大学1・2年生の皆さんへ ~私が語学留学から学んだこと~

私は大学2年生を終了後、1,2年ほど前、ちょうどコロナが世界を襲う前にオーストラリアに一年間留学をしました。

本日は私が体験した留学話をもとに大学1,2年生の皆さんに何か伝えられることをここに記したいと思います。

 

トピック1:私が語学留学をすることを決めた理由

 

私は愛知県の田舎で生まれ育ちました。大学では首都圏にある大学に進学し、都会のもっと大きな世界を見たいと思い、必死に受験勉強をして無事現在通っている横浜にある大学に進学することができました。しかし、実際に大学に通ってみると、確かに楽しい日々ではありましたが、バイトと授業と遊びだけを日々こなすようなどちらかというと平坦で新鮮味の無い毎日を過ごしていました。期待していたような新しいことに満ちた充実した日々ではなく、「時間」を「お金」に変えるような同じことを繰り返すバイトとの日々にだんだんと嫌気がさし、自分の人生の目標や生き方、さらには「自分には何か長所があるだろうか…」と悩むようになりました。そこで思い切って留学をすることで環境をガラリと変え新しいことに挑戦しようという決断をしました。「長所が無いなら、作りに行く」という強い意気込みを持って、日本を発ちました。

 

 

トピック2:語学留学の中で、苦戦したこと。どのように乗り越えたか

 

無事に留学先のオーストラリアに行くことができ、待っていたのは本当に素晴らしい日々でした。「英語上達」という明確な目標のもと、新しい世界で、新しい仲間と、新しい日々を過ごすことにとても充実感に満ち溢れていました。

しかし、もちろん困難なことにも出会いました。

私は留学費用を賄うため、出発前から決めていた一部の金額を留学先のバイトで稼ぐという計画がありました。到着2,3ヶ月後のオーストラリアに馴染み始めた頃から早速バイト探しを始めましたが、なかなか見つかりません。実は驚くことに、オーストラリアでのバイト探しは、日本のようにネットや電話を用いて探すのとは違い、一軒一軒店舗を回り直接履歴書を経営者に手渡しして行います。数十軒の店舗を回りましたが、どれも雇ってはもらえず、たまたま知り合った日本人男性にバイト先を紹介してもらい、なんとか日本食レストランで働かせてもらえることになりました。「朝早くから語学留学に通い、学校から帰宅した後にすぐバイト先に向かう、バイト先で日にちが変わるまで働いた後、帰宅し夕飯を食べ就寝する。」この日々の繰り返しで睡眠不足はもちろん、覚えることが多いバイトでの精神的・肉体的疲労感によって本来の目的である英語の勉強や授業に集中できなくなってしまうようになりました。せっかく海外にいるのに、一日の半分を、日本語を主に用いるバイト先で過ごしているという現状に苦しみながらも、費用を稼ぎたいという思いや、やり始めたことを途中で投げ出すことはできないという重いから、苦しい日々が続くようになりました。結局、「本来の目的を大事にしたい」という思いからバイトを辞めることになりましたが、バイトを辞めるまでに、親を始め、友達など沢山の人に相談し、温かい言葉をもらいました。改めて日々支えてくれている人達に大きな感謝の気持ちを持ちました。

この経験から、帰国後の今では時間をどのように使うべきか、また自分の容量をしっかりと把握してから物事に取り組むようになりました。また、現在お世話になっているバイト先の企業や秀實社には自分の優先したいことや希望を積極的に伝え、ご協力をいただくようにしています。「自分自身を把握すること」「人を頼ること」「無理だと思ったら辞めることも必要」ということを学びました。

 

 

トピック3:オーストラリアの船の上のカフェで接客のインターンをする中で、学んだこと

 

1年間の留学の集大成として、1ヶ月間船の中でのインターンを経験しました。具体的な仕事内容は、船の出航準備から掃除などの労働作業に加え、船上にあるカフェでの接客を主に担当させてもらいました。それまでは、語学学校やイベントなど、守られた空間で英語を話していただけであったため、公共の場のお仕事として英語を話すとなると、「話し方」「ネイティブのイントネーション」など普段とは違う言い回しや、しっかりと誰にでも通じる発音で会話をする必要があります。不安と緊張が混じりながらも、他のオーストラリア人のスタッフに助けてもらいながら、なんとか仕事に慣れていきました。同じ船で働くスタッフは、私以外は全員オーストラリア人のため、英語でのやりとりが基本です。彼らやお客さんの優しさと辛抱強さに大いに助けられました。

私がここから学んだ一番大事なことは、英語での接客スキルではなく、接客で一番大事なことは「笑顔や愛嬌」であるということです。始めの方はわからないことが多く、「自身のない顔」や「申し訳ない気持ち」で接客を行なっていました。しかしそれでは楽しく仕事をすることや、前向きな気持ちで接客に望めません。日本では「お客様は神様」という文化が根付いていますが、海外では基本的に「お客様=店側」の関係です。私自身が店員として責任感や向上心を持って仕事に取り組むことはもちろんですが、お客さんに助けてもらったりして成長していくことに引け目を感じる必要はないのだと考え直しました。次第に自信を持って接客をすることができるようになりました。失敗しても、迷惑をかけても、「笑顔でthank you を言う」と言うことを心掛けたら、自然にお客さん側から物事を教えてくださることや、笑顔がいいねと褒められるようになり、私自身とても働きやすくなりました。日本に帰ってからも、この「笑顔や愛嬌」はとても大事にしています。「笑顔や愛嬌」はお客様との関係を深める効果がある以上に、自分に「自信」をつけてあげることに最適ではないでしょうか。

 

 

 

トピック4:塾講師として中高生に英語を教えることにおいて、私が大切にしていること

帰国後で行なっているバイトの一つとして「塾講師」をしています。私の担当は中高生に英語を教えることです。中学や高校の「英語」と考えると、文法や単語など覚えるものが多いものと捉えてしまいがちですが、彼らには、英語はあくまで「会話の手段」であると伝えるようにしています。私自身、海外留学に行き、英語で多くの海外の人々と話すことで数えきれないほどの新しい出会いや発見、思い出が出来ました。英語を話すということは、出会いを増やすということです。中高生の英語学習は「机の上でする勉強」という側面が強くあることは確かです。しかし、それらの学習はいつか見知らぬ世界の扉を開くことにつながっているかもしれない…という前向きな気持ちを持って生徒達と楽しく英語を学べるように日々努力しています。

 

 

トピック5:語学留学経験を、今後の人生にどのように活かしていくか

海外留学で得た知識や経験はかけがいのないものです。

新しいことへの挑戦で得た「成長」は私を知らない世界や出会ったことのない私に導いてくれます。たくさんの人々からもらった優しさを、今度は私が誰かに与えられるようになる番です。

「新しい世界」に飛び込んでいくことの高揚感や、「人々の優しさ」に触れた感動や温かさを忘れずに、これからの人生に活かしていきたいと思います。