フェアトレードと言葉遊び

既にサークルとしての活動を退いた手前、多くを語るわけにもいきません。ここでは、少しばかりフェアトレードのフェアという言葉についていくらか足りない語彙を弄してみましょう。

さて、「フェア」と言ってしまえばとてもシンプルな響きで素晴らしいもののように思えますし、事実そうなのかもしれません。しかし、何をもってフェアとするかは難しいところです。

経済学に基づく市場価格なのか?それとも、健康で文化的な最低限度の生活を送るに不足しない額なのか?生産者と消費者で、フェアの意味するところが異なれば行き着くゴールテープは引き裂かれているに違いありません。

フェアトレードラベルを提供している某最大手の定義によれば概ね間違いはないとの意見もあるでしょう。そうかもしれません。しかし近年、それに属することなく、自社規格でのフェアトレードを行う企業も増えています。フェアトレードが商標ではなく概念であることを考えれば、当然の動きでしょう。

つまり、現在、いわゆるフェアトレードと呼ばれているものが非常に多く存在し、かつそれらの内実は微妙に異なっていると考えられます。ここで大切なことは、それが生産者側の望むフェアトレードと一致することではないでしょうか。

一意に定義できないフェアトレードについて、千組あれば千通りのフェアを見つけることができるといいですね。