第二回おうち dé わっかそん

今回は前回の第一回から二月ほどたった七月に開催された第二回おうち dé わっかそんの模様をお伝えしたいと思います!!

イベントの概要

「第2回おうち dé わっかそん」は、コロナ禍の影響で、前回に引き続きオンラインでのイベントになりました。ビデオ通話特有の疲労を考慮に入れた結果、今回も3時間30分という時間設定で行うこととなりました。また、初対面の壁を崩して話し合いを活発に進めるべく、運営メンバーをメンターとして各グループに置いてイベントを行いました。

テーマについては、協賛してくださったNPO法人ローカルデザインネットワークさまとの話し合いの結果、

アフターコロナツーリズム@東伊豆

でアイデアソンを行いました。現在壊滅的なダメージを受けている旅行業界が、コロナ禍をどう乗り越えていけばいいのか、まさに切迫した重要な課題だったのではないかと思います。このあとで紹介するアイデアもこのテーマに沿ったものなので、頭の片隅に置いて読み進めてください。

今回はオンラインの利点を活かし、東伊豆に関わりのない方からもたくさんのご参加をいただきました。そのため、東伊豆の現状や観光資源に関わるインプットをあらかじめ済ませるべく、協賛の方に事前資料を作成いただきました。事前資料では、食や観光スポットをはじめとする東伊豆の魅力から、地域の産業構造や抱えている課題まで、網羅的な情報を提供していただきました。


今回参加した高校生の一部は、協賛のLDNさまが運営されている「EAST DOCK」から参加してくれました。

アイスブレイク

わっかそんのイベントでは、初対面の人が打ち解けて話すことができるように、アイスブレイクを行うようにしています。簡単なゲームのようなものですね。

今回のアイスブレイクは、班対抗で『アキネーターゲーム』を行いました。このアキネーターゲームですが、ルールは簡単。司会者(運営メンターが務めました)に「Yes」か「No」で答えられる質問をして、司会者のみが知っているお題を当てるというものです。私の大好きな霜降り明星さんのYouTube*4から、パクら拝借させていただきました!

しかし!私たちのアイスブレイクはこれにとどまりません。今回設けた特別ルールは…「質問をする前に必ず自分について一言紹介する」というものです。例えば、「僕は高校のとき30通のラブレターをもらいました。お題の人はジャニーズに入っていますか?」みたいな調子です。この追加ルールによって、

  • 参加者同士がおのおのの情報(しかも、かなりくだけた、ひととなりがわかるもの)を知ることができること
  • 「お題に関する質問」と「自己紹介」を同時に急いで考えないといけないので、必然的にかなりカオスな、砕けた場になること

を見込んでいました。

実際に私がメンターをした班は、テンポよく答えに迫っていき、その過程でワイワイ発言する雰囲気を作れたと感じています。

ただ一点、改善の余地がある点として、このゲームが「相互交流」を生まないゲームであったことに気づきました。つまり、このゲームは”質問者”と”司会者”の”一問一答”の構図を持っており、周りの人がそのやりとりに入っていきづらいという構造的な問題があったということです。質問者がせっかく自己紹介してくれても、その話題を参加者どうしで広げていくことは(ゲームの途中には)できません。

今回の経験から、アイスブレイクに用いるゲームには

  • 自分のパーソナルな情報を開示できること
  • 参加者の全員が、それぞれ言葉を交わすことができること

の2点が必要であると認識しました。そう考えると前回の『オンラインしりとり』は結構優秀だったのかも。。。次回以降のイベントで活かしていきます。

イデアソン本編

本編のアイデアソンの時間。テーマである「アフターコロナツーリズム@東伊豆」に沿って、多くの班は「アフターコロナの世界」を考えることから話を始めていました。

私がメンターをしていた班では、「アフターコロナの世界でコロナ以前と変わっていること」から話を始め、前提をすり合わせた後に、「伝えるべき伊豆の魅力とその方法」について話し合いました。コロナ禍の影響によってアウトドア志向が強まるなか、伊豆のどの観光資源を、どのように活かしていくのかという視点で議論が進んでいきました。「タカと一緒に飛べるパラグライダーが細野高原にあるから、それに工夫ができないか」「自転車専用の道路を活用したい」「スタンプラリーを開催すれば、来場者が少ない観光地にテコ入れできるのでは」などと、様々な角度からの意見を共有することができました。

初メンターの感想

今回初めてメンターとして参加して、もっとも印象的だったのは議論の加速感です。議論の進行にまだ不慣れな部分がある私は、「本当に議論が2時間で収束するのだろうか」と少し不安に思いながら携わっていました。実際、1時間話し合った段階では、まだ案の骨子すら定まっていませんでした。しかし、プレゼン直前になると話し合いが加速し、案としてまとまって着地していきました。

ここに一つ考えるポイントがあると感じました。話し合いが加速した要因として、時間が迫っていたことのほかに、

  • プレゼンする人を定めたこと

が明確に挙げられます。すなわち、参加しているメンバーに対して果たすべき責任の所在がはっきりしたとき、議論にスピード感が生まれたということです。

普段、議論を行う際、そこには必ず「肩書き」が存在し、各々が果たすべき役割がある程度明確になっています。企業や団体の中での議論なら、話をまとめる「上司」「リーダー」がいるはずです。彼らは、様々な意見を整理し、最終的に自分の持っている権限で、議論を収束させることができるでしょう。違うバックグラウンドを持った人が議論するとき(インターネットでの対談など)なら、彼らは何らかのポジション(例えば、〇〇という法案に反対するという立場)を持っているはずです。彼らは、相手の意見を聞いて適宜意見を修正しながら、自分のポジションにしたがって発言すればいいでしょう。

しかし、私たちのイベントでは(プレゼンする人を定めるまでは)基本的に参加者はフラットな関係性にあり、またなんのポジションも取っていない状況にあります。これには当然メリットとデメリットがあり、またアイデアソンの特徴の一つでもあると考えています。このような議論が行われるときに、参加者が果たすべき役割はいったいどのようなものか、そこで運営側の「メンター」という、ある種の権限を持った人物はどう振る舞うべきかそもそもメンターは必要なのか、もっともっと考えていく必要を感じました。

プレゼン発表

それでは、各チームのプレゼン発表を紹介していきます!

