今回の記事では、「難民」とは一体何者なのかということについてお伝えします。
私たち One Stepのビジョンが「食を通して、日本に逃れてきた難民の方が暮らしやすい社会を実現すること」とありますが、そもそも「難民」とは一体どういう方々のことを指すのでしょうか?
まず初めに、難民と聞いてどういう人を思い浮かびますか?
多くの方々はサムネイル画像のような方々を思い浮かべるかと思います。
実態として、日本では、「ネットカフェ難民」「買い物難民」...といった「○○難民」という言葉を容易に用いられます。
しかし、「難民」という言葉にはちゃんとした定義があります。
1951年に国連総会で採択された「難民の地位に関する条約」によれば、「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れた」人々を指しており、一般的には上記の定義が使われています。日本政府もこれの定義に沿って難民認定のプロセスを行っています。
しかし、2011年のシリア内戦以降では、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は上記の定義に加えて、「政治的な迫害のほか、武力紛争や人権侵害などを逃れるために国境を越えて他国に庇護を求めた人々(※1)」のことを指すようになっています。
2011年以降、ヨーロッパ難民危機、ロヒンギャ難民/ロヒンギャ問題といった問題に加え、2018年に国連総会で難民に関するグローバル・コンパクトが採択され、今や難民問題は国際社会における大規模な国際問題の1つとされています。
では、日本ではどうなのでしょうか?
さて、ここでクイズです。
Q.昨年,2019年度では何人の難民の方を日本は認定したでしょうか?
1.106人
2.44人
3.18人
正解は...
2の44人です。
それでは、2005年から2019年の間で日本がどのくらいの難民を受け入れてきたのかを添付されているグラフ画像を見てみましょう。
グラフ画像を見てみるとよく分かるのが、難民申請者が増えていく一方で、難民として認定される方々の人数が増えていない、ということです。
他の先進国と比べると、極めて少ないのが現状です。
さて、今回はここで終わりにします。
今回は基本的な情報しか提供できていませんが、難民問題は知れば知るほど深いですよ。
こちらの投稿を見てくれている皆さんもぜひ読書や検索を通じて知識を深めてみましょう。
※1:https://www.unhcr.org/jp/より引用
【参考サイト/資料】
UNHCR 日本 [https://www.unhcr.org/jp/]
難民支援協会(JAR) 公式サイト [https://www.refugee.or.jp/]
墓田桂,『難民問題』,中央公論新社,2016年
滝澤三郎,『世界の難民をたすける30の方法』,合同出版,2018年
小泉康一,『「難民」をどう捉えるか 難民・強制移動研究の理論と方法』,慶應義塾大学出版株式会社,2019年