前期講義で学んだこと

気がついたら7月が終わり、大学も夏休みに入っていました…
私は4回生なので受けた講義といったら語学くらいなものなのですが、今期はゼミの園長として研究発表を行いました!
今回は、私の研究していることについて少しお話ししますね。

私は「狂言風オペラ」という芸能について研究をしています。
これは、モーツァルトのオペラ作品を狂言風に演じる芸能です。
「歌のないオペラ」とも呼ばれ、オペラを構成する全ての歌が狂言風の台詞に変えられており、そこに管楽八重奏が彩りを加えています。
この音楽はモーツァルトの時代に編曲されたもので、オペラの雰囲気をそのまま味わうことができます。

発祥した国も時代も異なる狂言とオペラが掛け合わさっている「狂言風オペラ」。
一見交わらないと思われる芸能ですが、実は様々な共通点が見られます。
「狂言」と聞くと、「古典芸能だから難しそう、敷居が高い」と思う人もいるかもしれませんが、実は当時の庶民の生活を滑稽に描いたものなので、現代の私たちにとっても身近なジャンルなんです!
また、狂言風オペラの題材となっているオペラ・ブッファと呼ばれるジャンルは、庶民を主人公とした日常的なテーマを扱った喜劇です。
つまり、両者共に庶民たちが活躍し、権力者や尊大な人物が風刺の対象となる物語の中で、ずる賢さや貪欲さ、愛の力といった人間の性質が描かれている芸能です。

一方で、狂言風オペラにしかない魅力もあります。その一つが物語の単純さです。
オペラでは約3時間という上演時間の中で、さまざまな登場人物たちが巧妙に絡み合いながら物語が進んで行いきます。
しかし、狂言風オペラでは登場人物や物語が省略され、約1時間半という短さで簡潔に物語が進んで行いきます。
オペラだと複雑で難しいという人でも、わかりやすくて楽しめるのが狂言風オペラなんです!

コロナの影響でどうなるかわかりませんが、2021年の3月にも狂言風オペラが全国各地で上演される予定なので、気になった方はチェックしてみてくださいね!