げんなり寿司

このチームが提案したのは、「夜市マルシェの開催」でした。ターゲットはコロナ収束後に東伊豆に長期滞在する観光客。東伊豆には地元の人がよく知るローカルな魅力が多くある(げんなり寿司もそのひとつ)けれど、それらの多くは外からくる観光客に知られていないことに着目して、夜市マルシェを地元の人と観光客との交流の場とし、地元ならではの情報を観光客が知る機会を設ける、というアイデアでした。また、夜市マルシェには地元の人たちの新たなコミュニティとしての側面があることも、魅力的なポイントでした。

チーム171cm

このチームからは「温泉」をPRするイデアが出ました。具体的には、ターゲットを女性に絞り、きれいな景色が見えることをアピールしたり、施設を整えたりすることで、ファーストインパクトと口コミの向上を目指すというものでした。周辺の温泉にも行けるような無料バスや、地元料理を調理しているところから楽しんでもらうランチ、夕日がきれいな細野高原へのツアープランなど、詳細に定まった案でした。ターゲットや伝えたい魅力が明確に定まっていて、かつ現実的で具体的なアイデアでした。

トーヨーとイナコー

このチームは「山」をPRするイデアを提案していました。具体的には、広く雄大な自然が味わえる細野高原について、海の幸のバーベキューや、アウトドア体験などで魅力を味わってもらうというものでした。また、「海の家」をもじった「山の家」を作り、東伊豆のローカルフードを提供するというアイデアも盛り込まれていました。ソーシャルディスタンスが取りやすい「山」をPRするアイデアは、テーマにぴったりくるものだったと思いました。

Young People

このチームは「with コロナ」と「after コロナ」を明確に分けたPR戦略に関するプレゼンでした。「after コロナ」のタイミングから観光のために活動してもなかなか集客できないだろう、という観点から「with コロナ」の期間からできることとそれに繋げる形での「アフターコロナツーリズム」を提案していました。具体的には、with コロナの時期には東伊豆の名産品のオンラインショップを作り、東伊豆について知ってもらい、after コロナのタイミングで体験型のツアーを企画するというものでした。

チーム御朱印

このチームのアイデア御朱印自転車フォトラリー」というものでした。これは既存のイベント「御朱印さんぽ*5」を発展させたもので、SNS をよく利用する観光客をターゲットにフォトラリーとしてゲーム性をもたせた企画でした。コロナへの対策として公共交通機関の利用を避けた自転車移動に着目していました。観光客が SNS に投稿するフォトコンテストを企画して拡散を目論み、同時にその入賞商品を地元で使える割引券などにすることで、リピーター増を狙っていました。既存のイベントに新しい要素を加える視点で、実現性の高いアイデアでした。

プレゼン発表の様子です!

審査結果発表

プレゼンに対して、

  • 観光資源の活用が考えられているか
  • 審査員が取り組みたい!と思えるか
  • プレゼンにワクワクが感じられるか

の3つの基準で審査を行いました。


ドキドキワクワクの結果発表、、優勝は、、、

 


チーム「げんなり寿司」!!

 

 

決め手は「観光客にも地元の人にも魅力的なアイデアであったこと」だったようです。

どのチームもそれぞれ良さがあるアイデアでしたし、さらに審査員の方から各チームにコメントをいただいたことで、新しい視点や学びが得られたのではないかと思います。

また、今回のアイデアを踏まえて、実現に向けて取り組むイベント(おいわっかそん)も開催予定です。今回参加者の皆さんや、運営メンバー、さらには審査員の方々も含めて、このアイデアをよりブラッシュアップしていきたいと考えています。

優勝賞品については、協賛の方に現地の素敵な特産品などをさまざまご準備いただき、後日お届けしました。

優勝賞品はこんな感じでした!

交流会の様子

最後に交流会を開きました。オンラインということで、参加者をランダムに各ブレイクアウトルームに振り分けるといったかたちで行いました。議論や発表の感想などざっくばらんな会話を行い、メンバー、チーム、審査員などといった壁をなくすことができた場だったと思います。〜出会おう、新しいヒト、新しいジブン〜という私たちの理念を実現できていたら嬉しいです。

最後に

団体として一つの目標であった、地方創生をテーマとしたアイデアソンを開催でき、本当に嬉しく思っております。今回の出会いや経験を大切に、今後につなげていきたいと思っています。

そして第2回おうち dé わっかそんを開催するにあたって、NPO法人ローカルデザインネットワークさまをはじめ、たくさんの方にご協力いただきました。改めてお礼を申し上げます。

私たちのイベントが関わってくださった全ての方にとって、何か変化を生むきっかけになればと思っています。これからも様々な活動に全力を尽くしていきます。今後とも応援していただければ幸いです。

それではまた次のイベントでお会いしましょう!