わがままで申し訳ない

お疲れ様です。
恩田からバトンをもらいました、岩城です。

「頼りになる」なんて言っていただきましたけど、僕もかなり後輩に頼っています。去年まで無職だった僕に比べ、今の2年生はちゃんと仕事をしていて偉いですよね。
なかでも恩田の仕事ぶりは高く評価しています。比較的やりがいを感じにくい仕事でも、黙々と確実にこなしてくれるところが信頼できます。信頼の証として、60代の会計に任命しました。年賀状作成だったりPando記事の対応の早さを見ていると、任命してよかったと感じます。これから更に責任が増しますが、組織を支える働きを来年も期待しています。

恩田の記事はこちら
https://pando.life/meigaku_archery/article/123507

ここにしかない景色!

恩田菜摘
明治学院大学体育会洋弓部




恐らくこれが最後の投稿になります。というわけで、遠慮せずに書きたいことを書かせていただきます。「主将業務が半分終わって」「なぜアーチェリーが好きなのか」「野望」、異例の3本立てです。
まとまりもないですし、長文になってしまいますがご容赦ください。



主将業務が半分終わって

この上なく楽しい半年間でした。
自分が掲げる理想を目指して組織をまとめることがここまで楽しいものだとは知りませんでした。課題解決のためにシステムを考えることも、そのシステムの効果が現れることも本当に楽しいです。

僕がお世話になった主将の先輩方はいろいろな苦労をされていたので、就任前は不安が大きかったです。部の雰囲気が悪くなったらどうしよう、弱い代になったらどうしよう、などの悩みは尽きませんでした。しかし、それらは全て杞憂で、夏ごろには不安はなくなっていました。「次は何をしよう」という前向きな気持ちだけが残っていたと思います。

これだけ楽しく過ごせたのは、部員と僕の相性が良かったからです。
僕は考えることは得意ですが協調性に欠けます。そんな僕のわがままや思いつきに、部員の皆さんが柔軟に対応してくれることが本当にありがたいです。ファミリー制度も、1軍・2軍制度も、2,000分プロジェクトも、皆さんの協力なしでは上手く機能しなかったでしょう。

特に幹部は、僕のエゴにたくさん付き合ってくれています。
夏合宿のレクが一番顕著でした。はっきり言ってレクなんてなんでもいいし、雑にクイズとか、去年の使いまわしとかでも文句を言われなかったと思います。それでも、僕がこだわってしまったせいで、3人でのミーティングは全然進みませんでした。最終的に僕が風呂場で思いついた企画を採用して、そのまま形にしましたが、お題を決めるのにも苦労することになります。組織の根幹に関わる決定ならまだしも、(たかが)レクにあそこまでの時間を奪ったことが申し訳ないです。余談になりますが、1軍・2軍制度について検討していたときも、話し合いが長引いて御園くんが終電を逃しました。申し訳ない限りです。

面倒に巻き込み、申し訳ない気持ちはありますが、間違ったことはしていないとも思っています。なぜかと言うと、組織をまとめるにはある程度の犠牲は必要だと考えているからです。そして、その犠牲は幹部、特に主将に背負う責任があると考えています。組織に課題があれば、自分の時間で解決策を模索するし、その手間を惜しまないようにするべきです。
2年前ぐらいは幼かったので練習をしない部員に苛立ちを覚えていましたが、現在はそんな幼い考え方はしません。どうしたら改善されるかだけを考えます。相手の気持ちを考えて、飴と鞭のバランスを崩さないように心掛けます。分かりやすい例は、「寒いし暗いから、遅い時間の自主練はしなくていい。代わりに家でプランクをしよう。」というスタンスの2,000分プロジェクトが”飴”で、「体育会だから実力主義は当然。文句があるなら上手くなれ。」というスタンスの1軍・2軍制度が”鞭”になります。
こういった制度を練って実施することのように、課題の原因を恨むのではなく、自分ができることを考え続ける責任が幹部にはあると最近になって気づきました。いわゆる「責任感」の正体にようやく気づけた次第です。60代の幹部もこうした責任感をもって、部の運営に取り組んでほしいと思っています。



