間でした。

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