一人ひとりの「やってみたい」を尊重する文化  中原社長が語る麺食の未来と可能性

みんなで輝くことが、一人ひとりのより大きなやりがいにつながる


―はじめに、麺食で働く魅力を教えていただけますか?

中原まず、商品自体にものすごく力があると思います。50店舗を超えるチェーン店だと、どうしても工場で作ったものを電子レンジで温めて提供することが多いのですが、僕らの場合は手作りを大切にしています。今でもチャーシューは店内で手作りしていますし、他の業態でもその方式を守っているのはわが社の強みであり、誇りです。出来合いのものではなく、みんなで一生懸命頑張って提供したものに対するお客様の「おいしかったよ」は、より強く心に響きますし、達成感がありますよね。

―これまで働いてきた中で、中原社長自身の印象的なエピソードを教えてください。

中原:僕は飲食業界に入る前、銀行員とかコンサルとか、いわゆるホワイトカラーの仕事をしていました。そのためか、この業界に入って初めてチームワークの大切さを学びましたね。最初は席数が300くらいある大きなレストランで働いていたのですが、そのときにはまだ自分が輝きたい、プレーヤーとして主役でいたい、という思いが強かったんです。それで当時の上司から「自分ひとりでエクスタシーを感じているだろう」と指摘されたことがあって。「お前はリーダーなんだから、みんなが一生懸命働ける状態を作って、みんなのエクスタシーが自分のエクスタシーになる状態にしたほうが何倍も気持ちいいよ」と言われました。当時の僕はよく理解できていませんでしたが、新人の子たちを育てていくうちに、少しずつそれがわかってきて。しばらく続けていると、ある日、その瞬間が来たんですよね。店全体を眺めた時に、それはもう、映画かドラマのように、スタッフ全員がそれぞれの持ち場でイキイキと働いていたのです。そのとき、今まで感じたことのない大きな達成感と喜びを感じたのを、よく覚えています。自分が単独で活躍していた時とは桁違いでしたね。「チームで働けて、すごくよかったな」と思いました。 

―いろいろな経験をされた中で、今麺食で働いているみなさんに意識してもらいたいことはありますか?

中原
印象的なエピソードとつながってきますが、みんなで一緒に働いているんだということをぜひ忘れないでほしいですね。例えば接客スタッフの場合、どうしても毎日聞くお客様からの「ありがとう」に慣れていってしまいがちですが、それは決して自分ひとりだけに向けられた「ありがとう」ではなくて、スタッフみんなに対する「ありがとう」ですからね。みんなでお客様に価値提供していることを意識してみて欲しいです。

あともうひとつ、「当事者意識を持とう」とはよく言っていますね。僕らのやっている事業って、正しく一生懸命やっていれば、必ずお客様も僕らもみんながハッピーになれる仕事です。これってとても幸せなこと。自分事と捉えて、どうやったらより良くなるか?と積極的に動いていただきたいですね。
そんな当事者意識を持った人の集団になれれば、きっと会社の雰囲気はより良くなりますし、今後何十年もお客様から支持される会社になれるのではと期待しています。

「やってみたい」を大切にできる会社に


―中原社長自身が仕事をする上で大切にしていることを教えてください。

中原:単純かもしれませんが、「一生懸命やる」ことですね。これは仕事の場面というよりも、子供の頃からの意識している「信念」みたいなものです。やはり怠慢とか慣れとかで手を抜いているとお客様や周りにも伝わって、不快な気持ちにさせてしまいます。反対に言えば、本当に一生懸命やっていたら、たとえ多少不手際があっても気持ちが伝わって許されることもある。これは愛情の問題だと思うんですよね。だから愛情を込めて、一生懸命取り組めば、周りからの協力も得られるし、結果的に自分の成長にもつながって、いいことずくめになるはずです。ですから、とにかく「一生懸命やること」は常に意識をするようにしています。 

―今後はどのような会社にしていきたいですか?

中原:最終的には、「やりたいことをやりたい人がやれる会社」になっていくのが理想ですね。麺食が初めてアメリカに出店することになったとき、悩みに悩んで店長を立候補制で決めました。4人が立候補してくれて、最終的に20代の社員に決まったのですが、英語が全く話せない社員だったので、とにかく大変でした。普通だったら、投げ出したくなるようなトラブルもたくさん起きたんです。ですが、彼はまったくめげない気の強い人で、いつもなんとか乗り切っていて。最終的に4、5年アメリカで頑張ってくれました。その姿を見て、「やりたい!という意欲がある人間は強いな」と目の当たりにしましたね。それも一つのきっかけで、本当にやりたいことがあるんだったら、やらせてあげられる環境にしてあげなければなと思ったんです。だから将来、僕が社長を降りる時期がきて、次の社長を立候補で決めるとなったとしたら、たくさん手が挙がる会社が理想です。「社長やりたい、やらしてくれ」って言われるような状態にできたら最高ですね。

あとは、ハイブリッドな会社にしていきたいです。トップダウンにすべきか、ボトムアップにすべきか、会社の体制で悩んだことがあるのですが、最近はどちらか一方にすることにこだわらず、どちらも大切な場面はあるな、と気づきまして。お店のことや商品そのものについては、誰よりも理解できている店舗スタッフに背中を預ける。一方で、どこの国に出店するか、ですとか、大枠の方針は僕が決めて、きちんと伝えていかないといけない。麺食はとても強い商品を持っているので、その素晴らしさをきちんと外に伝える、そういった部分はもっと強化していきたいですね。会社はみんなで一つのチームですから役割分担が大切だと思っていて、そういった部分は僕ももっと発信していきたいと考えています。

どんな人も大歓迎!やりたいことにチャレンジできる職場


―麺食にはどのような人が多いのでしょうか?

中原:30年以上続いている飲食店ってなかなかないんですよね。だから、本当にいろいろな人がいます。それこそ創業当時から働いている方もいますが、そろそろ定年を迎える方も多くて。そういう方は先代が築いた素晴らしい文化がしっかり染み込んでいます。僕が社長になってからは文化を時代に合ったものに徐々に融合させていっているので、最近は採用でもカラーの違う人を入れ混ぜるようにもしています。世の中的に、外国人の方も増えていますしね。 

―これからどんな人に来て欲しいと思っていますか?

中原もちろん、やりたいことがあってきてくれる、というのが理想的ですが、やりたいことがなくて迷っている方もいっぱいいるはずなんです。そもそもやりたいことが見つからないという方もいるでしょうし。そういう方達に対して、一生懸命頑張れる場所をきちんと用意してあげる。そして、仲間になった暁には、自分なりの仕事のやりがいや楽しさを見つけていってほしいですね。
麺食に転職してきた社員の中には、元々海外で仕事したくて、前の職場で働いていた方がいます。あるとき突然、その会社が海外進出を辞めてしまって、夢がなくなってしまったんです。その話を聞いた私は、麺食が海外展開していることを伝えて、誘いました。その社員は今アメリカでエリアマネージャーをしながら活躍しています。そういう例もあるのです。接客だけではなくて、いろいろな仕事がありますから、「とりあえず飛び込んで来てください」とお伝えしたいですね。チーム全員で、来るもの拒まずの姿勢でお待ちしています。 


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