なぜアーチェリーが好きなのか

僕が2年前から書きたかったテーマです。
本当に自己満足的な内容なので、飛ばして下さって構いません。

「アーチェリーのどこが一番好きですか?」と聞かれても、答えるのはとても難しいです。好きな要素はいくつも挙げられますが、そのどれもが等しく大切で、それを兼ねているところが好きなので。
ですので、今回は1つに絞らず、好きな要素をひたすらリストアップしたいと思います。

① セッティング・チューニング
最初に思いつくのは弓具への愛着です。ハンドル、リム、スタビライザーはもちろんですが、グリップ、ベイン、セッティング・・・挙げればキリがないほど、自分の弓具にはこだわっています。未だにこれ以上カッコいい弓を見たことはないですし、それを1年生の頃から狙えている自分を褒めたいです。
こだわりポイントを記事に書かずに引退するわけにはいかないので、オタクトークになりますが、全て公開させていただければと思います。

最初にCX7のレッドに一目惚れしたのが始まりです。
鮮やかな赤に黒のライン、マットカーボンの質感と無駄のないシンプルなフォルム、とにかく見た目が気に入って購入を決めました。CX7のレッドをベースに、リムやスタビライザーなどのパーツを選んでいます。性能的なランクで言うと、MXT-10とS21は最高クラスですが、CX7は標準的です。それでも、私のセットでは彼が主役です。そのため、自分の弓の話をするときはすべてのパーツをまとめて「CX7」と呼んでいます。

主役はCX7ですが、ほかのパーツにもこだわりがあります。
リムは、色の組み合わせからNS-GのウッドコアとMXT-10のフォームコアとで悩みましたが、MXT-10のつや消し感と、赤いラインがCX7に合っていると考え、MXT-10に決めました。

スタビライザーにはもっとこだわりがあります。
まず、S21を選んだ理由ですが、S21はセンターロッド、サイドロッド、エクステンダーロッドに加えて、Vバーもラインナップされています。同じWIAWISのハイエンドスタビライザーである、ACS-EL、ACS15には、専用のVバーがありません。そのためS21には、ほかのスタビライザーにはない統一感があります。続いて、カラーの選び方ですが、センターロッドはレッドで、サイドロッド、エクステンダーロッド、Vバーはカーボンマットです。センターロッド以外もレッドにすることは可能でしたが、色のバランスを考慮して、敢えてカーボンマットにしました。これにより、赤が主張しすぎない絶妙なバランスになりました。

その他のパーツですが、クリッカー、レストはブラック、サイト、プランジャーはレッドにしました。
ハンドルの自分側の側面に取り付けるパーツは黒、外側に付けるパーツは赤です。これにより、ハンドルを自分側から見ると鮮やかな赤の上の黒が締まって見え、反対から見ると赤が全面に押し出されています。

ベインはGASPRO XーSHIELDのホワイトレッドです。
はじめはブラックシルバーのデザインが好きで買いました。その後、性能面とコストパフォーマンスを考えてスピンベインのホワイトにしていた時期もありましたが、点数も出ず、つまらないデザインだったのでXーSHIELDに戻しました。SHも70mWもXーSHIELDで自己ベストを更新しているので、恐らくXーSHIELDのほうが合っているのだと思います。

ここまでデザインを中心にお話しましたが、性能で選んだパーツもあります。
例えば、ダンパーはセンターとサイドにAボムをつけています。昔はWIAWISのマルチダンパーのデザインが気に入っていましたが、性能面を考えてAボムに買い直しました。

ウェイトはS Noirを前に8オンスで、サイドにS21ウェイトのフラット抜きです。
押し手主導で射っているので、前を重くして強気で攻めていくスタイルにしています。マルチダンパーはカウンターにウェイト無しで付けています。アッパーに2オンス加えて積んでいたこともありましたが、重くなるのを避けたかったのと、全盛期の真似でカウンターに落ち着きました。かなり試行錯誤してたどり着いたセッティングなので、満足感もありますし、射っていて違和感が全くないです。

