超初心者向け!日本刀の三つの鑑賞ポイントを解説! (前編)

こんにちは、日和のさららです。

博物館や美術館に行くと時々見かける日本刀。近年様々なメディアの影響もあり空前の日本刀ブームと言っていいほど盛り上がりを見せています。

とは言っても、興味はあるけど何がいいのかわからない、どこが面白いの?そんな風にお思いの方も多いでしょう。なのでこの記事では、初めて日本刀に触れる方向けに基礎知識を分かりやすく解説させていただきたいと思います。

※この記事は分かりやすさを最優先にして作成しております。一部情報の取捨選択、自己流の説明が入りますが、どうぞご容赦下さい。

そもそも日本刀とは

日本刀とは、日本独自の製法によって作られた刀類全般のことを指します。大変定義が広いため、今回は所謂日本刀として多くの方がイメージする下の写真のような形のものについてご紹介したいと思います。

このような片方が刃でもう片方は切れない、反りのある刀が登場するようになったのは、平安時代末期のこと。そこから式典の際の装身具や闘いの際の武器として用いられるようになり、刀工と呼ばれる刀を作る職人が強い市民権を持つようになります。

現在日本刀は主に美術品として扱われていますが、製法は脈々と受け継がれています。

 

日本刀の何がいいの?

そんな日本刀ですが、ただの刃物と言うなかれ、沢山の魅力がそこには詰まっています。
日本刀を鑑賞する際に見るといい部分(見どころ)は主に三つあります。
一つ目は姿(すがた)、二つ目は刃文(はもん)、三つ目は地鉄(じがね)です。

名称だけ言われてもピンとこないかと思われますが、人間に置き換えるとそれぞれスタイル、顔、肌であると考えていいでしょう。

 

①姿とは

姿とは、前述した人間で言う「スタイル」にあたる部分のことですが、その名の通り刀全体の姿のことを指します。多くの要素を総称して姿と言われていますが、今回はその中でも違いが見やすい、鋒(きっさき)反りについて説明します。

〈鋒〉
下図に示した通り、鋒とは刀の先のふくらんだ部分のことを言います。人間で言うところの「髪の毛」のようなものでしょうか。

ここは日本刀の中でも最も鋭く殺傷能力が高い部分です。
鋒が大きいと刀全体が豪快な雰囲気に、小さいと優美な雰囲気になることがわかるかと思います。

鋒が大きい↑ 鋒が小さい↓


〈反り〉
刀の反り返りのことを指します。
主にどの程度反っているかどの部分が反っているかにその刀の個性が出ます。
反りが大きいとより日本刀らしく見え、反りが小さいものは飾り気ない洗練された印象を受けます。

また、刀の先の方が反っているか、それとも持ち手に近い方が反っているかでも大分雰囲気が変わってきます。


②刃文とは

刀の特徴として多くの人が想像できるであろう、刃にある白い波々の部分のことを刃文といいます。日本刀の「顔」とも言っていいこの部分は、それぞれの刀の個性がとてもよく現れます。

上の刀のように薄く白い線がついただけのように見える刃文のことを直刃(すぐは)、
下の刀のように波打って乱れたように揺らいでいる刃文のことを乱刃(みだれば)といいます。


★おまけ:乱刃の種類


乱刃の中にもその乱れ方の違いによって、大きく分けて三種類の刃文が存在します。
〈互の目(ぐのめ)〉
碁石を縦に連ねたようである。と評されるこれは、同じような幅の波が規則正しく続いていく刃文となっています。

〈丁子(ちょうじ)〉
丁子の実(下写真)を連ねたようである。と評されるこれは、互の目よりも波が急で細かく続いていく刃文となっています。

〈湾れ(のたれ)〉
上二つよりもゆったりとした波が続いていく刃文となっています。中には緩やかな波であるがゆえに、直刃との見分けがつきづらいものも存在します。


③地鉄とは

地鉄とは、写真の赤紫色の部分に出るその刀の鉄の模様のことを指します。人間で言うと「肌」にあたる部分で、細かな肌艶が刀によって違うというイメージです。

美術館でぱっと鑑賞するだけだと中々わからない部分なので、鑑賞初心者の方はあまり気になさらなくていいと思います。詳しく知りたい方は『刀剣ワールド』というウェブサイトに丁寧な説明が載っていますのでそちらをご覧ください。

 ※このように、刀によって鉄の部分にでる模様に違いがある

 

いかがだったでしょうか。
日本刀は一見包丁と変わりがないようですが、その実非常に奥が深いものです。
個人的には②の刃文が日本刀の中で一番好きかつ見やすい部分だと思うので、ぜひ刀と出会う機会がありましたらご覧ください。

 また、近日中にこの続き(日本刀の種類編)を投稿する予定ですので、そちらも見ていただけると嬉しいです!