今回のテーマは医療者の情報発信について。
最近、新型コロナウイルスに関するニュースを毎日耳にしますよね。誰かに会うと必ず話題にあがります。そしてたまに聞かれるのが、
「医学部的には、どう思っているの?」
という言葉。これは本当に個人的な意見なのですが、
正直、答えたくない。
なぜなら、相手は「医学生」としての私に聞いているからです。
医学部に通ってはいるけど、自分でも調べてはいるけど、医学知識はまだまだどころじゃないし、何より医療って、一般的に考えられているほど白黒つけられるものじゃないんです。特に新型コロナウイルスは、新しい事実がどんどん更新されていますし…。
「医学の不確実性」という言葉があります。簡単に言えば、医学はこれをすれば絶対治ります!みたいな100%信頼できるものではないということです。だからマスクしてれば大丈夫なんて言えないし、これさえしておけばOKということもないです。
でも世の中には医学部とか医療者への漠然とした信頼感があって。個人的に、医学部ですって自己紹介した後、医学生として周りの人に見られることを重いな、って思うときがあります。特に医学の話をするときはなおさら。
ただ、医学に絶対はないとはいえ、根拠やデータのない間違った医療情報を信じてしまう人がいるのは問題です。間違った医療情報が拡散されてしまうのは、
- 医療情報は複雑で詳しく説明すると分かりにくくなってしまったり、
- 医療者は情報発信のスキルを学ぶ場がなかったりして、
→インパクトがあり分かりやすい情報を患者さんが信じてしまう
というのもあると思いますが、やはり医療者が医療者としての立場で個人的に情報発信することが難しいことも1つの理由ではないかと思います。
信頼できる情報をどうやって提供するか、患者さん自身にも情報を鵜呑みにせず考えてもらうにはどうすればよいのか、考えていかないと…と思っています。
今日はこの辺で。
なるほど…デマが流れても「医学を学んだ人」というバイアスが重いから、なんとも発信しにくいわけか…。ジレンマだね