また、グリップは渋谷アーチェリーのCTK−3を使っています。
1年生の3月にWINの純正グリップに違和感を覚えてから先輩やショップの方に試させていただき、理想のグリップを探しました。純正グリップはどうも角度が急で、変に前のめりになってしまうのを改善したかったです。もっと平たくベッタリと押したかったので、ふくらみがあって、面積の広いグリップを探していました。CTK−3は形状が完璧で、違和感が解消されるグリップでしたが、木製しか販売されておらず、ハンドルに装着すると茶色が目立ってしまいます。それでもあまりに理想的な形状だったので、ここだけはデザイン面で妥協してでも性能を優先したいと思いました。結果的にグリップテープを巻いたことで、茶色は目立っておらず、今では見た目も感触も違和感がありません。
このように、デザインに強いこだわりを持つ自分が、デザインを捨ててでも性能を優先することがあるのは、競技への情熱が垣間見えていますし、それがCX7のカッコよさでもあります。

セッティングにこだわりがありますが、チューニングもかなり好きです。
ハイトを合わせたり、ベアシャフトチューニングはもちろんですが、弦の手入れだったり、矢の加工も自分でやりたくなってしまいます。几帳面な性格なので、引きそろえて、巻いて、伸ばして、ワックスを塗って、無駄なものを落として、キレイにノッキングポイントを作った弦でベアシャフトチューニングをすること自体が楽しいです。切って、ポイントを入れて、ピンも入れて、ノックを付けて、ベインを貼るひとつひとつの作業が、アーチェリーを理解することに繋がっている感覚も好きです。
他の人がめんどくさがる点で妥協をしないことが、今の点数を出せていることの一つの要因だと思います。

② 責任が自分にある
2つ目の要素は、結果の責任が全て自分にあるところです。
天候は例外ですが、XもMも自分の実力です。他のスポーツだと、自分がどれだけ上手くやっても、相手に阻まれたりします。100%を出しても、結果として失点に繋がることがあります。
それに対して、アーチェリーは全ての成功も失敗も自分に依存するところが好きです。自分が上手くできれば満点も狙えるし、甘さや妥協があれば容赦なく失点します。
良くも悪くも、自分の行動が結果に反映されやすい競技だと思います。

③ 上達のプロセス
点数を伸ばすにはいろいろな道があると考えています。
人によって考え方は違いますが、自分に合った上手くなり方を知っておく必要はあります。
僕の場合、練習の量が4割、考えることが4割、セッティング・チューニングが1割、残り1割は運で構成されているイメージです。恐らく、他の人より考えることの比重が大きいと思います。練習の質と言い換えることができるかもしれません。
前述したように僕は考えることが得意で、その強みを活かしたアーチェリーをしています。人一倍深く考えて、トライ&エラーを増やすことで上達してきたつもりです。
この考えて上達するスタイルが自分の性格にも合っていて、考えている時間も含めて楽しいです。

④ スコアで実力が図れる
僕はアーチェリーの前に6種目ぐらいのスポーツをやっていましたが、スコアで実力が図れるスポーツは初めてになります。他の競技は得点を競ったり、第三者に審査されるようなものだったので、アーチェリーは新鮮に感じました。
スコアで実力が図れると、格上・格下がはっきり分かるのでやりやすいと感じています。自分より上手い選手との差が分かるし、点数帯に合わせて指導もしてもらいやすいです。
自分のなかでも、調子の良し悪しや、実力の向上などを実感しやすいのがモチベーションに繋がっていると思います。

⑤ 自分は才能がある方だった
高慢に聞こえてしまうかもしれませんが、自分にはセンスがあるという自負があります。
先ほどの話と重なりますが、点数で証明ができるため、間違った考え方ではないはずです。明学の洋弓部で育った選手のなかで僕よりも自己ベストが高い人が数年間いないことが証明になると思います。
アーチェリーは残酷で、才能がある人が圧倒的に有利です。経験値や弓具の性能も簡単にひっくり返ります。もし、自分がひっくり返される側だったら、ここまでアーチェリーを好きになっていなかったでしょう。
自分の努力を否定するわけではありませんが、自分の才能があればもっと上手くなれると信じています。最高学年とはいえまだ3年間もやっていないので、もっと貪欲に点数を狙いながら残りの半年を過ごしたいです。

⑥ 当たる感覚が好き
最後にとても単純な理由ですが、的に当てる一連の流れが好きです。
射線に入ってからの心の使い方、集中のスイッチを入れる瞬間、感覚的に中心を捉えること、放った矢がイメージどおりの軌道を描くこと、的中の音、全ての工程が気持ちいいスポーツだと感じています。「力いっぱい」というよりクールに射つ感じや、スピードでごまかさず、深い集中が要求されるシビアさに惹かれます。ごまかしが効かない分、プレッシャーを正面から受け止めなくてはいけないタフさも必要です。
それらを全て乗り越えるのが難しいからこそ、成功の嬉しさが他のスポーツよりも大きいと思っています。不安定さを克服する快感がこのスポーツの醍醐味と言えるかもしれません。



