【予習】国家単元

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◎事前課題に対する仮説

課題① 100人の村のルール
<自分で考えたもの>
人を殺してはならない
当人同士で解決できない争いは、リーダーの立ち会いのもと解決すること
最低でも月に一度全員で集まって村のことについて話すこと
会では全員の過半数で物事を決めること
・ルールを破り、過半数の人が罰を与えるべきだとしたならば、全体で罰を与える
・組(家族単位のような)をつくってもよいしつくらなくてもよい。組での救済が限界になったり、つくっていない人が困ったりしたら全員で少しずつわけて助けること
先祖の魂を敬い、尊ぶこと

 仮説の段階で私が考えたのは、「進歩は緩やかに」をモットーにした村である。原初的な農耕を中心とした生活の、進歩/進化に指向性を持たせない、現状維持を目指す村を私は考えた。まずこのような目標にしたのは、現状の社会を鑑みてである。現代社会にある様々な問題は、何か進化しよう、何か新しいモノを求めようとする動きによる弊害だと考えたため、なるべく現状維持を目指し、本当に必要な分野で本当に必要なときに少しずつ前に進んでいくような、そのような緩やかなスピードの村を理想として考えた。そのためルールには明記してないが、生きていく上で必要な労働以外は文化的な営みに注力するようにしたいと考えた。そうして技術な進歩から意識が逸れるようにし、便利ではないながらも精神的には豊かな村を想定した。
 ルールをつくる上で考えたのが、政治、司法、宗教で必要なものを最低限整えるということだ。政治の面では、100人全員が村のことを周知できるが、むやみに権力を占有させず、決定力は成員全体の意向にもたせるようにした。村のあり方としては現在あるような家族制度に頼っても頼らなくても生きていけるようにし、家族の持つ良い面を活かし悪い面を意図的に排除できるようにした。宗教面は非常に悩んだが、集団を動かしていくためには何か筋があるとうまくいくのではないかと思い、全員で尊ぶものをつくることにした。しかし、神や精霊が出てくるような物語的な宗教に頼ると、後々ほころびが生まれると考え、全員が根拠を持って行為として信仰することができるように、「先祖」を至上のものとする宗教観を採用することにした。

課題② 現代日本を振りかえって
 課題①を通して理想の村を考え、そこから現在の日本を鑑みると、かなり「前進」に意味を持たせた社会であるように感じた。それは私自身が就活をする中でも感じたことで、学生時代に何を経験してどう成長したかが求められ、会社でどうなっていきたいかをきちんと説明することが求められてきた。もちろん、社会全体の前進のおかげで豊かな生活を送ることができている部分も多くあるが、その中で逆に前時代的な生活の中に豊かさを見出す人々を多く見てきた。そして私自身も、緩やかなスピードの生活の中にある豊かさを実感してきた。前進のひずみから生まれてきた様々な生きづらさを考えたときに、課題①のような現代のモットーとは真逆とも言うべきスタンスの村を理想として考えた。

◎課題図書・資料・フィールドに触れて

▼課題図書「サピエンス全史/ユヴァル・ノア・ハラリ(著) 」
 本を読む中で、普段考えている視点がいかに狭められたものなのかということを実感させられた。本書の中でも書かれていたが、人間すらも元から単一でまとまっていた生物ではなく、他の生物同様、似た種族や仲間内での争いを経て、今の言葉で言う「人間」となったということが当に目から鱗の発見だった。今の私たちが何を考えるにしても、「私たち」という言葉の指す主体は四肢があり二足歩行する生物だが、それは決して初めから「今の私たち」だけであったわけではないと知り、視界が大きく広がったような気持ちになった。よく人間とその他生き物たちという比較がされることが多いが、人間すらも実はただ数が多いだけの種族の一種と考えることで、社会や自然を考える上でも視点は大きく変わるように感じた。
 その上でその「サピエンス族」という一つの種族がたどった歴史を、3つの革命という切り口で見ていく過程が新鮮でとても興味深かった。歴史を勉強してきた中で、どうしても我々が時間を経て良い方向に、良い方向にと進んできたようなイメージを抱きがちだが、農耕によって家畜化されたように、決してそれは絶対的に私たちにとって良い変化だけではなかったということに驚かされた。個人的に印象に残ったのは、歴史がどのような過程で今のようになってきたかの説明はできるが、なぜ他の可能性にいかずそれ「だけ」になったのかは説明できない、ということだ。どう歴史を歩んできたかが重視されることも多いが、たどることのできたはずの歴史の可能性を考えることも意味があることだというのは新たな気づきだった。全体を通して、今まで習ってきた様々な歴史に関する知識が別の角度からひっくり返されて、面白い気づきに溢れていたと感じた。


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