私は幼い頃からずっと、父から「人のために生きなさい」と言われ続けてきました。幼い頃はそれを聞いても当たり前の事だとしか思わず、その他には特に何も感じませんでした。
私の祖父の家では、毎年元日に、親戚で集まって自分についてスピーチをする風習があります。正直、25人もいる親戚の前で話すことが本当に嫌で、毎年、お正月が来るのが怖くて仕方がありませんでした。
高校一年生の時、いつものように内心嫌だなと思いながら自分についてスピーチをすると、その後、親戚からこのような指摘を受けました。
「あなたは、本当に人に伝えたいと思いながら話してるの?」
そこで私はハッとさせられました。
それまでの私は、ただ自分が言いたいことだけ話して、聞いている側の立場になっていませんでした。当たり前ですが、聞き手ももちろん人間です。話し手の態度で、その人の話を聞きたくなるか、そうでないのかが大きく左右されるのだと感じました。
自分が、あれだけ父から言われてきた「人のために」が、全然身についていないのだと実感し、自分のことが情けなくなりました。
会話とは、決して一方通行のものではなく、人と人との対話によって成り立つものです。
それからは、自分が話したいことだけを相手に伝えるのではなく、相手が聞いていて心地良いような振る舞いをするよう、心がけています。
髙橋あゆ美さんのマインドに共感