野望

「野望」というと大げさですが、運営する上での理念について書きたいと思います。

端的に言えば、「洋弓部の活動を通して、部員に幸せになってほしい。」というのが理念です。
幸せの種類はなんでもいいです。アーチェリーが上手くなること、熱中する楽しさに気づくこと、成功体験を積むこと、業務で得たものが将来に活きること、大切な友人ができること、思い出に残る時間になること・・・本当になんでもいいです。少しでもいいから、洋弓部に所属する意味を見出してほしいと思って運営しています。

体育会ではありますが、楽しく参加することが悪いことだとは思いません。全員が競争を好む訳ではないですし、人には向き不向きがあります。点数を出す人もいれば、仕事で貢献する人もいるし、雰囲気を良くしてくれる人もいる。そういった寛容さがあっていいと思っています。

僕がそう考えるのは、強いチームを作りたいからに他なりません。
男子はほとんど2部にいて、女子は毎年1部から落ちそうになっている、そんなチームが強豪校や伝統校の真似をしても意味がないと思っています。一昨年が良い例です。強くもないのに、厳しい風習だけが残っている状態です。鍵のミスで夜にミーティングが開かれる、ウォッチを間違えただけで必要以上の注意を受ける、LINEグループで突然先輩からのお気持ち表明をぶつけられる、実力がないことを指摘しただけで部外職に任命されるなど、挙げればキリがありません。
結局まとまりのないチームができて、先輩はろくな点数も出せないで引退する。そんなチームは作りたくないです。実力がないことを認め、身の丈に合った雰囲気で活動しなくては、足並みが揃わないと思っています。

足並みが揃ってようやくスタートラインに立てます。
あとは個々人のモチベーションを管理すれば自然と強いチームが完成します。モチベーションの管理方法はざっくり言えば飴と鞭です。序盤に書いたように、バランスを意識しながら、部に対しての集中が途切れない制度を追加しています。10月がファミリー制度、11月が1軍・2軍制度、12月は2,000分プロジェクトと、定期的に新しい発表があったのはそのためです。
それに加え、アーチェリーに集中できる環境整備にも取り組んでいます。らくらく連絡網の廃止、リーダーシップセミナーの形式の変更、合宿のセレモニーでの校歌斉唱の廃止、前半と後半の間に3分の休憩を設ける、フリー練の回数を数えなくても良いようにするなどです。多くの文化を59代で改善できたと思います。

以上のように、誰にとっても居心地の良い場所にしたいと思って運営しています。
そういった努力が実を結んで、部員が熱心に取り組んでくれているのを見ると、本当に嬉しくなります。主将の最も大きなやりがいです。





どなたでも閲覧できる場所で書くべきことではありませんが、僕は2代上が好きではありません。
先ほどの文章から伝わったかもしれませんが、実力がないのに厳しくて、どこかギクシャクしていたからです。それに加え、僕の考え方を強く否定し、部外職に任命したことも未だに根に持っています。

僕が運営に意欲的なのは、どちらが正しかったかを証明するためだと感じます。57代と59代のどちらが優れているかで決着がつきます。実力と雰囲気が共に優れた代を作り、自分の考え方が間違っていないことを確認したいです。
取り組んでいる内容自体に問題はないと思います。チームを強くする取り組みは絶対に正しいからです。ただ、部員を巻き込んで、自らの正しさを証明しようとしていることに関しては、本当にわがままで申し訳ないと思っています。



最後の投稿ということで、書きたいことは全て書かせていただきました。自分でも想像以上の長文になってしまい、投稿が遅くなってすみません。卒業論文のドラフトを超える文字数に驚いています。

次は御園くんです。
最近は主務の業務に安定感が出てきて安心しています。ただ、欲を言えば僕なんか抜かしてエースになってほしいですね。
お互いに去年のような面白さはありませんが、おかげで安定した活動ができています。制度を考える上でもたくさん付き合っていただきました。
あと半年ぐらいですが、これからもよろしくお願いします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
失礼します。

記事リレーⅣ
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