「どうして格差は消えないの?」
僕らが生きる社会について
正しく理解していますか?
泳ぎ方がわからないと溺れて死んでしまうように
この社会の姿を正しくわからないと
些細なことが大きな悩みになり
不安の中で生きる続けることになります。
これは、今まで見えずにいた本質に
目を向けるためのきっかけとなるお話です。
ご紹介する本は
「父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話」
です。
【格差社会が消えないのは】
この本は、とある女の子の疑問から始まります。
「ねえお父さん、どうして世界はこんなに豊かなのに
格差は消えないの?人間はバカなの?」
この本の著者であり、ギリシャの財務大臣を務める
そんなお父さんですら
娘さんを納得させる返答ができませんでした。
そこで描き上げたのがこの本。
娘さんの疑問に全力で応えた渾身の一冊、というワケです。
今回は、今まで経済の本で語られなかった
「経済の本質」をみていきましょう。
【イギリスvsアボリジニ】
「どうしてアボリジニが侵略される側だったのか?」
この問いを考えてみましょう。
そもそもイギリス人が優れているから?
遺伝子的にアボリジニが劣っているから?
いやいや、
その考え方をしているうちは
「賢い人がお金を稼ぐ」という考え方しかできず
正しい経済の本質が見えないよ、とお父さんは言います。
そしてこの、「強いor弱い」の概念を知るために
時代は経済の概念ができた時にさかのぼります。
経済が生まれたのは農耕が発達していった時でした。
自然に恵まれない地域、例えばイギリスでは
動物を狩り、植物を取って食べる
という生活が安定せず、
餓死する人々がたくさんいました。
そこで自然に頼り切らず、
自分たちで生産しようと考え、生まれたのが農耕です。
【余剰が作り出す文明】
そして農耕が可能にしたのが今回の主役、
「余剰」の生産です。
この「余剰」こそが
文明の全てを作り上げたんだ、と
このお父さんはアツく語ります。
生み出された「余剰」を記録するために
言語、文字が発達した。
「余剰」を交換し合うために
価値を保証してくれる存在が必要となり、
国家、社会が作り出された。
「余剰」を奪う人々を統制すべく
「神」という圧倒的脅威を軸に
宗教が発達した。
灌漑設備や農耕を栄えさせるために
テクノロジーが発展した。
余剰の不衛生な保存から
ウイルス、細菌の発達した。
ウイルスに対抗するために
医療が発展した。
と、このように
テクノロジーから宗教まで
全ては「余剰」を起点に生み出されました。
一方、アボリジニはどうだったでしょうか。
溢れんばかりの自然に恵まれ、
食べきれないほどの食物がありました。
要は、
実家にいてお母さんが毎日ご飯を作ってくれる状態です。
自分から積極的に生産しなくても勝手に食料がある。
だから農耕する必要なんてありませんでした。
環境、農耕、そして余剰の差こそ
「イギリスvsアボリジニ」における
イギリスの勝利の要因なのだ、
と著者は言います。
【僕らが向き合うべき問題】
「格差社会ができた理由」
この1つの点を突き詰めることで
人類は何を問題としていたのか、
何を必要としてきたのか、見えてきますよね。
このように
正しく本質と向き合ってこそ
正しい世界が見えてきます。
しかし僕ら学生は
どれだけ自分の生きる世界のことを
理解しているでしょうか。
というか、
どれだけ自分のことを
理解しているでしょうか。
マラソンにゴールが無かったら
苦痛でしかないように、
サッカーにゴールが無かったら
ゲームが成立しないように
大学生活のゴールだって
人生のゴールだってあるはずなのに
どれだけ目を向けて生きているでしょうか。
脳死して考えるのをやめる前に
自分で考え、話し合い
その中で自分に訪れる問題に
向き合っていく必要があるのではないでしょうか。
この記事を通して
物事の本質を理解し、考え、
話し合うことの大切さを
感じていただけたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました!